忘れ物を取りに・・・。

先日受験していた英検に合格した。

いつかは取りたいと思っていた検定資格。

父の通い介護に専念するために、途中何度も受験を先送りにしてきた。

今年の1月に一次試験に合格したものの、

今度は愛犬の介護に専念したかったので、二次試験を一度パスした。

 

自分の果たすべき仕事がすべて終わって身軽になったこの夏、ようやく二次試験に

自分のことだけに集中できる環境が整ってやっとチャレンジできた。

 

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緊張によるストレスが高まると、わたしはテキメンにお腹に来るのだけど、

だいたい朝、腹痛とともに目が覚めるのが特徴で・・・

この試験の1週間前くらいから、まさにその状態で毎朝腹痛とともに目が覚めていた。

 

でも、試験会場に到着して大学の広い講堂で順番を待っている時には

「ついにわたし、ここまでたどりついたんだな」

と考えると、なんだかうれしくてニヤニヤと笑いがこみあげてきた。

 

人間、緊張が極限に達すると、笑えてくるんだと学習した。

 

このチャレンジは本当にもう、自己満足を求めただけ。

もちろん、最初からここを目指そうと思っていたわけでもなんでもなくて、

一歩一歩、手の届くところを掴みながら崖を上っていたら

だんだんと筋肉も体力もついてきて、少し難しそうな岩のでっぱりにも

手が届くようになり、「もしかしたらこのまま崖の上までいけるかも」という

気がしてきて・・・・気が付いたらてっぺんまで来ていた・・・

ロッククライミングみたいな感覚かもしれなかった。

(もちろん、ロッククライミングなんてやってこともないw)

 

ブログでは何度か書いたことあるけれど

高校時代、英語”だけ”は学年トップの成績だったのに実家にお金の余裕がなくて

大学には行かせてもらえなかった。

英語の成績がいいことは友達にも周知されていたので

「え?NORAKO就職するの?なんで?」

と素朴な疑問をぶつけられることが、心の底から恥ずかしかった。

中堅レベルではあったものの進学校だったから、

同級生はみんな進学。

たまに友達と会ったときに、合コンが、とかサークルが、バイトが、旅行が・・・

という周りの話についていけなくて、

ものすごく羨ましく、自分のことを恥ずかしいと思ったこともあった。

バブル期でもあったので、高校時代にさほど成績の良くなかった同級生たちも

大学卒業後はいとも簡単に有名企業に就職を決めていき、

地元の中小企業で働く自分にはなんだか本当に取り残された気持ちに。

 

それが学歴コンプレックスなのか?単なる年頃の女の子の

「みんなと同じでないことが恥ずかしい」と感じる気持からくる劣等感だったのか?

その当時の自分の気持ちの正体はわからないけれど

 

「NORAKOは英語得意”だった”よね」と、友人から”過去形”で言われることに

小さく胸を痛めていたのは事実で・・・

たぶん、自分の中ではそこが一番のコンプレックスだったのだと思う。

 

 

家にお金がなくて大学には行かせてもらえなかったけれど

今は自分で英会話スクールに行くお金だって出せる。

いまこそ、自分のためにお金も時間もつかって、思う存分やりたかった勉強をするぞ、

・・・と、そんなありったけの思いを込めて、コツコツ積み上げてきた上で、

やっとたどりついた大きなチャレンジだった。

 

ところで、高校1年生のときに、若い英語教師に本気で恋をしていたわたし。

実を言うと、彼に注目されたくて(生徒として・・・でいいので)

予習・復習、テスト勉強ををものすごく頑張り、

授業には積極的な姿勢で臨んでいた。

英語の成績が飛躍的に上がったのはそのせいだったと思う。

(実はものすごくミーハーな理由がきっかけだった)

英語の成績が優秀だったことから高校2年生のときは、

1年間の交換留学生に推薦してもらえたのに

これも結局経済的な理由で辞退した。

 

その先生が高校3年生のときについに担任になった。

そして、わたしの英語の成績が飛びぬけてよかったことを知っていたのと、

彼自身が英語教師であったこともあり、

「大学へ行かなきゃもったいない。大学へ行く方法はいくらでもあるから」

と、何度も何度も強く進学を勧めてくれた。でもやはりそれは無理なことだった。

 

なんかもう自分で書いていても「どれだけ高校時代に悔いを残してきたんだか」

とあきれるくらいだけど(笑)本当にそうなのだ。

 

だから、英語のやり直しを始めてからのこの5年間は、

遠い過去に果たせなかった「やりたいことリスト」を

ひとつひとつ回収する作業でもあった。

取り戻してきたの忘れ物を取り戻す・・・・そんな感じ。

そして、叶うのならば、当時のその担任の先生に、

この合格を一番伝えたいなあと思っている。

 

「あきらめきれずに英語をもう一度頑張って、ついに1級取ったんですよ!」

 

って。

 

まあ、昔のイメージはあまり壊したくないので(笑)

実際に会う方法を探ったりはしないですけどネ。

 

 

でも そのくらい、自分には感慨深いゴールにたどり着いたって気持ちなのです。