今どきの若者は。

年末年始休みの約1週間・・・

息子も遠方から帰省していたわけだが

11月の父の葬儀のときに顔を合わせていたので

あまり久しぶり!という感じはなかった。

 

そうそう、わたしが心配だ・・・・と書いていた「痒疹」は

相変わらず一進一退の状態だった。

 

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皮膚科の先生からは「半年はかかると思ったほうがいいよ」と

言われているらしい。

相変わらず体中のあちこちに痒疹が出ていて、以前帰って来た時と同様に

帰省中は毎晩わたしが背中にステロイドを塗ってやっていた。

 

ただ、依然と比べると保湿液だの、

ステロイドテープだの(その名の通りテープにステロイドが仕込まれているもの)

前回帰省したときよりも「武器」が増えていて、

腫れのひどい箇所にはテープを貼ると2~3日で腫れが引くらしい。

ただし、一旦治ったと思っても数日経つとまたぶり返してくるそうで・・・

そういう性質が「痒疹」がなかなか治らないといわれる理由のようだった。

いずれにしても、状態を見ながら、主治医が処方する薬を適宜かえて様子を

見てくれているのが分かったので、そのことには安堵した。

 

 

書きたかったのは痒疹のことではなくて・・・・(汗)

息子の仕事のこと。

ありがたいことに、息子は仕事の面で大きな不満や不安はなく

うまくやっているらしい。

「即戦力として仕事を任せられているのがうれしい」と言っていた。

どんなことをしているのか?を聞いてもどうせわからないので詳しくは聞かなかったが

「大学の研究室でやっていたこととほとんど同じことをやっているから

ラボの延長みたい(笑)」

と本人は苦笑いしていた。

それってこれまで身に着けてきたスキルを生かせているということだから

息子にとってはやりがいのある仕事と環境を与えてもらっているということだろうと

その言葉に安堵した。

 

ブログに書いたかどうか覚えていないけれど

息子が入社した会社は、実は本人にとっては第三希望の企業だった。

第一希望の企業は最終面接で涙をのんだ。

推薦応募した第二希望の企業は、最終面接の結果をさんざん待たされて・・・

あまりに企業側の対応が不誠実だったので、

教授と相談の上、結果を待たずに辞退することになった。

そして、入社したのが今の企業。

当時は、親心として「本当は第一希望か第二希望が良かったんだろうなあ」と

息子の気持ちが気になったりしたけれど

結果的に、息子は非常に生き生きと働いている。

もし第一・第二希望の企業に行っていたとして・・・

こういう環境が与えてもらえたかどうか?わからないわけで・・・

 

人生の選択って必ずしも

「一番欲しかったものが最高」とは限らないかもしれない。

 

現に、息子の同級生は数人、第一希望で内定をもらった企業をもう辞めたという。

大企業をあっさり蹴ってしまうその潔さには驚くばかり。

 

そういう話を聞くと、ふっと頭に浮かぶのは

「今どきの若者は簡単に仕事を辞める」

という、ネガティブな言葉。

 

わが子の話ではないから、「へえ~~!」なんて落ち着いて聞いていられるけれど

息子が「辞める」と言ったら、きっとわたしは慌てるだろう。

ただ、息子の話を聞いていると

イマドキの若者はイマドキの若者で、しっかりとした考えを持っているようだった。

 

それは、

大学を出て1~2年のうちであれば、

まだ同じ条件で(売り手市場で)就活をやり直すことが可能だから

合わない・これじゃない!と思って見切りをつけるならむしろ早いほうがいい、

でもその時期を過ぎたら、逆にスキルがないと転職は無理だから

30代前半までに、しっかりとしたスキルと実績を積まないとダメ。

 

・・・というのが、息子らの年代が考えている「転職セオリー」だった。

その考え方が正しいのかどうかはともかく、

「イヤだから辞めた」という安易なものではなくて、

彼らは彼らなりに自分たちの売り時、そして高く売るためには何が必要か?を

しっかり考えて決断しているんだな・・・というところに、関心した。

 

子供が10代のころは

親はわが子の将来の選択肢を増やすために、少しでもいい成績を取ってもらい

少しでもいい大学へ行かせたい・・・と願う。

しかし、親の視点での「将来の選択肢を増やしたい」というそれは

大抵の場合、上へ上へ・・・と高いところばかりを見上げている気がする。

 

けれど、実際に大人になったわが子は、

その目は上だけでなく、360度を見回している。

だから、親が想像もしていなかった進路を選ぶ場合もあるし、

また、時には「せっかく大学までやったのに・・・」

という選択をする可能性だってあるわけだ。

 

現にわたしの数少ない友人でも

わが子が大学を首席で卒業したにも関わらず

就活がうまくいかず、あきらめてしまってフリーターをしている子がいるし、

大学4年生で就活が始まった時点で大学を辞めてしまい、

まったく畑違いの分野の仕事に就いたという子もいる。

 

息子の大学の同期のある子は

大企業を半年で辞めて無名のベンチャー企業へ転職したらしい。

そしてまたある子は有名ベンチャー企業を二年で辞めて個人事業主になったり。

 

 

今更考えても遅いことだけれど

親が子供を育てるうえでしてやれることって何だろうな・・・と考える。

 

将来の選択肢を増やしてやることはもちろん大事だけれど

それよりももっと大切なことは

子供が自分の人生を歩み始めた時に、そして何かに迷った時

自分の決断を信じて、選んだ進路を迷わず、自信をもって進める・・・

そういう気持ちの強い人間に育ててやることなんじゃないかと思った。

そういう「生きぬく力」こそが、わが子の長い長い人生を強く支えるに違いなく

何よりも大事なことのような気がする。

 

就職して1年もたたないうちに会社を辞めたという、息子の友達の話は

そこだけを切り取ったら

「もったいない」「安易すぎる」と否定的に捉えられかねないけれど

彼らにはそうするべき「理由」があったのだろうし

何より、現状に流されず「辞める」ということだって相当な決断力のいることだから

彼らの行動力は素直に素晴らしい・・・・!と、

息子の話を聞いて、わたしは思った。

 

多くの人は年齢を重ねるたびに守りに入った生き方になる。

思い切って動けるのは20代だからこそ・・・でもあるわけだ。

 

わが子がたくましく、生き生きと輝ける場所で暮らしているのであれば

もうそれはどこでもいいはず。

自分で考え、決断して行動できる人間になっていることを

親はただ見守り、常に味方であり続け、エールを送るのみ。

 

 

今どきの若者・・・・

親世代が思っているよりずっと情報収集しているし

いろいろ先のことを考えているし、

たくましく生きている。

 

ほんとに。