家事を「手伝う」時代は終わった。

今月の初めの週末に、息子夫婦が帰省して来た。

来年に控えている結婚式のための、最初の衣装合わせがあったのでそのついでに

週末だけ実家に泊って行った。

 

学生時代に一人暮らししていたころや、

結婚後に独身寮に入っていたころには

帰ってきたときに聞くのは大抵

「ちゃんと食べてる?」「ちゃんと寝てる?」「仕事は忙しい?」

「友達と遊んでる?」

・・・とか、そんなことばかりだった気がする。

 

結婚してからそういう話はあまりしなくなった。

まずなんといっても、健康面はしっかり者のお嫁さんがついていてくれるので

何の心配もいらなくなったこと。

職業柄もあって、お嫁さんは健康管理や栄養についてとてもキッチリしているらしい。

息子もまた、そういう彼女のスキルを素直に尊敬していて

言われたことはちゃんと守っているらしいから、本当に安心している。

 

生活が充実しているかどうかは、聞くまでもない。二人はとにかく仲がいいから。

仕事のことも、わたしが心配しなくてもお嫁さんに何でも話しているのだろう。

現に、今回帰省してきたときは

「最近〇〇さん、最近は仕事がああでこうで・・・らしいんですよ」と、

息子本人からではなく、彼女の口から息子の仕事の詳細を聞いた(笑)

仕事のことを息子が彼女に何でも話して聞かせるのもまた、「親友」時代から

おそらくそうであったことから・・・の自然な流れなのかなと思った。

 

息子が母親のわたしと話す話題で一番変化を感じるのは、

「家事」の話題が圧倒的に増えたことだ。

 

帰ってくるたびにいろいろ話す。

たとえば・・・わたしは長年ダスキンを利用している。

使っている人にはたぶん共感してもらえるはずだけど、

ダスキンは「スポンジ」が素晴らしい。

もうかれこれ15年くらい、ダスキンのスポンジ以外は使ったことがない。

たまに在庫がなくて仕方なくお店で適当なスポンジを買ったことはあったけれど

「やっぱりダスキンじゃないとダメだわ」となり、常に在庫を欠かさない。

でも何か月使ってもヘタらないので替えどきが難しいくらい丈夫だ。

 

なので、結婚した息子たちにも・・・と思い、先日ダスキンさんが来たときに

スポンジを余分に購入しておいたのでそれを息子に渡した。

「これは本当にヘタらないからぜひ使いなさい!(力説)」と。

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すると息子。

「へ~~ありがと!うちは100均のスポンジ使ってるんだよね。

でもすぐヘタるから月に1回新しいのに交換して、古いのを排水口用に格下げしてる」

 

敏感な人ならすぐに気づくはず。

この何気ない言葉。果たして世の中の既婚男性のどのくらいが

自分の家のスポンジをどこで買ってるか?を知ってるだろうか?

どのくらいの頻度で新しいのに変わっているか知っているだろうか?って。

 

ほかにも

「最近食洗器買ったんだけどさ、お母さんが使ってる食洗器用洗剤ってどういうやつ?

今使ってるやつ、どうもコップに白い水跡が残るのが気になってさあ~。

食洗器の性能のせいなのか?洗剤のせいなのか検証したくて。」

 

なんてことも聞いてきた。

これも同じく「自宅の食洗器洗剤の商品名を知ってる夫はどのくらいいるんだ?」

と心の中で思いましたね(笑)

 

ほかにも、息子は便利な街中に住んでいるので

徒歩圏内にスーパーやドラッグストアなど何でもそろっているらしいのだけど、

地方暮らしのわたしには「徒歩でスーパー」というのがちょっと考えにくい。

 

「徒歩でスーパー行くのって帰りの荷物重くて結構〇〇ちゃん大変じゃない?」

と息子に聞いたら

 

涼しい顔して言われましたね。

 

「えっ・・・別に?・・・なんで?
重いものは僕が買ってくるから全然問題ないし。」

 

と。

この何気ない会話に、わたしの脳こそが「買い物は常に女の仕事」みたいな

刷り込みがされていたんだなとハっとさせられた。

男性だけでなく、女性のほうもまた「自分がやるのが当たり前」を積極的でないにしろ

受け入れてきちゃってたんだろうなあ。

 

それに「たかが買い物」といっても、買い物慣れしていない男性に頼むと

ほぼ「子供のおつかいレベル」でかなり細かいところまで指示しないと

こちらがイメージしたものを買ってこないから

もうそういうのを考えて「自分で行くほうが簡単」とも思いがちだし。

 

そんなこんなで・・・息子の話に大きなジェネレーションギャップを感じたわたし。

もちろんすべては「いい変化」なのだけど。

 

わたしの夫なんかは、典型的な昭和夫なので、家事スキル0。

それはまあ今更どうにもならないので仕方ないとして・・・

夫のような「家事スキル0男」の時代から、少しずつ男性の意識は変化して

 

ひと昔前あたりから

「夫も家事を手伝う」って認識が少しずつ広がったと思う。

が、息子と話しているともうそれすら時代遅れな感覚なのだと思い知る。

 

息子の中ではいまや「家事は二人でやるのが当たり前」らしい。

「手伝う」って言う意識が初めから頭にない。

こういうことは、女性の方がそう思う割に、男性の意識改革が進まないケースが

多いけれど、今どきの若い男性の意識は、わたしたちが思っている以上に進んでいる。

 

決して息子が特別「できた夫」とかではなく

身近な職場の先輩や同じくすでに結婚した同級生たち、

みんな同じ感覚を共有しているそうなのだ。

「いまどき、家事ができない男は恥ずかしすぎるだろ」なんですってよ!

 

世間的には、まだまだ主要な家事の大部分は女性が担っていて、

男性は余った時間でちょっと「お手伝い」すれば妻から感謝される・・・という

図式のほうが強いイメージだけど

 

 

どうやら時代は確実に変わっているようですよ。