育休は広めるべきか?

息子の育休が6月末で終わりを迎える。

4月の半ばから育休に入っていたので、正味2カ月半といったところ。

 

一昨日、息子夫婦宅にあそびに行ったときに、

育休終わるね~~~という話になり、お嫁さんが言った。

 

「育休終わってほしくないです~~」と。

 

ママが、こんな風に言うっていうのは「育休の成功例」だと思う。

しかし彼女がそう言うのももっともで・・・

親ばか承知で言わせてもらうなら、息子のイクメンぶりは群を抜いていた。

お嫁さんは息子のことを

 

「プロのイクメン」と称しているほどだ。

 

出産当日から産院に泊まり込んで、妻と一緒に24時間育児を始めたことは

このブログの中でもふれたと思うけれど、

彼の中では、「新生児育児は妻から教えてもらう」のではなく

「妻と一緒に助産師さんから教えてもらう」ものだった。

スタートが同じなので、どちらも同じレベルでパパママとして成長していく。

これはすごいことだったと思う。

退院までの数日間の24時間育児で、

息子はあっという間に抱き方もおむつの替え方も、

授乳間隔や量もすべて学習し、把握し、授乳時間以外は妻を休ませ、

気になる事を逐一助産師さんから教わり

その数日間で多くを吸収して、退院するときには自信満々にすら見えた。

 

「プロのイクメン」と、お嫁さんが絶賛するのは

 

「授乳(母乳だから)以外のことを全部やってくれる」からだそう。

里帰りが終わってしばらくの間は、食事面はわたしもかなりサポートしたけれど

掃除、洗濯、おむつ替え、寝かしつけ、料理はすべて息子がやっていたらしい。

 

もともと料理は得意ではなく、レパートリーも少なく、

出産前は料理の8割はお嫁さんがやっていた。

(息子は週末に作るのみ)

 

いくら育休で時間がある・・・といっても、もともと初心者レベルだった人が

今3食準備しているってシンプルに偉いなあと思うし

お嫁さんいわく、

「育休中に料理スキルがめちゃくちゃ上がりましたよ」と

驚いている。

 

しかも家事も育児も、お嫁さんが指示しているわけじゃなく、

息子がひとりでどんどんやっている。

お嫁さんが授乳と休息と赤子と戯れることだけに専念している間に

家の中は整っていくわけで・・・

そりゃあ・・・お嫁さんが「育休終わってほしくないです」と言うのも当然だろう。

 

だから、彼らにとっては間違いなく「育休は素晴らしい制度」だったろう。

ところが、若者目線でいっても

「制度だけが広まればいいとは限らない」と思うらしい。

 

お嫁さんのお友達でご主人が育休を2か月取った子がいるらしいのだけど、

あまり協力的ではなく・・・・

パパの育児=赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりする

という認識だったようで、育休中でもママの負担ばかりが増すばかり、

料理はもちろん、家事全般が妻の仕事のままだったそう。

「まるで小さな赤ちゃんと大きな子供の世話をしているよう」とストレスが蓄積し、

最後には爆発して、どれだけ自分が大変かをパパに泣いて訴えたそうなのだけど、

妻の様子に猛省したそのご主人が言った言葉というのが

 

「ごめん。わかった。これからは困ったことがあったら何でも言って!

言ってくれれば何でも手伝うから!」

 

だったそうで、全然通じてないな・・・とお友達は脱力してしまったそう。

乳児の世話をしていて、「困ったことがあったら」・・・という感覚がねえ。

 

でも、世の中の男性だったり、夫だったり、パパだったりする人たちって

案外こういうタイプが多いんじゃないかと思う。

「言ってくれればやる」、というあくまで受け身な感じ。あくまで指示待ちな感じ。

そして、自分にとっての家事や育児が「お手伝い」の感覚でいる人。

 

育休制度が広まることはすごく大事だけれど、

男性が家事や育児を「自分ごと」と認識して能動的に動けるようにならないと

制度だけあっても、それじゃあまるで

パパにとっての長期休暇にしかならないわけで・・・。

 

今の政府は、男性の育児休業取得率を2025年度に50%、30年度に85%に引き上げる

・・・って意気込んでいるけれど

 

育休制度に感謝している二人ですら

 

「旦那さんが何もしてくれないタイプだと
”育休要らない”って思う奥さんも絶対多いはず。
だから育休は取りたい人が取れる環境さえあればよくて
取るのが義務みたいにならないほうがいい」

 

と口をそろえて言っていた。

 

実際、何にもしない旦那さんが24時間ひとつ屋根の下にいたら、イライラしてしまい

なんなら産後クライシス極まるんじゃないか・・・?とすら思う。

 

制度を広める前に、男性の意識改革の方が必要だろう。

でも、それは政策でどうにかなることじゃないので

難しいところだよねえ・・・。

正直、意識改革でどうにかなる話じゃなくて、

もともとの性格に左右されているような気がするから。

 

余談だけど、何気にカチンとくるのはね、

息子のイクメンぶりの話になると、

ほとんどオムツすら替えたことのない夫が自己弁護として

「昔はそういう時代だったからしょうがない。男が育児する時代じゃなかった」

と、世の中のせいにするところ。

 

いや絶対そうじゃないと思うのだ。

もし「世の中の流れ」のせいだと思ってるのなら、

令和の時代にあっても家のことは我関せずである姿勢をどう説明するんだ?って

言いたくなるもの。

やっぱり性格だと思う。性格。

自分以外の人のことをどれだけ思いやれるか?という察する心が大事よね。

 

 

まあ、そんなわけで間もなく育休終了で、

お嫁さんは7月から始まる日中ワンオペ育児に不安いっぱいな様子だけど・・・・

育休が終わるとはいえ、息子の仕事は週4日テレワークなので

家の中で突然赤ちゃんと二人きりにされて孤独になるわけでもないし、

きっと新しい生活リズムに慣れていけることだろうと思う。