これから先のこと(3)

 

先日から書いていることのまたまた続き。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

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現時点では、今お世話になっている病院への入院の可能性は低いのは前述のとおり。

そして一時的に療養病院へ転院するということも難しいことがわかった。

そうなると、残る選択肢は「有料老人ホーム」しかない。

(実際に父がウンと言うか言わないかは別問題)

 

ちなみに、施設については・・・ざっくりざっくり説明すると
(※まだ介護に縁のない読者さん向けにあえて)

 

①特養(特別養護老人ホームの略)

老健老人保健施設の略)

③有料老人ホーム

 

の大きく3つのタイプがある。

 

①特養(特別養護老人ホーム
世間一般でよく「施設は〇年待ちとかで、すぐには入れないんだってよ」など言われるのはこの特養のことを指しているケースがほとんどだと思う。簡単に言うと公立施設なので費用が安く、入所期間に制限がなく、一度入ったら看取りまでをお願いすることができるというのが特徴なので、在宅では看切れない・・・と判断した家族が頼ることになる施設。不謹慎な言い方になってしまうけれど、要はどなたかが亡くならないと空きが出ないわけで・・・だから入所待ちの列ができてしまうわけ。ただし、「要介護3以上」でないと入所できないという条件があるので、うちの父(要介護2)はこの時点で対象外である。

 

老健老人保健施設
こちらも公立の施設なので費用は比較的安いそう。しかし「リハビリによって体を回復させて自宅へ戻る」ことを目的にしているため、一般的に3~6か月の短期しか入所できない、あくまでも一時利用の施設。いわゆる骨折手術後や脳梗塞後など、急性期病院を退院したあとにリハビリ目的での入所が多い。よって、父のような回復の見込みのない、リハビリする体力もない末期がんの高齢者の「長期療養目的」で入所は対象外。なのでこちらも父は入れない。

 

③有料老人ホーム
特養や老健地方公共団体社会福祉法人によって運営されている公立なのに対して、有料老人ホームは民間企業が運営している私立の施設・・・と考えると違いがわかりやすいと思う。学校でもそうだけれど、「私立」というのは高い・・・。一般的に「老人ホームは高いよ」と例えられるのはこれらの施設。費用もいろいろ、サービス体制もいろいろ。費用は地域差があるけれど、1か月15~40万くらいらしい。
父の住んでいる地域の相場は1か月20~25万とのこと。入所時に一時金を支払わなければならない施設もある。(父の地域では一時金0円がほとんど)

 

(※以上はわたしが理解している範囲の説明なのでごく簡単なものだし、個別に入所条件が多少違う場合もあるので、あくまで一般的な考え方として解釈してくださいね)

 

わたしが初めから「有料老人ホーム」と書いたのは、上記の理由から。

つまり、特養や老健は入れないのだ。

 

 

ハッキリ言って費用面は大きな問題ではない。

もちろん、経済的負担が大きいことに違いはないのだけど(汗)

父の場合は「この先何年続くかわからないホーム暮らし」ではなく

(緩和ケアに入るまでの)数か月のことになると思うので、

そのくらいの期間であれば、父の年金と貯金でなんとか行けると思うから。

 

 

・・・が、問題は父本人が有料老人ホームになんて絶対にウンと言わない点。

退院してから数日は、自分がどこにいるのか?も理解できなかった父だったので

そういう状態であれば、ホームへ預けることも可能だったと思うけれど・・・

退院から2週間近く経った今は、

まだらボケのように記憶力や理解力に波があるものの、

自分の現在の状況はわかるようになったし、普通に会話が通じるレベル。

そんな頭がクリアになってきた父に「老人ホームへ」なんて

絶対に言えない話となってしまった・・・。

 

そこで、わたしの負担軽減のために、

第④の選択肢として考えたのがショートステイ

 

週末など、数日間のみ・・・施設で過ごしてもらうという、

これも介護保険を利用したサービスだ。

(介護度ごとの上限枠の中で1~3割の自己負担額のみで利用できる)

家族の事情によってさまざまな使い方ができるけれど

わたしの場合は、父に毎週3日間くらい、ショートステイに行ってもらえたら

そのあいだ、通い介護を休めるのでずいぶん楽になるなあ・・・と考えた。

 

以前はショートステイも、到底考えられなかったけれど、

今はそんなことは言っていられないので、なんとか父を説得して行ってもらおう

・・・という固い決意とともに。

 

そのため、1週間ほど前から、ケアマネさんにお願いして

受け入れ可能なショートステイを探してもらっていた。

その返事が昨日ようやく届いたのだけど・・・(施設側からの返事待ちだったらしい)

 

回答に愕然とした。

 

 

なんとショートステイ受け入れ可能は施設は、たった1件だった・・・。

市内で20数か所くらいはある施設の中で・・・・だ。

 

これは「空きがない」という意味ではなくて、

父のような病気リスクの高い人を、受け入れてくれる施設がないという意味。

つまり門前払いだ。

 

事情に詳しいケアマネさんからは「なかなか厳しいと思います」ということは

探してもらう前から聞いていた。

でもまさかここまでとは・・・・と、ショックが大きかった。

この、たった1件の施設も、いつでも受け入れてもらえるわけではなく、

2か月先までほぼ予約がいっぱいなので、

今すぐ利用するとしても、スポット的に空いているところに1~2泊、

かろうじて入れてもらえるという状態らしい。

そのためわたしが安易にイメージしていた「毎週予約したい」という希望は

予約開始と同時に抑えるくらいの意気込みでいかないと実質無理ということ。

 

この件で初めて知ったけれど、ショートステイって大人気なのだそう・・・。

おそらく、介護する側にとってもされる側にとっても、

比較的ハードルが低いのが理由じゃないかと思う。

家族にとっては「まだ家で看てあげられるけれど、でもときどき休ませてもらいたい」

という微妙な気持ちに罪悪感なしに使えるサービスだし

ずっと家にいたい介護される側にとっても

「施設に住むのはイヤだけど、家族のためにも数日なら」と妥協できる場所。

 

 

と、そんな立ち位置の、便利で使いやすいサービスなのだろうなあ。

 

しかし、気軽に使える場所である分、

医療リスクの高い人はあまり引き受けてもらえないようで

HPなどで、ショートステイの受け入れ条件を見るとほとんど

「常時医療的ケアが必要な方はお引き受けできません」

「医療的ケアが必要な方はお問合せください」

とあらかじめ注意書きがある。 

 

ちなみに、在宅酸素自体は、どこの施設も受け入れOKらしい。

父が受け入れ拒否になってしまった理由は、在宅酸素ではなく、

医療用麻薬を使っていることと、それを自分では管理できないことだった。

 

施設側の話では、麻薬の扱いは看護師対応で、

介護士は医療用麻薬を管理できないとのこと。

(ただし施設利用者が自己責任で自分で管理できるならOK。)

そして、「看護師常駐」としている施設でも

実際は日中に常駐しているだけで夜間はやはり介護士しかいないため、

夜中に父が痛みを訴えるなどしても、対応できない・・・、

また多くの利用者がいる中で、父にだけ夜間など気を配ることも難しい・・・

と、そういうことを理由として言われたそう。

 

それが全国的に標準なのかどうかはわからないけれど、父の住む地域の施設では

どこも同じ回答だった様子。 

 

ただ、ここからはわたしの想像だけど・・・

「医療用麻薬は管理できません」というのは表向きの理由であって・・・

本当の理由は、父のように、麻薬が必要な状態の全身状態の悪い末期がん患者は

「死亡リスク」が高いということが理由で敬遠したいということなのでは?と思った。

 

なぜなら、ショートステイの多くは医師が常駐していない。

死亡確認のできる医師が常駐していない施設で利用者が亡くなると

警察を呼ばなくてはいけなくなり、検死が必要になって・・・

というちょっと大ごとになってしまう。(もちろんそれは自宅でも同じ)

施設側の責任はなかったか?などが問題にされるケースも。

もちろん、健康だった利用者が突然死することはあるにせよ、

父のように初めからリスクが高いことが明らかな利用者は、

そんなやっかいな事態になるリスクも高いわけで・・・

それが引き受け不可の理由じゃないかなあ・・・という気がする。

 

そんなわけで・・・

こんな生活は長くは続けられない。

サービスを利用して、少しでも自分が息抜きできる方法を考えよう!

 

・・・と思っていたものの、現実はまさかのこんな感じで

今、正直ものすごく落ちこんでおります。

 

この話、結論まであともう少し続きます。