兄弟の帰省 ~兄の場合~

お盆休みと父の入院が重なったために、兄弟も帰って来た。

先日の記事にも書いたけれど、

お盆休みと重ならなければ、特に知らせるつもりはなかったけど致し方ない。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

 

8月12日に、兄と弟、二人はどこかの駅で待ち合わせて合流して、

実家まで弟の車で戻って来たらしく、

今回はわたしが兄を駅まで迎えに行く必要はなかった。

 

 

いろいろともう気持ちがついていっていないので

兄弟には、特に会いたいとか話したいという気持ちはわたしにはもうない。

ただ、基本的にわたしは言い争いを好まない平和主義だし、

別に兄弟との縁を切りたいとか、激しい感情を抱いているわけではないので

面倒だな・・・とは思いつつ、

わたしも実家へ足を運び、久しぶりに兄弟3人そろうことになった。

 

開口一番、兄弟ふたりから言われた言葉。

 

「なあ、ちゃんと入院したならしたって連絡してくれよな。」

 

不満を笑いでごまかしながら、苦笑いなムードで言われた。

 

わたしはトゲのある言い方こそ避けたけれど

「別に連絡しても意味ないかな?と思って。わたし一人で対処しなきゃいけないのには変わりがないから意味ないかな?って。」

と、さりげなく皮肉も込めて、そのまま気持ちを伝えた。

 

すると、これまた二人そろって言う。

 

「いや、そうかもしれないけど、こっちだって覚悟とか・・・。」

 

何言ってるんだろう?

覚悟って一体何の覚悟?父が死ぬかもしれないっていう覚悟?

 

そりゃ、わたしだって命に係わる状況なら連絡したよ・・・。

でもそうじゃなかったから連絡しなかった。それだけだ。

それに、自分たちの日頃の知らん顔を棚に上げて「連絡してくれ」はないわ。

 だったらなぜ日頃から父に直接LINEなどして「体調はどう?」とか連絡しないの?

わたしにすら、「お父さん最近どう?」とか、一度だって自分たちから父の病状を

気にかけて聞いてきたことすらない、あなたたちだよ?

二人がそのくらい普段から父のことを気にかけている兄弟だったら、

わたしだって連絡したんだよ・・・。

 

面倒だな・・・と思ったけれど、6月から今回の入院までの流れを

いろいろと聞かせた。

でも、おそらくわたしの大変さは絶対に伝わっていない。

 

ただ、兄についてはちょっと介護サービスについてネットで少し勉強してきたようで

肺炎が治癒した後はどうするか?という問題について

(※このときはまだ療養型病院か、施設かに行くしかない・・・という状況だった)

アイディアを持参してきた。

 

兄「ショートステイでいいじゃん。」

私「は?」

兄「ショートステイ、使えないの?」

私「まあ、使えないことないけど・・・。」

兄「だったらそれでいいじゃん。ショートステイでつないでさ・・・(←付け焼刃の介護知識)」

私「そんなに簡単な話じゃないんだよ。今、要支援だから枠の上限の問題もあるし。」

兄「介護度変えてもらえないの?介護度変えてもらえばいいんじゃないの?」

私「だからそんなに簡単じゃないんだよ(イラッ)区分変更の申請しないと・・・」

兄「うん、だから申請すればいいじゃん」

(誰がやるんだよ?)

私「それもあるけど、デイサービスすら利用したことないのに、
いきなりショートなんて無理だから。」

兄「なんで?何が問題なの?」

私「あのね・・・、簡単にショートステイっていうけど、ホテルじゃないんだから
電話一本で予約できるようなものじゃないの。介護サービスってね、すべてが契約、契約、契約なの。だからまず施設を決めて契約してからじゃないと・・・」

兄「じゃあ契約すればいいんじゃないの?」

(だから誰が契約するんだよ?その前にあちこちの施設を見学して吟味して決めるの誰よ?)

私「そもそもショートステイってね、デイサービスに行ったこともない人がいきなり使えるようなものじゃないから。普通はまずデイサービスでその施設の環境や介護士さんたちとの関係ができて慣れてから次の段階としてショートステイを利用する・・・っていうもので・・・デイサービス自体を拒否しているお父さんは、まずそこからなんだよ・・・。だから退院後の行き先としていきなりショートステイなんて現実的じゃないの。」

兄「じゃあデイサービス行かせたらいいじゃん。」

私「お父さんがそんなところ行くわけないでしょう・・・?」

兄「そんなこと言ってる場合じゃないし。行かせたらいいんだよ。」

 

(だ~か~ら~、その説得するのは誰だよ?)

 

 

兄なりに役立つ情報を調べてきたつもりだったのだと思う。

その気持ちだけはわかる。

 

でも、助言は全く必要ないから、黙っててほしい。

これは決して意固地になっているとかではなくて、

たま~~~~にしか親と会わないような人から、

有用なアドバイスがもらえることなんて、ほぼないから。ホントに。

 

そもそも、常に親に一番近いところにいて親の面倒を見ている兄弟姉妹は

数か月に一度しか帰ってこないような兄弟姉妹よりもずっと使える情報を持っているに

決まっているのだ。

 

なぜなら、わたしたち介護者はネット上で誰もが得られる「一般的な情報」ではなく、

その地域に密着して、地域の情報をたくさん持っている介護サービスのプロの方たちと

常に連携をして、アドバイスを受けたり相談に乗ってもらったりしているから。

しかも、実は彼女たちのほうがずっと

父の現在の病状や生活の問題点を熟知しているわけで・・・。

 

 

だからほんと・・・

 

ドヤ顔でショートステイに預ければいいのに」とか簡単に言わないでほしい。

 

介護のキーパーソンになっていない人って「〇〇利用すればいいじゃん」

というそれを利用する利点にしか目が行かなくて、

そこに至るまでの煩雑な手続きとか段取りとか

そして親本人がどう反応するか・・・とか、

そういう細かい部分を全くイメージできていなことが多い気がする。

まさに「それをやるのは誰だよ?」と聞き返したくなる衝動がこれ。

 

兄はほかにも、

わたしが「今後は車椅子が必要になるから買おうと思っている」と言えば

 

「まあねえ。でも車椅子乗ってどこに行くって言うの?病院だけでしょ?

病院に車椅子あるんだし、別に必要ないんじゃないの?」

 

と反論し・・・・

(つまりもう満足に歩けないのだから、病院以外は家にずっといたらいいじゃないか、ということ?買い物程度でも本人が望めば外出させてやりたいと思うのは自然なことじゃない?)

 

家の中で安全に動く用に「歩行器」の購入も考えている・・・と言えば

 

「この家の中で歩行器買っても邪魔になるだけじゃないの?段差とかあるしさ」

 

と言われる始末。

(コンパクトな歩行器だってあります。邪魔になる家具は撤去すればいいし、段差は和室との境にあるだけだし、段差をなくすグッズくらい今どきいくらでもある。自力で立てなくなった父をトイレまで連れて行くのがどれほど大変だったか?をあなたは知らないからそんなことが言えるんだよ。)

 

 

これがいわゆる・・・・

「介護をやらない兄弟は口出ししてくれるな」っていう典型パターンか!・・・と

 

わたしはもうこの時点で、この兄とのやりとりに内心どっぷり疲れていた。

 

 

まあ、車椅子も歩行器も、別に兄のお伺いが必要だなんて思ってないので

必要だと思えば勝手に買うからいいのですが・・・・(笑)

 

 

 

そして、弟は弟で・・・・また別の意味でめんどくさかった。

 

 

(つづく)