介護度を上げれば何とかなると思っていた。

日曜日の午前中、父の排泄で大変なことがあったすぐ後に、

ヘルパーさんを依頼している事業所の所長さんが、

月曜日から始まる食事補助についての打ち合わせのため、父宅へやってきた。

  

自分の周りで、親に介護が必要になった…という人が出てくると

みんな当然のように

「介護サービスつかって、ヘルパーさん入ってもらって
出来るだけ負担減らしたほうがいいよ!」

と言う。

わたしもその目的で要支援だった父の介護認定をやり直してもらったし

(まだ結果待ち)

介護度を引き上げて、使える枠を広げたらかなりのことがカバーされると思っていた。

でも、父の退院が決まってから感じているのは

「思ったようにはいかないなあ」ということばかり。 

 

それはその家庭ごとに「困るっていること、サービスに頼りたいこと」の

中身が違ってケースバイケースになるからで、

そのサービスは介護保険制度のルールの中で提供されるものなので

妥協したり、あきらめて自分で何とかしなくてはいけない部分は

必ず出てきてしまうのだろうと思う。

 

というか、それを今、身に染みて感じている。

 

 事業所の所長さんとの打ち合わせをサクっと済ませたあと、

わたしはどうしても所長さんに聞いてみたいことがあった。

 

実は、介護サービスのルール的に、ケアマネさんを抜きにして、

ヘルパーさんの事業者と利用者とで、

勝手にサービス利用の話を進めるのはNG行為と言われている。

つまり「〇曜日の〇時からお願いできませんか~?」など直接依頼することなど。

(今回のように既に決まったサービスについての詳細打ち合わせとかはもちろんOK)

 

あくまでも、利用者はケアマネさんに要望を伝え、ケアマネさんがヘルパーさんの

事業所と打ち合わせてスケジュール調整をする。

介護度によって使える枠や回数の上限などの話もあり、

ケアマネさんは各種のサービスすべてを見渡してトータル管理し、

バランスを取ってくれているわけなので、それも当然のこと。

 

そのことは、わたしも理解していたので

これまでにわたしから直接ヘルパーさんの事業所に電話を入れて話すなど、

そういうことはしたことがない。

まあ、これまではそんな必要性を感じたことがなかったということでもあるけれど。

 

ただ、この日のわたしはものすごく焦っていた。

困っていた。

そう。

父は薬の管理が完全にダメになっているので、

わたしは今後、朝夕2回・・・毎日通わなくてはならなくなったことに。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

 

 

目の前にはちょうど所長さんがいる。

本来は、ケアマネさんに相談すべきことだけど、

目の前にいる所長さんに、かる~く打診してみたい・・・!!!

 

わたしは思い切って

「あの~、ケアマネさん通さず聞いてはいけないかもですが・・・」

と前置きしつつ

「朝の時間帯はやっぱりヘルパーさんの空きはないですかねぇ・・・?」

と、聞いてみた。

 

所長さんは申し訳なさそうに微笑み、「朝はいっぱいなんですよ~」と答えつつも

「やっぱりダメなんですね~わかりました・・・(はぁ・・・)」

とため息をつくわたしを見て

「何か問題がありましたか?」

と、聞いてくれた。

わたしは退院してからの父の様子を説明した。

そして、

「食事はともかく、麻薬の痛み止めの薬だけはどうしても12時間おきに飲ませないといけなくて。今のところ、わたしが来て飲ませるしかないのですが、夕方も16~20時までここに居なくちゃいけないので、朝と夜、それが毎日・・・となると、体力的にもきつそうでなんとかならないかなあと思ってて・・・。」

と、正直に訴えてみると、

所長さんはわたしが隣の市から片道30分かけて毎日通っているこということに

目を丸くして「それは負担ですよね~」と同情をしてくれた上で

 

所長「薬を飲ませるだけでOK、ということなら、朝8時から15分間だけなら
空きはありますよ?平日だけで土日は無理ですけど。」

 

と答えてくれたのだ!!!

 

所長さんに後光がさして見えた。(おおげさでなく、そのくらい困っていた)

 

とはいえ、あくまでも「打診」の形に留め、

「ほんとですか~?!それじゃあ月曜日にケアマネさんに相談させてもらいますので
依頼させてもらうかもしれません。そのときはよろしくお願いします!」

 

と、「少しでも助けになれば」と言ってくれた所長さんにお礼を言い、

その場は終わりにした。

 

これが可能であれば、こんなにありがたい話はない。

翌月曜日(今日)早速この話を進めたくて、朝いちばんでケアマネさんの元を訪ねて

この「朝8時にヘルパーさんに薬を飲ませてもらう」の話をしてみた。

 

ところが・・・

ケアマネさんの表情はあまり明るくない。どうも反応が薄い。

一瞬、わたしが所長さんに勝手に聞いたことがまずかったのかな・・・?と思ったが

どうもそうではないらしかった。

ケアマネさんが渋い顔をしたのは別の理由で・・・

 

「実は、1日2回以上の介護サービスを使うときには、サービスとサービスの間は2時間以上空けないといけないんですね~・・・。訪問看護さんが朝9:30に入るので、
朝8時にヘルパーさんに入ってもらうのはダメなんです・・・。」

 

とケアマネさん。

 

そんなルールが存在するとは知らなかったわたしはガックリ・・・。

わたしは、所長さんが「朝15分間なら」と言ってくれた時に、

実は「あれ?そんな話、ケアマネさんからは聞いてなかったぞ?」と

ちょっと不思議には思っていた。

 

おそらく、ケアマネさんが「朝15分」の提案をしなかったのは

訪問看護とのスケジュール調整のため(2時間空けないと、という)だったのだ。

 

なのにわたしときたら・・・何も知らずに・・・(泣)

 

ケアマネさんは、「12時間ごとに服用」という痛み止めのペースを厳密には

守れなくなるけれど「薬は訪問看護さんに飲ませてもらう形にしませんか?」

と言ってくれた。

 

ただ・・・訪問看護のほうも9:30ジャストに来るわけではなく、

あくまでも「9:30~10:00の間」の話なので、

前の利用者で時間を取られれば父宅の訪問は10時過ぎる可能性もある。

 

わたしは夜8時には父に薬を飲ませて帰宅しようと思っているので

翌朝の訪問看護さんがもし10時過ぎ・・・など、訪問時間が後ろへずれ込んだら

朝8時に飲ませたい痛み止めが10時にずれ込むわけで・・・

薬の間隔が14時間以上空く可能性も出てくる。

 

そうすると適切な疼痛コントロールができない可能性があり

父が朝に頓服を飲んでしのぐことになるだろう。

 

うーん。それって適切な疼痛コントロールなんだろうか???

やはり朝8時、夜8時・・・という12時間間隔はできるだけ守りたい。

 

でも、現実問題その「12時間ごと」にわたしがこだわりたいのなら、

自分が動くしかない・・・となるわけで。

 

 

薬の管理ひとつでこんなに頭を悩ませることになるなんて思わなかった。

そして、サービスは枠の上限さえ守れば、サービス事業者の空きさえあれば

いくらでも詰め込めると安易に考えていた自分。

サービスはあるのに、フルに使いこなしているとは言い難い現実。

 

この問題の結論は・・・というと、実はまだ保留中だ。

わたしが「12時間ごと」にこだわっているせいで。

 

とりあえず、ケアマネさんから訪問看護さんのほうへ、

時間を30分遅らせて「朝10時訪問」にできないか?と、

問い合わせてもらうことになった。

(そうすれば2時間空くので、朝8時にヘルパーさんに入ってもらうことが可能になる)

 

しかし 訪問看護さんも人員に余裕があるわけではなく・・・ギリギリのようなので

おそらく、時間をずらすことは難しそうな予感。

 

あまり期待せず、「朝夕2回通う」をそろそろ潔く受け入れて

頑張るしかないのだろうなあ…。