ケアマネさんという存在。

父の退院後の介護計画を考えていくうちに、

「父の意向や譲れないもの」にぶち当たる中って、精神的ストレスが多い中でも

そんな中でも、わたしは常々言っているように

周囲の助けに恵まれていると思う。

 

もちろん、介護保険のサービス自体は手続きすればだれでも利用できるものだけど、

「親身に考えて動いてくれる人達に囲まれている」・・・という意味で

人に恵まれているのは間違いない。

これがなかったら、本当にとっくにウツ状態になったんじゃないかと思う。

 

そんな中、ケアマネさんという存在の重要性を特に最近ヒシヒシ感じている。

 

何度も書いているとおり、わたしの場合、

父が病人であるという側面からの利便性・・・という面を重視して

院内にある居宅介護支援事業所にお願いしている。

 

おかげで、お盆休み以降、ほぼ毎日・・・

父に面会→院内を徒歩移動してケアマネさんに会いに行く→密に相談

という院内でのハシゴが可能になっていて、

車でわざわざ別の場所へ行かなくてもいい気軽さと、

電話嫌いなわたしが、些細なことも「ちょっと寄って聞いていこうかな」と、

直接顔を見て相談事ができること・・・などなど

本当に、わたしと父にとってはこれ以上ない環境になっている。

 

 

介護サービスを受けるにあたって、

どうやら「ケアマネさん」という担当者がつくということは、

漠然とした知識として知っている人は多いと思うけれど

このブログを読んでくれている人たちの中には、

まだまだ親御さんの介護は先の話・・・・という人も多いと思うので

実際のところ、「ケアマネさん」という人が具体的に何をしてくれる人なのか?

いまひとつイメージがつかめないのではないかな?と思う。

 

何しろ、わたし自身がそうだったから。

 

もちろん、最初に介護認定を受けたのは昨年10月のことなので

「要支援」の認定を受けた時から最近までも、

地域包括支援センターの方がケアマネさんの役目を果たしてくれていたわけだけど

(※要支援の場合、必ずしもケアマネ資格を持った人が担当になるわけではなく、
実際父の場合も、資格的には保健師さんだった)

 

以前は父の状態も安定していて、介護サービスで問題となることもあまりなかったので

以前の担当さんについては、そこまで「ありがたみ」というものは

実はそんなに感じていなかった。それほど求めるものが多くなかったからだ。

(もちろん、彼女がとてもいい人だったことは間違いない)

 

が、介護認定の区分変更を申請し、居宅介護支援事業所のケアマネさんと

新たに契約することになった今、(たぶん要介護の認定は来ると見越して)

 不安や問題が多すぎるせいで、ケアマネさんに相談することは一気に増えた。

 

言ってみれば、「ケアマネさん」というのは要介護者とその家族にとっての

コンシェルジュのような存在であり、また代理人のような人だと思う。

 

少し雑な言い方をしてしまうと、こちらは老親の生活において、

「不安なこと」「ああしたい」「こうしたい」という要望だけを

どんどんケアマネさんに伝えていけばOKで・・・

ケアマネさんは情報ネットワークと経験から、

「こんなことができますよ」「こういう方法はどうですか?」と

その人にとって最適と思われるサービスを提案してくれて、

もちろん、提案するだけではなくて取り入れるサービス側への問い合わせ、時間交渉、

スケジュール化まで、全部やってくれる・・・・というわけ。

 

たとえば、ここまでの約1週間(ほとんど毎日ケアマネさんと打ち合わせしてきた)

わたしがケアマネさんに相談したことと、その対応は・・・というと

 

 

■配食サービスの件

「手渡し原則」のサービスなので、体力的に毎回確実に玄関に受け取りに出られるか?

わからない父の体調で、「これはできる?」「これは先方はOKでしょうか?」という

ことを何度も何度もケアマネさんに聞いて、ケアマネさんはその都度、

配食サービスに問いあわせ、細かい交渉をしてくれていた。

 

訪問看護サービスの件

訪問看護はなるべく午前中に入るのがベストだろうというケアマネさんから提案。

(午前のほうが万が一体調不良があったとき、外来受診がスムーズになるから)

時間の交渉や調整等は、ケアマネさんが訪問看護と打ち合わせてくれる。

わたしは報告を受けるのみ。

 

■ヘルパーさんの件

ヘルパーさんにやってもらいたいこと、ここを注意してほしい・・・などの要望を

わたしのほうからケアマネさんにお願い。どうしたらいいかなあ?ということは、

ケアマネさんからアイディアを出してくれる。

それらの要望はケアマネさんからまとめてヘルパーさんの事業所へ伝えられる。

当然のことながら、訪問スケジュールの調整も

ケアマネさんがヘルパーさんの事業所とやってくれる。

 

■レンタル品の手配

退院後の生活用に、電動リクライニングの介護ベッドと室内用の歩行器のレンタルを

することにしたのだけど

(車椅子は様子を見て必要になりそうなら後日レンタルの予定)

もちろんそういうレンタルの手続きも、すべてケアマネさんにお任せ。

わたしが「こういうものが欲しい」とリクエストしたものをケアマネさんが探して

くれて、その場になければカタログを取り寄せてくれる。

もちろん、業者さんへの手配など面倒なことはケアマネさんがすべてやってくれる。

 

■父本人の状態把握

父は入院中の今、ケアマネさんも院内の人・・・というメリットが生かされていると

感じるのは、ケアマネさんが入院中も病棟のナースステーションで父の状態を

看護師さんなどから聞き取りしたり、

父本人に気軽に面会に行ったりなどしてくれること。

わたしが説明をしなくても院内で本人の病気や体調について把握していてくれるので

わたしと打ち合わせるときの話がとてもスムーズ。

 

 

・・・と言う感じで、

介護保険を利用するサービスはほとんどケアマネさん経由で利用することになる。

逆にいえば、介護サービスを利用するのに、あちらこちらのサービスを

すべて家族が自分で手配&交渉していたら、

とんでもなく時間と労力が奪われることになる。

それを一手に引き受けて、代わりに動いてくれるのがケアマネさんという存在なのだ。

 

同居介護や、わたしのような近距離通い介護だと、ピンとこないかもしれないけれど

たとえば遠距離介護だったりする場合には、電話でのやりとりによって、

親の生活の困りごとに対応して訪問ヘルパーさんの導入を考えてくれたり

デイサービス、ショートステイの手配などもしてくれることになるので

フットワークの軽いケアマネさんに当たると、本当に強い味方だと思う。

 

ケアマネさんを頼る場面というのは、

完全にケースバイケースで介護度や生活環境の違いや、何が困っているか?

どういうことをサポートしてほしいか?で全く変わってくるので

これはほんのひとつのケースに過ぎないけれど

 

複数の介護サービスを利用することになっても

いつでも窓口はケアマネさんひとりで済むわけなので、

他に考えなければいけないことを抱えている状況で、

「ケアマネさんにまかせておけば」と思える安心感は大きい。

 

だからこそ、ケアマネさんの資質もまた大事だと思う。

アクションやレスポンスの遅いケアマネさんや、

本当に言われたことしかできないケアマネさん(←つまり提案力がない)

施設などでトラブルが起きた時、利用者の味方になってくれないケアマネさん

(これはうちに来るダスキンさんのケアマネさんがそういう人で、話を聞いてびっくりしたことがある)

など、相性の合わなくて、ケアマネさんの変更をお願いするケースもあるらしいから。

 

幸い、わたしのケアマネさんは対応がとても早い。

問い合わせたことがその場でわからなくても、翌日にはすぐ回答をくれたり

回答がすぐに出ないときも「先方の担当者が今日は不在なので明日また確認します」

などの途中経過もきちんと報告してくれる人だ。

 

また、院内ということで

こちらから特にお願いしなくても、いい意味で勝手に訪問看護師さんなどと

打ち合わせを重ねてサポート体制づくりを進めて行ってくれている。

 

父の一人暮らしは、病気の予後を考えると

正直そんなに長期間続けられるとは思っていないので

わたしの中では「長くて年内では?」と思っている。

(※余命ではなくて、ひとり暮らしの限界の話)

 

だからこのケアマネさんとのお付き合いもそんなに長くはないのかもしれないけれど

今、退院に向けての準備の中、

彼女もまた、大きな助けになってもらっているのは間違いない事実なので

できるだけ長いお付き合いになればいいなあ・・・と思っている。

 

それはつまり、病状が安定して父の自宅暮らしの継続を意味することだから。

 

 

さて、明日は介護ベッド搬入に備えて、業者さんとケアマネさんが

実家の間取りを確認にやってくる。

 

もちろん、それらの手配と日程調整はすべてケアマネさん。

 

ありがとうございます。