介護プラン会議② ~リハビリ問題~

前回からのつづき。

ケアマネさんとの話し合いで、今後は訪問介護とヘルパーさんによる生活援助を

並行して受けていくことに決定した。

 

それでもまだ通所サービスを受ける余裕はあるとのことだったので

父のいる前でハッキリと、リハビリ・デイサービスを受けたい旨を伝えた。

なんなら、わたしにとってはヘルパーさんよりも優先したかった「リハビリ」問題。

 

父本人の自己申告を信用するならば・・・

父は現在、1日おきに1500歩くらいの距離の散歩をしているという。

家の中ではトイレと食事以外、ほとんど動かないであろうことを考えれば

散歩をする日は1日1700歩・・・

散歩をしない日は1日2~300歩程度しか歩いていないに違いない。

 

退院時は400mくらい歩くだけでフラフラになっていたことを思えば

体力や脚力は戻ったほうだと思うけれど

この先「足腰を弱らせないようにする」という観点からすると、

これはあまりに少ない運動量だと思う。

 

それに・・・本人がショックを受けると思って指摘したことはないが、

父はこのごろ背中がだんだんと曲がってきて、以前と比べると

明らかに背中のラインが丸くなった。

それは横から見ると、「どこからどうみても後期高齢者」という姿だ。

 

そして同時にこのごろ「背中の痛み」「腰の痛み」をよく訴える。

本人は栄養ドリンクを飲めば効くと思い込んでいるが、

そんなもので背中の痛みが取れるわけがない。

1日中ソファに座ってテレビを見ているだけの、

「動かない生活」が原因に決まっていると思う。

背中が丸くなるのは骨粗鬆症あたりが原因かもしれないし、それ自体を

元に戻せるだなんて、もちろん思っていないけれど、

とにかく、運動不足であることはあきらかなのだ。

 

リハビリに行ってほしいのは、足腰の筋力を維持してほしいのもあるし、

ぐうたらした生活で、「あそこが痛いここが痛い」・・・と訴えることを

考慮しても・・・血の巡りをよくするような

「全身くまなく動かす時間を持ってくれたいいのに」といつも思っているけれど

父は、わたしの助言はまったく聞き入れない。

自己流を貫こうとして、自分の気に入らないことにはソッポを向いてしまう。

 

しかし、これからはどんどん寒くなる。

「1日おきに散歩」といっても、寒がりの父のこと・・・

日中も気温が上がらない本格的な冬になれば

「暖かくなったら歩けばいいや」と、家にこもりきりになるに違いない。

無理して散歩に出られて、風邪でもひけば100%肺炎になる。

同時に、家にこもりきりな父に「定期的に外出する機会」

を作りたいというのも、週2でリハビリに通わせたい大きな理由だった。

 

けれど、これまでにも触れてきた通り、

父は高齢者が嫌い、集団行動が嫌い、ルールが嫌い、努力が嫌い、

基本的に他人を批判し、人を見下すところからスタートする性格・・・などなど

性格的にも志向的にも、かなり難しい人であるため

ひとかけらでも「レクリエーション」なんてワードがメニューにあるものはダメだ。

 

そういった好みは事前に伝えてあったため、

この日、ケアマネさんが見繕ってもってきてくれたデイサービスのパンフレットは

すべてリハビリ中心の「半日型デイサービス」だった。

 

しかしそれでも・・・ほとんどのパンフレットに

 

「仲間と楽しくおしゃべり♪」

とか

「みんなで一緒に健康体操!」

など

父が毛嫌いするようなワードがあちらこちらに散りばめられている・・・・(汗)

 

もちろん、個別メニューによる運動の時間もあるのだけど、

考えてみたら、半日といっても2~3時間のコースで、

すべて個別運動メニューだけ、やり続けられるわけがないわけで・・・

(運動しっぱなし・・・なんてことはありえないわけで)

適度に「ほかの利用者さんとの交流も楽しむ」なんていうことを目的とした、

父にとってみたら、ありがた迷惑でしかない集団メニューが織り込まれるのは

仕方のないことなんだろうなあ・・・と思った。

 

ところが、あきらめかけたその時に

いくつかのパンフレットの中で、ひとつだけ

「個別メニューによるトレーニングオンリー」という短時間サービスを

実施している施設があった。

もうそこしかない!と思った。

父に全力でプッシュしたし、

父も「意味のあるリハビリなら行ってやってもいい(ザ・上から目線)」と、

ケアマネさんたちの「行きましょう!」というムードに推されたのもあってか

行く気になってくれた。

 

ちなみに、このときのリハビリ・デイの話が、

先日の記事の「タクシー使うからいい!」という逆ギレ話につながることになる。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

 

しかし、この話し合いの場での父の態度も本当にひどかったし、

デイサービスの送迎をめぐる逆ギレも恥ずかしいやら腹立たしいやら・・・で、

わたしはこれが誰のための、何のための話し合いか?

正直・・・途中から自分でもよくわからなくなってしまった。

 

「こんなにわたしがイヤな思いをしてまでも、父をなだめて、ご機嫌をとって

父をリハビリに行かせなくちゃいけない理由ってなんだろう?」

 

と、自分がやろうとしていることは正論だけど正解ではないのか?と

迷いが生じてしまった感じ。

 

送迎がらみの逆ギレはあったものの、このデイサービスなら「行ってやってもいい」と

父がふんぞり返ってOKを出したことから、とりあえず行く方向に決まった。

 

ところが

 

この話し合いから数時間後にケアマネさんから電話がかかってきて

なんと、この「個別メニューのみのリハビリ・デイ」は、現在定員いっぱい

空きが出るまで入れない、しかも空きが出る見通しもない・・・いうことだった。

なんと間の悪い・・・。

 

先週1週間は、父の通院への付き合いからケアマネさんとの話し合いなど・・・

ほぼ毎日父の用事で外出していたし、父と長時間過ごしすぎたこともあり、

精神をすり減らすことが多すぎて、わたしは心底疲れ切っていた。

 

だから、ケアマネさんが「どこかほかのサービスを試してみましょうか?」と

このとき、代替案について意向を聞いてくれた時にも

 

父をまた1から説得しなければいけないのか・・・という憂鬱感が勝ってしまい

何も考えられなくなったため、その場は

「とりあえず、空きが出るまで待つことにして、また父に相談してみますね」

とだけ言って、電話を切った。

 

 どうしてこんなにもしんどいのだろう?

父は認知症でもないのに。

介護度が高いわけでもないのに。

どうやったら自分の気持ちを楽にしてあげられるのだろう?

 

 

 

リハビリ問題は、この翌日に

完全にわたしの頭から決定的に抹消されることになった。