介護プラン会議① ~お風呂問題~

父が介護認定で「要支援2」となってしまったので、

残念ながら、ここまで暫定的に1か月半ほどお世話になった

居宅介護支援事業所のTさんとはお別れとなってしまった。

幸い、新しく要支援の担当になる地域包括支援センターへは、

Tさんが電話をして話を通してくれたため、引継ぎは非常にスムーズで

Tさんに会いに行った翌日には、父の自宅で今後についての話し合いの場が持たれた。

旧ケアマネとなるTさんも同席してくれて、

新しいケアマネさんKさん、わたし、父、の4人。

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※このブログを読んでくださっている方の中には、まだ親御さんが健康で、

介護保険のお世話になったことがないという人もたくさんいらっしゃると思うので

説明すると、

介護認定の申請→認定結果が出る→ケアマネさんを決める・・・というところまで

きたら、次は必ずこうして家族とケアマネさんとそろって話し合いの場が持たれます。

ケアマネさんに、現在の親の状態や何が困っているか、何をサポートしてほしいかを

伝えること、介護度ごとの枠内で、どんなサービスが受けられて、何をあきらめないと

いけないか?など、お互いの情報を十分に与えあい、現状でベストなプランを

作成してもらうことが目的です。

 

わたしは、自分の書くことが、この先誰かの参考になればいいなという思いもあって、

細かい流れも、あえてなるべく端折らずにこまめに記事にしていますが、

簡潔な文章を書くことが下手なので、いつも説明臭く&読みづらくて申し訳ないです。

 

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今までのケアマネTさんは、話し方がとてもやさしく、静かな雰囲気の方だったけれど

新しいケアマネのKさんは、見た目推定30代と比較的若く、

目をキラキラとさせて、よく笑い、そして大きな声で明るくハキハキと話す

Tさんとは対照的なタイプだけれど、とても素敵な方だった。

 

一方で

「介護認定が要支援になったから管轄が変わって、それに伴ってケアマネさんも代わるから、挨拶にくるのと同時に、改めて今後のサポートプランについて話し合いが必要だから来るんだよ」

 

・・・という、そもそも介護保険のことから、現状をほとんど理解していない父は

新ケアマネKさんが家にやってきて、

場を盛り上げようと努めて明るく、時に冗談をとばしながら話すのを、

前半は不機嫌そうに、非常にしらけた態度で聞いていて、

本当に失礼極まりなかった。

マンガや映画に出てくる「気難しい頑固じいさん」そのものだ。

 

途中からは、明るい新ケアマネKさんの

高齢者を知り尽くしているかのような話術にハマり、

すっかり雄弁となって、事実に3~5割増くらい話を盛った「自画自賛トーク

が暴走し始めて止まらなくなったので、

それはそれで、恥ずかしくてたまらなかったけれど、

少なくともKさんへの警戒心は解けたようなのでホっと一安心。

 

さて、重要なのは今後の父の生活のサポートプラン。

 要支援2なので、上限はなかなかシビアで・・・あまりあれもこれもと

サービスを利用することはできないことがまずわかった。

 

一番のネックになっているのは「お風呂問題」。

どうしても、サポートに「お風呂の見守り」を入れてしまうと、

お湯を張って、本人がお風呂に入って・・・の時間の合計だけで30分を超えるので

「1回約60分のサービス」を受けることになり、単価が高くついてしまうのだ。

(当然、1回20分とか30分とか時間が短いほうが単価が安い)

 

退院してからの約1か月は、介護認定が出るまでの”つなぎ”として、

訪問看護60分未満・お風呂見守りつき」×週3日を利用していたが

体調は安定しているので、訪問看護は週3日も必要ないかな?という状態だし

お風呂も、問題なく一人で入れるため「見守りは看護師でなくてもいい」

ということで、今後は

 

訪問看護・・・週1回

■ヘルパーさんによる生活援助・・・週2回

 

という体制に変更することとなったのだけれど・・・

「60分のサービス」×週3回で入れると、

どうやら要支援2の上限には収まらないらしい。

 

思案した結果、訪問看護健康チェックのみで、お風呂の見守りをしてもらうのを

やめて、時間を短縮→単価を下げる・・・と節約することに。

代わりに、週末を利用して、介護サービスで受けられない1回分のお風呂については

わたしが自分で対応することになった。

(もちろん、自分からやります・・・と言ったのだけど)

 

つまり、

訪問看護・・・週1回(30分未満:在宅酸素のチェック・健康チェックのみ)

■生活援助・・・週2回(60分未満:お風呂の準備・使用後の掃除)

■わたし・・・・週1回(土曜日)にお風呂の世話をする

 

ということで、父のお風呂問題に対応することになったわけ。

正直、介護サービスを使うことで、自分は今より少し楽になれるはずが

「お風呂1回はわたしが面倒見ます」と言っちゃったことで、

むしろ今までより面倒が増えたんじゃ・・・?という疑惑が・・・(汗)

 

ただ、ほかに選択肢がなかったので致し方ない。

もともとこれまでも土曜日は必ず父のところへ行っていたので、

通う回数が増えるわけではないし・・・。

 

これなら、上限枠は余裕をもってクリアできるらしいし。

さらに、

月1回の病院への定期検診がある週は、同じ週の訪問看護は受けないことにする

ということにして、もう一段予算を節約。

(主治医の診察のある週に訪問看護を受けることもないかな、という理由で)

その結果、リハビリ・デイに週2日通えるだけの枠も残すことができるそう。

 

ところで・・・この「お風呂問題」について兄弟とLINEで話したところ、

兄弟ふたりとも口をそろえて

 

「え、お風呂自体ひとりで入れるんだったら、そんな予算に悩んでまで

ヘルパーさんに頼まなくたって、別に自分で入らせればよくない?

なんでヘルパーさんにこだわるの?」

 

と、あきれた様子だった。

ホントにおっしゃるとおりだ。自分でもよくわかっている。

 

「お風呂の準備」といったって、浴室の湯張りボタンをピっと押すだけのことだ。

「お風呂の掃除」といったって、自分がお風呂を使った後に

最低限、お風呂の栓を抜いておいてくれればいいだけのことなのだ。

(正直、父一人入るだけならそこまで汚れるわけでもないし)

 

正直、いくら在宅酸素の身体とはいえ、

「そのくらいのこと、できるだろ」ってわたしでも思う。

 

が・・・・問題なのは父任せにしてしまうと、おそらく父はそれすら面倒がって

お風呂に入らなくなる予感しかしないことだ。

 

つまり、「週3日お風呂の日があるからね」と言ってお膳立てしてもらえば

父は素直に喜んで週3回お風呂に入るけれど

「ヘルパーさんは週2回しかこないから、残り1回は自分で入ってね」と言えば

とたんにめんどくさがって、

「だったらお風呂は週2回でいいや」

ということにしてしまうに違いないのだ。

 

わたしは「父の清潔度を強制的に保ちたい」という目的もあって、

週3回のお風呂をルーティン化したいと思っているのが本音。

それって、「こだわりすぎ」なのかな・・・?

週3回のお風呂って、清潔度を保つ最低ラインだと思うのだけど・・・・(汗)

 

 

ここだけの話・・・(って、十分オープンだが)

大変恥ずかしいことなのだけど、父は昔から

「どういうわけか、信じられないくらい下着が汚い人」だった。

特にこの10年くらい・・・何度も肺炎で入院をしているが

そのときに父の洗濯物を洗うと、

一体どうやったらこんな汚れが蓄積するんだ?というくらいの、

(※その日についたものではない)

広範囲に布地に染み込んだ汚れがパンツの前にも後ろにもひろがっていて、

(しかも父は白いブリーフなので染みはよりハッキリと・・・)

いくら洗濯済みといっても、それは指でつまんで持ちたくない代物だったし

「自分の衣類を一緒に洗いたくない」と思わせるレベルだった。

 

だから父が入院するたびに、わたしは父のブリーフをすべて捨てて新品に

買い換えていたのだけれど、次に入院するときには下着類はまた同じことになっていて

痔瘻でも患っているんだろうか?と、疑ったこともあるくらいナゾだった。

痔瘻の経験はないけれどw あれは分泌物で下着が汚れると聞くので・・・)

 

ところが、退院してからのこの1か月で・・・

(もちろん、今回も退院時に下着はすべて新品に買い替えた)

あの、父の下着がおぞましいほどに汚れる理由が簡単に判明した。

 

それはなんのことはない。

ただシンプルに、「下着をほとんど替えない」のが理由だった。

 

 

どうしてわかったのかというと、

退院後、週3回のお風呂&着替え+わたしが週3回洗濯・・・という、

規則正しいルーティンでお風呂と洗濯を繰り返した結果・・・

あれだけ汚れていた父の下着が一向に汚れてこないのだ。シミひとつつかない。

ずっと白いままなのだ!

 

こまめに着替えて、こまめに洗濯をしていれば下着は汚れない。

それだけのことだった。

つまり、それは

父がこれまでは・・・、なんなら週1回程度しか下着を着替えず、

洗濯も週1~2回まとめて洗っていたに違いないということを示しているということ。

 

以前にも書いたけれど、父は今回の入院があるまでは

推定10年くらいにわたって、家のお風呂には一切入らず、毎回

スーパー銭湯でお風呂を済ませていた。

 

父のことだから、わざわざ着替え一式を持って銭湯に出かけていたわけではなく

せいぜい週2回程度・・・どこかへ出かけたついでに、ふらっと銭湯へ立ち寄り、

お風呂を出た後には着てきた衣類をそのままもう一度来て、家に帰っていたのだろう。

 

下着はずっと同じものを身に着けていて、

お風呂に入るタイミングとは連動しておらず、

「そろそろ替えるかな」というノリで、

週1回くらいしか交換していなかったのだろうと思われる。いや、違いない(笑)

 

父は、いつも口先では自分がいかにきれい好きでいかにきちんとした人間か?を

自慢げに語るけれど、実際は清潔観念が薄いことは汚れの染みついた下着を平気な顔で

身に着けていられる時点で家族にはバレバレである。

 

なので、そんな父の・・・

せっかくできあがった「規則正しいお風呂ルーティン」を週2回に減らしてしまうと

それ以外の時間に、わざわざ自分でお湯を張ってお風呂に入ることは絶対にないし

(上げ膳据え膳でお風呂に入るほうが楽だから)

まして、お風呂に入らないのに下着を進んで替えるなんてことも絶対にしない。

 

わたしがそのことを切々と兄弟に語っても、兄弟の反応はとっても薄いものだった。

 

そこはやはり、男と女の違いなのかな?

わたし、こだわりすぎかな?

でも・・・・その父の下着を洗濯するのはわたしだからイヤなのよ・・・(心の叫び)

 

ただ・・・

「本当はひとりでお風呂にお湯張って、入るくらいできるはずなんです。

でも、やってもらえるラクチンさを覚えてしまったから

本人に任せると、めんどくさがってお風呂に入らないと思うんです。

だからヘルパーさんにやってもらいたいんです」

というわたしの気持ちは、

介護サービス利用の本来の主旨からそれてしまったものになっているのではないか?

という、若干の後ろめたさがぬぐいきれない。

 

こころの中で

「ケアマネさん、ごめんなさい。こんなことをヘルパーさんに頼みたいだなんて」 

と、つぶやきながらも、

 

なんだかんだと「お風呂問題」は、ヘルパーさんのサポートを借りて

わたしが希望する通りの形を継続できることになった。