デイサービスへの高い壁。

このところ、ブログに書く内容の時系列が前後しているので

ちょっとわかりづらくなってしまっているけれど、

父が退院したのは11月6日火曜日。

そう、早いもので明日で丸1週間になる。

 

訪問看護は当面、月水金の週3日の予定。

そして、先週金曜日(2回目の訪問看護)のときの話が前記事のエピソードになる。

わたしはその日時点で、とても気になっていたことがあった。

 

それは、父が退院してからずっと家の中でパジャマで過ごしていることだった。

もちろん、退院してすぐだからとりあえずは自宅安静・・・という見方もできる。

けれど、そもそも退院の10日前には治療は終わっていて、

病院では1日20分程度のリハビリを受けるだけの日々を過ごしていたわけで

持病の問題はともかく「さしあたって治療が必要なものはない」という状態だった。

 

だからこそ、退院したはずなのに、

父が当たり前のように、いまだに1日パジャマで過ごしてるこの状態はなんなのだ?

 

わたしはこのことにとても違和感を感じている。

 

これまでの退院と違って、何もやらなくていいよと言われている身だ。

掃除、ゴミ捨て、洗濯、買い物については、今はわたしが引き受けている。

昼夜1日2食の食事は配食サービスにお弁当を届けてもらえる。

お風呂は訪問看護師さんが来たときにサポートしてくれる。

まさに上げ膳据え膳、いたれりつくせり。

寝たきりというわけでもないのに、王様のような生活だともいえる。

ちなみに懸念していたこのお風呂も、先週金曜日ひとりで入ることができた。

(お風呂の外で看護師さんが待機して様子をみていてくれたが)

 

父が自分ですることといったら、

食べること、トイレに行くこと、そして

せいぜい配食サービスのお弁当箱を洗うことのみである。

もちろん、入院中の父を見ると「到底家事は無理」という状態だったので

サポートが必要な状態であることには変わりがないが、

周りから助けてもらいながら、自分でもできる限り動いて足腰が弱らないように

しよう、という努力が必要ではないの?と思うのだ。

今の父を見ていると、これじゃ場所が病室から自宅に変わっただけで

ほとんど入院しているのと変わらないじゃないかというモヤモヤした気持ちになる。

 

病院にいたとき、リハビリや理学療法士さんの指導をバカにして

「あんな意味のないリハビリをするよりも家に帰って

ちょこちょこ身の回りのことを自分でやっているほうが、ずっとリハビリになる」

と、言っていたのは誰だ?

リハビリの先生には挨拶すらしないという、大変失礼な態度をとっておいて

(父はリハビリの先生の前ではいつも憮然として、態度があまりに悪かったため、

代わりに娘のわたしがリハビリの先生に必死に頭を下げて愛想を振りまいていた)

あんな大口叩いていたのはどこの誰だ?

なぜいつまでたっても「病人」のままなのだ?

 

体力が落ちて体が動かないから、何もしないのか?

それとも、周りにすべてやってもらえて、

自分で動かなくても生活できてしまっているから、体力が戻らないのか?

もはや、どっちが原因なのかわからなくなってきた・・・。

 

そして皮肉なことに「訪問看護師さんが来る」という環境もまた、

父の「病人気分」を助長してしまっているように見えた。

 

このままではまずいのではないか?

 

わたしは、気が気でならない。

家に帰って来たというのに、1日中パジャマを着てすごして

わたしが体調を尋ねると、

「夜眠れない」「身体がだるい」「体中がかゆい」「頭が重い」と、

体調不良のオンパレードである。

しかしこれが看護師さんの前になると「体調はいいです」と言って何も言わない謎。

ヘタに看護師さんに体調不良を訴えると診察を受けるように言われるとか、

また入院させられるとでも思って、警戒しているのだろうと思う。

 

そうやって、わたしにだけ体調不良を訴えては

「すっかり足腰が弱ってしまった」と、ぼやくばかりで動こうとしない父。

そう思うなら、どうして散歩に行かないの?

いきなりたくさん歩く必要はない。

まずは1日1回でも、家の周りを1周(100mくらい)するとか、

そして、調子がよかったら朝夕2回歩くとか、

そういう地道な努力をどうしてやろうとしないの?

外に出たくないなら、家の廊下を行ったり来たり歩くだけでも・・・!

本当にまた元気に歩けるようになりたいのであれば、

できることはいくらでもあるじゃないか。

 

言いたいことはたくさんあるが、まだ退院して日が浅いことと、また

父の地雷を踏むと、逆ギレされてわたしがイヤな思いをすることになるので

それを恐れて、言いたいことは全部グっと飲み込んでいる。

 

ただ、父が外へ出ようとしない理由はわたしにはわかっていた。

それは、酸素チューブをつけた姿を、ご近所の人たちに見られたくないのだ。

入院中に在宅酸素が決まったとき、父は自分でそのことがとてもイヤだと

落ち込んでいたし・・・。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

 

普通の人の10倍くらいプライドの高い父。

他人に優劣をつけて、自分よりも下に位置付けた人をあからさまにバカにする父。

そういう人間は、いざ自分が弱ったときは、

自分が見下げていた人達から憐れみを持たれたりすることに耐えられず、

また、自分がバカにしていたようにバカにされたりするのでは?という思い込みで

自分で自分の首を絞めて苦しい思いをすることになるんだな・・・と、

正直、今の父を見ていると思う。

 

この先こんな調子では、父はどんどん引きこもりになってしまう気がする。

そしてこの年齢だもの。

刺激の少ない家の中に毎日毎日こもってテレビを見るだけの生活を続けていたら

本格的に認知症になってしまうと思う。

何よりも、足腰はこのままどんどん弱って、本当に歩けなくなりそうな気がする。

歩行はカメのようにのろいし、

着替えのときに片足で体を支えられないので、ズボンを履くだけでも

机につかまりながらも、フラフラと倒れそうで見ていられない。

危ないので、無理せずイスに座ってズボンを履くように言うのだが、

年寄り扱いするなと言わんばかりに(←年寄りですが?)

拒絶して意地でも立ったまま履こうとする。

実のところ、今よりも介護認定調査のときのほうが何倍も軽快に動いていた。

(ああ・・・今のこの姿を調査員に見せたい・・・)

 

こんな・・・家から出たくない父の体力を戻す方法と言ったら・・・・

もうそれは、

 

デイサービスしかないのでは?

 

しかし、これだけプライドの高い老人が、デイサービスなどという

老人が集まる場所に行くわけがない。

 

わたしは実は、デイサービスのことは当初あまり必要性を感じていなかった。

なんというか、デイサービスって

どちらかというと同居で要介護の親御さんの世話をしている方が

週2~3回でも、日中預かってもらうことで自分の時間を確保する・・・という

そういう目的での利用が多いと思ってしまっていて、

 

父は認知症で目が離せないというわけでもないし、

どうせイヤがるだろうし、そういうところへ行かなくても

自分でお出かけをするだろうから、どうしても必要なものじゃないだろうな~と。

そんなふうに軽く考えていたのだ。

 

しかし、いざ退院してみたら

「パジャマで24時間過ごして家の外へ一歩も出ない」というこの病人状態。

(※ちなみに過去の退院ではこんなことはなかった。)

 

これは完全に想定外だったのだ。

 

デイサービスって、基本は午前中から午後まで施設で過ごし、

レクリエーション、昼食、リハビリ、入浴までフルコースでお世話してもらって

送迎つきで、日中を過ごさせてもらえる場所らしい。

(自分が実際に見て来たわけではないので”らしい”と書いておく)

 

けれど、中には「レクリエーションなんてやってられるか」という高齢者や

老人がゾロゾロ集まって集団で同じことをさせられることに抵抗を覚えて

デイサービスに行きたがらない老人が多いのも事実で・・・

そういう「デイサービスなんて行けるか」という高齢者を対象に、

いまどきは「リハビリ特化型デイ」というものも増えてきているのだそう。

 

それらは、高齢者が病気やケガの治療後の身体機能の回復を図る目的だったり、

介護状態になることを予防するためのトレーニングを目的とした

いわゆる「老人のためのジム」みたいな場所らしい。

リハビリと入浴(入浴なし、の本当にリハビリのみの施設もある)だけに特化していて

「みんなでランチ」とか「みんなでレクリエーション」など、煩わしいものはない。

指導者が自分のために作ってくれた運動メニューをこなして

昼食はナシの午前中だけ、とか午後だけ、とか

短時間の滞在でサクっと帰ってくるタイプなのだそう。

 

父の住んでいる街にもいくつかそういうデイサービスが存在することを

すでにチェック済みである。

 

はあ・・・父もこういうところへ行けばいいのに。いや、行くべきなのに。

と、リハビリ特化デイのHPを見てはため息をついてしまうわたし。

おそらく父は、デイサービスに通ってると思われることすら屈辱に思うだろうから

送迎ワゴンが家の前に来ることすら、耐えられないはずである。

家にヘルパーさんが来て、家事の補助をしてもらうために自治体の「介護認定」を

受けることに抵抗はなくとも、

ご近所さんや自分の友人から「要介護認定」されることには耐えられない父。

だったら、わたしが施設まで送迎してもいいよ。

通ってくれるというのであれば、そのくらいがんばるよ・・・。

・・・と、自分も骨を折る心の準備はできているのだけど

 

まあ・・・どうやって攻めようとも、

きっと「よし、行こう」だなんて言ってくれないに決まっている。

 

わたしが父に良かれと思って考えることは大抵いつも、空回りである。

 

父がなんとか受け入れてくれるリハビリの方法はないだろうか?と

先週は連日ネットで調べまくっていたが

人目につきたくないから家から出るのもイヤ、

老人が集まる場所には行きたくない、

まして、1日1日コツコツと、なんて地道な努力は嫌いだから

家の中でできる運動もやる気ナシ。

なんなら寝ている間に元通りに歩ける体になってくれたらいいのに

・・・・だなんて、都合のいいことしか考えていない父に合うような

リハビリの方法なんて、存在するわけがない!

 

 

・・・と、そんなふうにわたしが一人悶々としていた週末に

小さな事件は起こった。

 

 【ひとりごと】

昨日から恐ろしいほどアクセス数が増えていて怖いんですけど

どこか自分の知らないところで昨日の記事が拡散されちゃったんだろうかと

ドキドキしているわたし。身バレの恐怖におびえてます・・・(>_<)