今更ながら子供の育て方について思う。

お嫁さんの話ばかりで姑バカもほどほどにせねばと思うけれど、

彼女と会話していると、本当に新鮮な驚きでいっぱいになる。

 

いつも頭によぎるのは「いったいどんな育てられ方をしたんだろう?」という好奇心。

 

彼女は中学生のときから成績はトップクラス、高校もトップ高へ進み、

大学は有名国立大学、そこで国家資格を取得して、卒業後は資格を生かした

仕事についていた。さらに驚くべきは大学卒業後に仕事関連のことで論文を書いて

表彰されているという話(これは息子から聞かされた)

地頭の良さももちろんあるだろうけれど、どこまでも努力を惜しまない人。

 

そこまで学歴的に優秀だと、

隙がなく、意識の高さがにじみ出てしまいそうなものだけど

彼女は息子との結婚を決めた時に、努力して掴んだキャリアをあっさり捨てた。

妹さんからは「おねえちゃん、辞めるなんて信じられない。私だったら絶対やめない」

と驚かれ、呆れられたそうだ。

 

けれど、彼女のお母様が・・・(これは二人だけのときに教えてもらった)

「A美は〇くんのところに行きたいの?」と尋ねたところ、

彼女は、うなづいて「行きたいの」と答えたそう。

現実的な妹さんとは違い、

お母様は「自分がしたいように」と背中を押してくれたそうだ。

 

いい大学を出して、責任ある仕事に就いた娘に対して

「自分が生きたいように生きなさい」と笑顔で送り出してくれる、

そんなお母様に育てられたからこそ、彼女の天真爛漫さがあるのだろうと思った。

 

事実、彼女はお母様から「勉強しなさい」と言われたことが一度もないと言う。

中高時代に塾へ通ったのも、

「友達がみんな行くっていうから自分も行ったほうがいいのかなと思って。」

というふんわりした動機で自分からお母様に行かせてほしいとお願いしらしい。

夏期講習とかの特別講習も塾からもらってきたパンフレットをお母様に見せて

「わたし、これに行った方がいいと思うの。行ってもいいかな?」と。

そんなふうに、いつもいつも彼女から母親にお願いしていたとか。

 

今どきは、ついつい子供の教育に前のめりになりすぎて、

親のほうが熱くなりすぎているケースがとても多い。

「子供の将来の選択肢を増やしてあげたい」という、一見わが子を思っての言葉は、

裏を返せば、

「だから選択肢を増やすために努力しなさい」と

見えない圧を子供にかけている脅し言葉に感じられることもある。

 

そんな、よくある親からの圧とは無縁で、自分のやりたいことを見守ってもらい

自分の決めたことを全部肯定してもらって育てられたんだなあ・・・・と、

彼女の屈託のない笑顔を見ているとしみじみ思う。

 

それが嘘でないのは、彼女のお母様のやわらかい笑顔を見ていればすぐにわかる。

お嫁さんは、お母様に怒られたこととかないんじゃないだろうか?

そんな風にすら思っていた。

 

ところが。

彼女の妊娠がわかったばかりのとき、(妊娠二ヶ月ごろ)

お母様から「怒られた」という話を聞かされた。

 

あのお母様が?と、ちょっとした驚きだ。

 

しかし、怒られた理由というのが・・・・。

「妊娠したというのに、こんな小さなパンツ履いてたらダメ。お腹が冷えるでしょ」

と、そんなことを怒られて、

彼女は妊婦さん用のデカパンツを買わされたのだそう(笑)

妊娠2か月だから、まだ通常の下着は全然入るし問題ないと思うけれど、

彼女は照れ臭そうに笑ってそのエピソードを話してくれた・・・

 

 

わたしはそれを聞いたときに、

 

「あのやさしいお母様の“怒る”ポイントはそういうところなんだ~へえ~」

 

と、なんだかその「お叱りポイント」が面白くて笑ってしまった。

 

でも考えてみたら、彼女は本当に礼儀正しい子なので、

お母様はきっと勉強がどうのこうのということにはあまり興味がなくて

(実際何も言わなかったというのはそういうことだろう)

人としてきちんとしていること、いつも笑顔で人と接し挨拶がきちんとできる、

女の子として愛される人になること、

そういうところをとても大事にして育てられたに違いない。

 

 

もう子育てが終わっている自分だけど、

親が子供をコントロールしない、圧をかけない、

そして、子供のしたいことを、したくないことをいつでも「肯定してあげる」こと、

 

本当に本当に大事なことなんだなーと

おそらくすべてを肯定されてまっすぐすくすく育ってきたであろう彼女を見ていると

心から思う。

 

そして、こんな彼女は

大好きなお母様の子育てをお手本にして、

きっと同じような子育てをしていくに違いない。

 

なんてすてきな子育てのリレーだろう。