生き方の多様化。

ツイッターを見ていると、少子化問題を語るときに、

必ず「政府はもっと子育て支援を」「給料増やせ」という批判や怒りのツイートが

セットになってくる。

なんなら、そういう話題ではないはずなのに無理矢理こじつけては

「子供が増えないのは収入が増えないから」と怒っている人が多数いる。

 

個人的にはたとえ今よりも月収が10万円ずつ上がったとしても

少子化はさほど改善しないんじゃないかと思っている。

 

子供を持たない選択をしている人たちは、必ずしもお金ばかりが理由じゃないと思う。

今もうすでに、子供が欲しい人は、なんとかして1人くらいは持つ気持ちがあるはず。

1人ならなんとかなるだろう・・・と信じて。

だから子供を持ちたいカップルの「もう一人産む」の選択にはつながるかもだけど

 

そもそも家庭を持つ願望自体がなかったり、

子供を持つ願望が薄い人達自体が増えていると思うので、

つまり「初めから子供を持つ選択のない達」の考え方が

政府の政策くらいで変わったりしないと思う。

 

完全な余談だけど少子化対策の話が出ると、必ずと言っていいほど

福利厚生の手厚い北欧の話を例に出して「日本も見習え」という大合唱が起きる。

でも、多くの人は切り取られた「メリット」だけを見て騒いでいると感じる。

たとえば、フィンランドなんかは、子育て支援の手厚さで有名な国。

授業料は大学院卒業まで無償化、働いていない人のための無料託児所が整備され

義務教育の年齢を15歳から18歳に拡大し、ノートパソコンも含め教育にかかる

すべてのお金が無料だそう。

これを日本人が聞くと、おお!さすが!

それに引き替え日本は・・・って言いだす人たちが大勢いる。

けれど・・・実はそのフィンランドでは失業率は非常に高く、

常に6.5〜7%程度、若者に至っては18歳から24歳までの失業率が約16%となんだそう。

経済自体が不安定でパートタイム労働者が大半の国なので、

いい教育を受けても安定した職に就けないのが実情で、

それは果たして子育て支援が成功しているといえるのかどうか疑問なところ。

(だからSNSでの切り取りには注意しましょうね)

 

そしてこれは英会話レッスンで担任講師も言っていたことだけど

「別に日本だけじゃない。先進国の多くは少子化が問題になってる。

アメリカなんかは人口が増えてると言われてるけどそれは移民が増えてるだけで

出生率が上がってるわけじゃない。」と。

やはり彼も「若者の価値観の変化」を大きな理由としてあげてましたね。

 

 

たとえば私たちの親世代くらいまでは・・・、

結婚して家庭を持つことが「社会の常識」くらいに考えられていて

結婚していないと何か欠陥があるかのように思われたり、子供を持たない選択を

「冷たい」と思われたりしていた時代。

子供のためにおしゃれも我慢して、髪の毛振り乱してギリギリの生活をして

子育てをする・・・ということ自体が当たり前だったのに対し、

 

今は、生き方はどんどん多様化しており

子育てのために今ある自分の暮らしを犠牲にしたくないとか、

「自由」を奪われたくないと思う人が普通に増えていると思う。

子供をもたない生き方自体が、ひとつの選択肢として選ばれているから

政府が子育て支援をどれだけ手厚くしても、その現代人の価値観は変わらないと思う。

 

現に、息子に聞くと友達の数人は「結婚願望がない」とハッキリ言っているらしい。

またすでに結婚した友達にも

「二人とも子供はいらないと思ってる。一生猫を子供がわりにしていく」と

言ってるカップルもいるそうで、それをほかの仲間たちは「それもありだよね」と

特に驚くことなくとらえているそう。もちろん息子も。

 

そういう意味ではいまやもう「スタンダード」なんてないのだと思う。

何かをスタンダードと定義すること自体が価値観の押し付けになりかねない時代。

 

まあ・・・そうはいっても、個人的には息子には結婚してほしかったわたし。

それは、たびたびブログでも触れてきたと思うけれど彼が一人っ子だから。

私たち夫婦がこの世を去ったときに、誰もいなくなってしまう・・・?と

想像するとそれは親心として、大きな不安だった。

兄弟姉妹がいたら、(よほどの確執でもないかぎりは)

きっと相談し合ったり助け合ったりできるだろう。

だから、本人がそれなりに毎日暮らしているのであれば、

結婚するかどうかは、そこまで重要ではなかったと思う。

 

うちの兄弟を見てるとそれを特に思う。たまたま兄も弟も独身で

離れて住んでいるけれど、年に1~2回はふたりで旅行に行っている。

わたしからすれば、もはや「ああ二人とも独身でよかったな」くらいに思う。

どちらかが家庭持ちだったらこういう付き合いはできなかったろうから。

とはいえ、わが子となると・・・

息子は一人っ子なので、子供を持つかどうかはどっちでもいいけど

「パートナー」は持ってほしかった。

なんだかそこに自分のエゴを感じてしまうけど。

(自分が兄弟を産めなかったせいだから)

 

そんなわけで・・・・「少子化どうにかしろー!」とネットで怒っている人達を見ると

それはもう支援策やお金で解決するような単純な問題じゃないんだよ・・・きっと

と、いつも思う。

 

自分の人生を豊かにする方法が多様化している以上、

幸せになる生き方はたくさんあるわけで・・・

どの生き方を選んでも

みんなほどほど困らず、そこそこ幸せに暮らせる社会になるといいよね。

 

・・・と、なんだかまとまりがないけれどモヤ~っと思ってることを書いてみました。