話はさかのぼって、お盆休み中のこと。
息子もお嫁さんもそれぞれ実家でのんびり過ごすのが我が家流。
特に出かける用事もなくて家でゴロゴロしていた息子だが、
何気なくスマホを眺めていたと思ったら
「電車で行かせるの心配だな。暇だし、送ってやろうかな」と言い出した。
何かと思えば、その日、お嫁さんが大学時代の友達で女子会があるのを
グーグルカレンダーで確認したけれど(ふたりはカレンダー共有している)
帰省前から、お嫁さんの体調があまりよくなかったので、
自分が会場まで送り迎えしてやると言い出したわけ。
会場までは車で片道40分。女子会は4時間くらいの長丁場らしい。
さすがに片道40分の送迎でいちいち家に帰ってくるのは時間の無駄なので
会場近くのスーパー銭湯で迎えの時間まで暇をつぶせばいいやと言う。
わたしとしては、帰省中ゴロゴロされて邪魔くさいなと思っていたので
「おー行ってこい行ってこい~」
とばかりに送り出したが・・・・いや本当に彼は愛がすごいわ。
昔からわたしに対しても優しかったけれど、
妻に対する愛情を、わたしの前で隠そうとしないところがすごい。
彼女のためならなんでもする勢いだ。
・・・というか、人から頼られたときに
謎のパワーを発揮するタイプといったほうがいいかも。
そのお盆休み中には、今年2月に亡くなった義母の初盆もあった。
けれどお嫁さんの体調を心配して、わたしも夫も「無理にこなくていいから」と
しつこいほどに息子に言った。
しかし息子は
「嫁だからって無理してるんじゃなくて、彼女は本当に行きたがってる。”家族の集まり”っていうのをすごい大事に思ってるんだ。行かないと逆に落ち込むと思う。だから好きにさせてやって」
と言うので初盆にも結局彼女はやっていて場の空気を優しくしてくれていた。
義実家の行事なんて、できれば避けて通りたいのが嫁の本音じゃないかと思うのに
彼女も彼女で本当にすごい人で感心するばかり。
そして彼女の気持ちをものすごく理解している息子にも驚く。
責任感が強く、がんばり屋さんの彼女は長く続く体調不良で、家事がほとんどできず
息子が食事の支度も掃除洗濯もしていると言っていた。
お嫁さんが、夜中に「どうしてもオレンジジュースが飲みたい」
と言い出したときには、
彼女のために飛び起きて、すぐにコンビニに買いに走るだとか
マクドナルドのポテトしか喉を通らないというので毎日彼女のために
ポテトだけを毎日買いに行っている・・・なんてことも当時言っていた。
しかし、頑張り屋さんの彼女は、自分の体が思うようにならず、
何もできずに動けないままで、1日横になっているしかできないことや、
夫が仕事の前後に家事一切をしてくれていることに対して
「自分は何やってるんだろう」とメンタルがどんどん悪い方向へ行く・・・と
息子はそこを心配していた。
それをまた、息子は連日、論理的に励まして(←常に論理的な男)
ふたりきりで、大変な時期を乗り越えていた。
親ばかだけど、想像するとなんとも胸が熱くなる。
そしてお盆休みの女子会。体調がすぐれなくてもどうしても友達に会いたかったのは
地元を離れて友達のいない知らない街に住んでいる彼女にとっては
それがリフレッシュにもなるし、エネルギー補給にもなる事だったからと思う。
友達が大勢いる彼女にとって、友達と話すってそのくらい大事なことなのだ。
けれど、電車の中で気分が悪くなったら・・・と心配した息子は
そんなわけで送迎までする至れり尽くせりの夫になっていた。
自分が近くで待機していれば、途中でどうしても具合が悪くなって早退するのにも
すぐに駆け付けられるから、と言って出かけて行った。
本当に心がイケメンである。
そして、その日の夜息子から聞かされた話によると・・・
女子会が無事終わって、妻を会場まで迎えに行ったときに
集まっていた彼女の友達から取り囲まれて、一斉に言われたらしい。
「おめでとう~~!」
と。
そしてお嫁さんは照れくさそうに
「まだ秘密にしておくつもりだったんだけど、お酒ものまないし、旦那さんが車で送り迎えしてくれる・・・ってことで、みんなにバレちゃった」
と笑ったそう。
辛い辛い、つわり時期を乗り越えて
ようやく安定期に入りました。
ふたりともよく頑張ったね!
まだまだ先は長いけど、きっと大丈夫だよ。