過去の出来事をひとつだけ変えられるなら

仕事もやめて、介護も終わって、友達づきあいもほぼなくなったわたしにとって、

今や唯一、社会とか他人と繋がりを持つ場になっているといってもいいのが

ずっと通っている英会話スクール。

 

プライベートレッスンで、だいたい年1回のサイクルで担任が変わるので

今の担任は5人目。ずーっと飽きずに続けている。

何と息子より若い!!!(笑)

 

でもね、不思議なもので・・・外国人と話す時には年齢ギャップはほぼない。

彼もわたしが自分の母親と同じくらいの年齢だからといって

変に遠慮して話すこともないし、ノリが対等だし、とてもフレンドリーだ。

だからこそすごく心地いい。

そして、若いのに・・・と言ったら大変失礼だが、本当に教養があって

いろんな話ができる。

 

レッスンは教材に沿って進められるのだけど、先日は

「新しいことを始めるのに年齢は関係あるか」という、テーマで

とても中身の濃い・・・実のあるディスカッションができた。

 

その中で彼が思いがけずこんな質問をしてきた。

 

「もしも、過去に戻ってひとつだけ過去の出来事を変えられるとしたら

君は何を変えたい?」

 

と。

 

わたしはうーん・・・と少し考えてから、こう答えた。

 

「何も変えないかな。大学にも行きたかったし留学もしたかった。

わたしにはあきらめたことがたくさんあるけれど、

だからといって、もしもその過去を変えたら今のわたしはいない。

大学にいけなかった悔しさが、わたしの英語をここまで成長させてくれた。

そして大学に行っていたら、きっと別の会社に就職したから、

夫と結婚することもなかっただろう(夫とは社内結婚だから)。」

 

その場で思いついたものの、我ながらちょっとかっこいいことを言ったかも(笑)

 

担任も大いに共感してくれて二人で盛り上がった。

 

でもねー。

たかが英会話スクールの授業だから、ふさわしくないと思って言葉を飲み込んだけれど

ひとつだけ過去を変えられるなら・・・

 

やっぱり母が病気にならない世界が見たかった。

母にもっともっと長く生きてほしかったと思う。

そのために、その先の自分の人生が少し悪い方に変わっても我慢するから。

 

なあんてね。

 

もうひとつ、彼が大きくうなづいてくれたのが

 

「わたしが過去を一つも変えたいと思わないということは、

わたしが今幸せだという証でもある。

もしもわたしが過去を変えたいと思っていたなら、

それは自分が今不幸だということ。」

 

という言葉。これは本当にそうだと思っている。

なんか、英会話のレッスンという場で、なんだか自分の人生を振り返って

起こった出来事の様々なシーンが頭の中でスライドとなって映し出された。

 

”Every event is happening for a reason.

All the good things and the bad things that I've experienced

have led me to where I am today.”

 

”すべての出来事には理由がある。

いいこともわるいことも、わたしが経験したこと全部が今の自分に繋がってるから。”

 

と話したら、彼もそうだそうだとうなづいてくれた。

 

 

スピリチュアルなことを言うつもりはないけれど、

なんとなく肌感覚で・・・

人生の中で、いいこととわるいことって、

実は誰もがみんな同じくらいの配分になっているんじゃないかと思う。

もちろん、性格やストレス耐性が違うので、

人によって悪いことへの精神的ダメージが大きかったり、

幸せに貪欲になりすぎる人は(つまり欲求が多すぎる)

自分の周りに溢れている小さな幸せを見つけられずに

もっともっと・・・と嘆いて不満を漏らすばかりになったりすると思うけれど

 

だから、なんだか試練を与えられてる気持ちだなあ・・・と

気が滅入ってしまうような状態になった時には、

今の経験は必ず未来の自分へ繋がっていくから、どこかでペイされるから大丈夫

・・・と信じることでなんとか頑張れると思う。

 

いや、本当にスピリチュアルな話じゃなくてね。

経験から自分が体感したというだけの話です☆彡