最近になって見えてきたこと。

もうこの年齢になると自分の歳がいくつだっけ?ということはよくわからなくなる。

(わたしだけ?)

たとえばわたしは今54歳なのだけど、「あれ?53?いや54だよね?」

くらいの誤差の話ではあるのだけど。

それと同様に忘れがちなのが夫の年齢だ。

たった2歳年上なだけなのだけど、いちいち+2の足し算をしては、

え?もうそんな歳なのかとびっくりすることしばしば。

 

最近、ワクチン接種の予約なんかで、夫の年齢を確認する作業があったりして

「56歳」という数字を再三見せられては結構焦ったりする。

 

だって、今年57歳になるわけだから、あとたった3年で還暦なのだ。

還暦っていっきにズドーンと高齢者の仲間入りという感じ(笑)

いやいや、自分だってもちろんすぐ後に続くのだけどね。

 

夫が還暦まであと3年・・・となったときに、目の前にちらつくのが

「定年」の二文字。

 

でも本当に幸いなことに・・・といったら、夫に悪いかもしれないが

夫の会社は親族経営の零細企業なので、実質定年がない。

みんな、自分の好きなだけ働く・・・というか、

おそらく引退時期は自分で決めていると思う。

元社長の義父も80歳近くまで現役で働いていたし、

後を継いだ義兄も還暦は過ぎているけれど、そんなこと全く関係ないという感じで

バリバリ現役だ。

おそらく、病気やケガさえしなければ、夫もあと20年くらい普通に働くと思う。

 

零細企業・・・ということで、これまではわりと景気の影響をモロに受けやすく、

だいじょうぶかなと不安になった時期もあった。

有給休暇なんてものも存在しないし、休みは日曜日だけ。でも月に1~2回は

日曜日も仕事になるので、夫は実質月に3日くらいしか休んでいない。

朝7時に家を出て、帰ってくるのは夜19時なので、1日10~12時間勤務だ。

我が家にとってはそれがデフォだった。

 

公務員とか、大企業に勤めるご主人を持つママ友を、「安定感」という点で

うらやましく思ったことも、昔は何度も何度もあった。

 

それが、いざ世間で言う「定年」の年齢が近づいてくると・・・・

有給休暇も各種手当もないけれど、同時に「定年もない」ということが

なんだかアドバンテージのように思えてくるから、わたしも勝手なものだ。

 

もうひとつ親族経営の(おそらく)利点は、「誰かに使われる立場ではない」

というところだと思う。つまり、職場の人間関係のわずらわしさがない。

「上司」というものが存在せずに自分たちが仕事をコントロールできる立場にあるので

そういったストレスはおそらく全くないはず(みんな仲がいいし)。

だからこそ、健康であれば長く続けられるし、実際70代の従業員もフツーにいる。

 

そして有給はないものの、必要な時にはいつでも休める環境にもある。

たとえばわたしがたまにひどいめまいで自分で病院に行けないときなんかは

どこか出先で留守にしていないかぎりは、「病院連れてって」といえば

すぐ連れてってもらえたりする。そんな融通が利くのも事実。

 

今は早期リタイアが、ひとつの新しい価値観というか生き方の選択肢として

取り上げられる時代でもある。

実際、わたしの兄は52歳のときに完全早期リタイアしたし。(今も働いていない)

けれど、お金の問題も含めてすべての人にそれが当てはまるわけではなく、

(兄の場合は超大企業勤務&独身だったので十分な資産が用意できたと思うし、本当に激務で忙しく生きてきたので「お金より時間が欲しい」、とハッキリ言っていた。)

 

たとえば夫のように無趣味の人は、むしろ適度に仕事をしていたほうが、

本人もいいと思っている。

実際、以前ニュースで「週休3日制」が取り上げられた時には、

「は?3日も休んで何するの?」と、夫はバカにしたように笑っていた。

つまり、働くことが夫にとってはごく自然なことで、

合間にたまに休みがあればちょうどいいバランス…ってことなんだと思う。

 

そして、なんといってもお金の問題は何より大きい。

定年関係なく働き続けてくれることは、会社が傾くことさえなければ、

年金に頼らず、ずっと今と同じ収入が見込めるということ。

これもまた親族会社のいいところなのだけど

一般企業のように55歳で役職定年→お給料が減額になるということもない。

 

先のことはどうなるかわからないけれど、

一般企業に勤めていたら、

「あと3年だ。その先、夫はどうするんだろう?再就職してくれると助かるけど」

など心配していただろうに、

それを考えなくていいことは、本当にありがたいことだなと

今になってヒシヒシ感じるようになった。

 

そんなわけで・・・・定年といわれる年齢が近づいてくるにつれ、

夫の仕事環境がとてもよく思えてきたわたし。

なので、わたしももっと夫を大事にしよう(笑)。

健康で働き続けてもらえるようにね。