葬儀のおはなし(その2)

葬儀の話のつづきです。

 

事前相談を済ませていたB社の担当者さんは、

兄から連絡を受けると、すぐに病院へ父を迎えに来てくれました。

通夜は翌日の予定だったので、

葬儀屋さんが用意してくれた車で父を自宅まで連れ帰り

そのまま兄と担当者さんはその先の段取りを詳細に打ち合わせ。

そこで担当者さんから驚きの言葉が。

 

「実は、昨日(事前相談中に)お話しした会員価格の件ですが・・・

今回このような形になってしまいましたが(申し込む前に父が亡くなった)

こうしてご連絡いただいたことですし、昨日のうちに会員申込していたという形に

させていただきたいと思います。」

 

と、言われたのです。

亡くなる前に申し込んでいなければ適用されないはずの会員価格(20%オフ)で

通夜葬儀をやっていただけるとのありがたい申し出でした。

促されるままに、「会員申込書」を亡くなる前日の日付で記入・・・。

こんなサービスしてくれちゃっていいのだろうか?と思いましたが

 

しかし、あとから兄が自分の先輩にその話をしたところ、

そういうことは案外よくある話らしいよ、と言われたそうです・・・(汗)

なあんだ・・・そうなの?

とはいえ、いずれにせよ事前相談を受けていたからこそ・・・には違いないので

葬儀になる可能性が高い状況が訪れたときには・・・

やはり事前相談受けておいたほうが受けておいた方がいいというのが

実際にやってみての個人的な感想です。

 

 

ところで

最近は増えているといわれる「家族葬」について。

一見、無駄や手間を省いて

コンパクトに済ますことができてメリットしかないようにも感じるようですが、

実はデメリットもあると言われているそうです。

 

それは、故人の死を葬儀の後から知った人から電話が入ったり

同様に、お線香だけでもあげさせてほしいと知人の訪問があったり・・・と

遺族は葬儀のあとにポロポロと個別対応に追われてしまい

かえって手間も増えて疲れてしまいかねない・・・というケース。

 

その点、一般的な葬儀は親族・町内・友人が

「まとめてお別れできる場」でもあるので

葬儀のあとに対応に追われる負担はない・・・というのが利点でもあるそうです。

 

だから、家族葬を選ぶ場合には

後日訃報を知った人からの対応をどうするか?(そういう可能性があるか?)

のあたりをよく考えたほうがいいかもしれません。

 

その上で、我が家は家族葬を選びました。

一番の理由は、父には年齢的にすでに親族が少ない&

まだ元気な同世代の親族についても80歳超の高齢&遠方在住のため

(そもそも80歳の父は5人兄弟の末っ子で、上の兄弟はもうすべて他界していたり)

葬儀に必ずしも来れるとは限らない・・・という状況で、

参列が期待できる人数自体が明らかに少なかったこと。

 

結果的にやはり80歳超の親族は

「歩くのもやっとだから」「もう車での遠出は難しい」などと言われたりで

来てもらうことは無理でした。

通夜・葬儀に参加したのはわたしたち兄弟を含めてそれぞれ約10人ほど。

既に他界している(わたしたちからみて)叔父叔母の代わりに

従兄弟が2人(父にとっては甥っ子たち)が夫婦で参列してくれたほか、

わたしの夫の義両親・義兄も足を運んで下さり、非常にありがたかったです。

 

友人関係については・・・

プライドが高く、友人に対して弱みを見せるのを嫌った父は、

病気になったり在宅酸素になったことなどを友人に知られることを嫌悪しており

ここ数年は古い友人には自分からは連絡を取っていませんでした。

なので疎遠になっていた友人・知人関係にはあえて知らせないことに。

 

代わりに、父が夏ごろまでLINEで連絡を取り合っていた「旅友」さんや

「スタバの店員さん」など仲良くしていただいたらしい数人の方には

葬儀後にわたしから「生前仲良くしていただいてありがとうございました」という

お礼を父のLINEから送らせてもらう形で連絡をしました。

(LINEでなんて不謹慎のようですがもともと父はLINEだけで連絡を取り合っていたようなので、ほかに連絡手段がなかったのです)

 

ご近所さんは・・・・

こちらから何も知らせなかったものの、

自宅前が慌ただしくなり、またおそらく線香の香りも漂ったせいか

父が亡くなったことはバレたようで

自宅に戻ったその日の夜に、組長さんのほうから挨拶にきてくれました。

 

ただご近所の方たちへは、

来週中に粗品を添えて改めて兄とともに挨拶に回る予定にしています。

父の自宅はいずれ売却することになるので

知らん顔しようと思えばしてしまえるけれど・・・

やはり20年以上その家に住んでいたのですから、

きちんとした挨拶は必要かなと思うので。

 

わたしたちが利用した葬儀社では、家族葬には3タイプくらいあって、

一番安いプランだと、畳の部屋での通夜葬儀・・・というものもありましたが

なんとなくあまりに装飾品を省きすぎて貧相に感じたので、

それはかわいそうだよね・・・ということで

30人まで対応できる小ホールをを利用したプランを選択。

ゆったりとした部屋に

お花もたくさん飾られて、

家族葬でも寂しくなりすぎない立派な祭壇にしてもらいました。

 

ぶっちゃけ、わたしの義両親&義兄も来るということで

義実家から見て「寂しいお葬式」と思われたくないな・・・という

嫁としての体面みたいなものも正直かなりありました。

 

家族葬」でこじまりとやればいい・・・!と思っていても

いざとなると、どこまで知らせるか?

どのプランを選ぶか?で(削りすぎの葬儀はやはり寂しげに見えてしまう)

かなり迷いました。葬儀ってそういう点で難しいなあ・・・って。

 

かと思えば、いまどきは、「1日葬」といって

通夜葬儀をまとめて?1日で済ますプランもあるようで驚きでしたが

さすがにそこまで効率化してしまうのも、

父がかわいそうだと思ったので、流れは従来どおりに。。。

 

参列者は少なかったものの、

久しぶりに会えた従兄弟らと懐かしく話も弾んだし、

きっと父もそれを喜んでいるだろうと思ったこともあり、

兄弟でも「いいお葬式になったよね」と納得できるものになりました。

 

 

最後にこれを言わなきゃ参考にならないと思うので言いますが

この家族葬の金額は、約70万円でした。(※お坊さんへのお礼は別途)

これでも例の「会員価格」での金額なので、定価だったら90万弱の見積!!!

 

しかも、それらはHPに記載されている「パック料金」よりずっと高い。

それはそのはず。

表示されているパック料金には、「会場使用料」や「会葬御礼」「精進落とし料理」

など、含まれていない項目が意外とたくさんあるからです。

(たぶん、それはどこの葬儀会社のHPも同じだと思います)

 

もちろん、部屋も小さい、装飾品も最低限の一番コンパクトなプランにすれば

4~50万だったと思いますが

そこは「どこまで割り切って削れるか?」という考え方次第かもしれませんね。

 

 

・・・というわけで

あまり参考になる話ではなかったかもしれませんが

「なかなか知る機会はないであろう葬儀のおはなし」でした。