こんな一面があっただなんて。

親の恥をさらすようで、恥ずかしいことなのだけど

わたしは本当に息子を過保護に育てたと自負している。

きっと、周りからは「一人っ子だから目が届きすぎるんだろう」など

思われていたに違いないし、たぶんそれは間違いじゃなかったと思う。

(人から指摘されたことはないけれど、言われたら図星すぎてグサっときただろうな)

 

今だから言えるけれど、本当に何でもやってあげた。

小学校時代は教科書ノート、全部入れて用意してあげたし

中学になっても忘れ物がないかのチェックは欠かさなかった。

息子は塾へ行かなかったので中学時代は勉強のサポートもしたし

毎日着るものを上から下まで用意したのは20歳までずっとだ。(息子は私服高校)

忘れ物を発見すれば、息子が困るだろうと学校まで届けたし、

(スポーツをやっていたので)疲労が溜まっていたときは

車で学校への送り迎えもしたことがあるし

それこそ一人暮らしを始める20歳ごろまでずっと洋服はわたしが選んで買っていたし

バイトを探すというときは、わたしも一緒になって調べて「ここはどう?」なんて

オススメしてやるような、手も口も出す母だった。

 

子離れできない母親の典型だなと思う。こうやって自分で振り返ってみても。

 

結婚に際しての両家顔合わせの席で

「過保護に育ててしまったので・・・・」とわたしが言ったことを

あちらのお母様はきっと謙遜のように受け取ったに違いないけれど

謙遜でも何でもない、紛れもない事実なわけで・・・。

こんな具体例を聞かされたらドン引きされることだろう(笑)

 

だから、こんなふうに手をかけまくって育てた息子が結婚するとなると

とんでもない「受け身夫」になるんじゃないか・・・?という一抹の不安があった。

自分自身が「なんでも先回りする親」だったくせに、勝手なものだ。

 

 

ところが

 

実際には本当に驚くべきことに、息子はわたしが思っていたのとは全く違う「夫像」

になりつつあって、今、心底驚いている。

 

まず驚いたのは、お嫁さんから聞いた話。

わたしが「結婚すると(姓が変わると)いろいろ手続きたくさんあって大変よね」

と言ったときに、彼女が

「そうなんですけど〇〇さん(息子)が、全部調べてリストにしてくれたので。

自分のことじゃないのに(笑)わたしの代わりにやってくれるんです!」

とうれしそうに言ったこと。

 

ええっ!あの受け身息子が?!でしたよ。

 

さらに

「家電も、わたしは何がいいかよくわからないんですけど、
全部〇〇さんが調べて選んでくれてるからすごく助かってます!
なんでもやってくれるので頼りにしてます。」

と。

 

ほああああ・・・・・彼女のコメントがわたしの想定外すぎて驚くばかり。

 

 

ちなみに、息子が何もかも仕切っているわけではなくて

新生活に必要なことは二人でひとつひとつ話し合って決めているけれど

結婚式や新生活のインテリアなど、

お嫁さんが(女の子として)こだわりたい部分は、息子は一切口出ししないらしく

100%彼女の好みだけで進められているらしい。

だから、役割分担が上手に出来ている様子。

 

ほかにも、二人で家電を選ぶために量販店へ行ったときに、

光回線のことで店頭でセールスに言葉巧みなセールスを受けたらしいのだけど

息子はそういうことは詳しいので口車に乗せられることもなかったようで・・・

 

「わたしだったらネットのこととか全然わからないので契約しちゃってたかもです。
〇〇さんが、”よくわからないセールス受けたら対応せずに全部僕のほうへ振っていいからね”って言ってくれるからすごく心強いです。」

 

などなど。

 

おかしいな、あれほどわたしがなんでも先回りして世話を焼いて過保護に育てた

はずなのに、どうしてこんなによく気が付くんだろう???

と疑問に思っていて・・・・ひとつ思い当たることが。

 

それは、息子は「人から頼られたときに俄然力を発揮する」という一面があること。

 

よくよく考えた見たら、中高時代なんかはまさにそれだった。

学校でも常に何かの委員をやっているタイプだったし、

一人っ子として育った子の「いい面での副産物」として、

後輩をものすごくかわいがる子で、面倒見がとてもよかった。

(お兄ちゃん気分になれるのが心地よかったのかもしれない)

おかげで、部活やスポーツチームでも、

年下の子が「先輩!先輩!」と

金魚のフンのように息子のあとにひっついて離れなかった。

 

つまりは・・・・子供が親が思っているよりはずっといろんな経験値を積み上げていて

親の知らないところで、ちゃんと大人になっているってことなのだと気が付いた。

息子は20歳で家を出たのでかれこれ6年。

言い換えればこの6年間で、わたしは数えるほどしか息子と会っていないわけだし

もともと持っていた「面倒見の良い性格」に加えて

その間にちゃんと大人になっていたってことなのかもしれない。

 

 

そして先日、二人の新生活のサポートになれば・・・と

「ホットクック」を買って送ってあげた。

 

まだお嫁さんの引越しまで日があるので、ひとり暮らしを続けている息子だけれど

カレーはもちろん、今まで作ったことがないであろう、魚の煮物や肉じゃがなども

あれこれとホットクックで作ってはその画像をわたしに自慢げに送ってくる(笑)

 

「これなら僕でも料理を作ってあげられる」

 

とうれしそうに言う。

 

 ホットクック、高かったけど買ってあげてよかった。

作るのはホットクックでも、

「ホットクックを使うことで夫がご飯を作ってくれる」ことが大事で、

それだけで妻の負担はかなり減らすことができるもの。

 

親のわたしが思っていた以上に

息子は「家事も育児も夫婦一緒にやるのが当たり前」と思っている、

現代感覚の夫になろうとしているようだ。

 

そしてあれだけ過保護に育てても、

そんなに影響なかったみたいでホントよかった・・・・。