いいのかこれで?

朝晩2回の病院通の中、急に更新頻度が高まったのは

病院通いをお休みしているから。

先日のブログでも触れたとおり、日曜日の夕方(父がお風呂に入った日)から

兄が来ている。

明日の朝食まで世話をしてくれることになっているので、

わたしは明日の夕方まで病院へ行かなくてもOKという具合。

 

本当であれば、日曜日の午後に兄を駅まで迎えに行った後、

とっとと病院に送り届けて「じゃあ後よろしく!」といきたいところだったが

さすがにそれは申し訳なかったので

この日の父の夕食が終わるまで「父に付き添う兄の付き添い」をした(笑)

 

食事は毎日〇時頃に運ばれてくるから、

ここにビニールエプロンがあるから使ってね、

スプーンはこれ、

いつもベッドの上で食べるから、リクライニングをこのくらいの角度まで上げて~

入れ歯は本人に入れるかどうか?聞いてみて。入れないって言う時もあるから。

入れ歯を入れないままに食べるときは、

こういう「葉物おかず」あ「肉のおかず」は噛み切れないのでパスして

おかゆとペースト状おかずだけにしてね。

入れ歯はこういう角度で~こうやって入れるの。

口の周りがいつもカラカラに乾燥しているから

入れ歯はいきなり入れないで、先にこの保湿ジェルを口角に塗ってあげて。

でないと口角がすぐに切れて血が出るから注意して。

良く馴染んで口角がうるおったあとに入れ歯は入れてね。

じゃあ実際にやってみて。

そうそう、そんな感じ。じゃあご飯いきましょうか。

最初は汁物から始めて~

ボーっとしてるから、スプーンですくうのは最初は少量にして様子見て

ペースが速いとうんざりするから、ゆっくりで。

もうお腹いっぱい・・・となったときは、自分から言うので大丈夫。

お茶はこの「楽のみ」で。調子が悪いときはストローが吸えないので「楽のみ」推奨。

食事を要らないと言ったり、寝ているようだったら

無理に食べさせる必要はないけど、薬だけは飲ませて。

食べ終わったトレーは看護師さんが回収に来てくれるので置きっぱなしでOK。

気を利かせて片付けに行ってしまうと、

誰のトレーかわからなくて有難迷惑になるかもしれないので。

食べ終わったら、口をゆすいで、入れ歯をまた外して、歯磨きしてほしい。

誤嚥性肺炎防止のために口の中はできるだけ清潔にしないとダメなので。

あ、でも体調や機嫌が悪かったり、食べている途中で眠ってしまうこともあるので

これも無理そうだったらあきらめていいから。

歯ブラシはこれ、歯磨きはコレ、リクライニングを90度近くまで起こして

本人が疲れてイヤになってしまう前に手早くチャチャっとね。

食事が終わると大抵寝てしまうので、その後は見守るオンリーで

あまり手はかからないと思う。

あとは目を覚ましたタイミングでお茶を飲むか聞いてあげて

自分からは飲めなかったりするので。

看護師さんを呼ぶのは基本、痛み止めをもらうときだけ。

自分から「薬欲しい」とは絶対に言わないので顔の表情見て苦しそうだったら

薬もらうかどうか優しく聞いてやって、優しくね。

なかなか1回で「飲む」とは言わないと思うので難しいかもだけど。

酸素はよく外す。無意識で外しちゃうときはそーっと戻していいけど、

神経高ぶって動きが多いときは、

攻撃モードの時が多いので刺激しないように知らん顔で。

しばらくしたら本人が外した理由も忘れるので、時間が経ってからそーっとつけて。

 

 

・・・とまあ、こんな感じで兄に実際にやってもらい(わたしは手を出さず)

いろいろ説明してやることを覚えてもらった。

毎回のルーティンになってしまっているわたしにはどうってことないことだけど

兄は「こんなに覚えること多いとは(汗)」と驚いていた。

 

 

ところが・・・・・だ。

この翌日(つまり昨日)・・・・。

 

いよいよ兄ひとりに父を託してどうなったことやら・・・と

ドキドキしながら、夜LINEを入れて様子を聞いてみると

 

なんと、朝食も夕飯も、父は食べなかったという。

 

父の人格的な問題や気難しさは

その「譲れない階級意識からも来ていると思う。

そう・・・父にとって「息子2人」は常に自分よりも身分が低くなければならない。

わたしのことは、娘というよりは妻だったり、母親のように見ているようで

依存心を隠さないし、ひたすら甘えてくるけれど

長男・次男は違う。

父にとって息子2人は、

いつも自分が上に立って、偉そうに物を言いたい対象で

間違っても、息子に世話を焼かれる・指示されるなんてあってはならないこと。

 

それはもう、父にとっては「屈辱」に値するのだろう。

 

父がそういう性格であることはわかりきっていたけれど、

さすがに現在の状態を考えると・・・

(せん妄状態がずっと続いていて脳の機能自体が常にぼんやりしている父)

息子による食事介助くらいは、受け入れるだろう・・・と軽く考えていた。

 

(ちなみに、前回一時的に退院した後に兄に数日泊まり込んでもらったが、そのときも兄からの介助や助言をことごとく振り払っていた実績はある)

 

父は、兄が食事を手伝おうとすると

「自分で食べるからいい(キッ)」と、強い口調で全面拒否だったらしい。

が、強がってみたものの、

実際には体力がないからか、意欲がないからか食べるに至らず・・・

何も手を付けないままに食事トレーを返却することになってしまったと。

 

わたしが驚いて兄に

 

「少なくともこの2週間くらいは、わたしがいるときにお父さんが自分でご飯を食べたことは1度もないよ。自分で食べれる?って聞いても『いや(食べさせて)』って感じだったから、毎食わたしが食べさせてたもの。」

 

と言うと、兄の方が「ええ~~~~?」と絶句していた。

 

自分の状況もあやふやで、

今は毎日幻覚と妄想の中でふわりふわりと

ある意味幸福感を感じながら生きている父だと思っていたが

兄の手からは食事は摂りたくないという「本質的な性格」の部分だけは

こういう認知症のような状態になっても変わらないってすごい。

世話をする相手が兄だとわかった瞬間に、

本能的に拒否反応が出るんだろうなあ・・・。

 

昨日はお昼に自分で少し食事を摂った以外、朝晩はどちらも欠食。

もちろん、こんな状態で、

兄に入れ歯の洗浄や口腔ケアなどさせるわけがないのでこちらも未クリア。

 

せっかく兄がわたしに休息をとらせようと来てくれたものの

父がやるべきことをさせてくれないので、

本当にただ付き添っている(同じ部屋にいる)だけになっている兄。

 

今日もう1日、兄が父の世話をしてくれることになってはいるが

昨日の話を聞く限り、どうもうまくいく気がしない。

 

これでいいのか?

わたしは家にいていいのか?

わたしがいけば、たぶんご飯も少しは食べるとわかっていながら。

 

兄は「お前が来たら、意味がない(お前を休ませるために来たのに)」

 

と言って、わたしに来なくていいと言っているが。

 

はあ・・・。

こういうときは、完全にお任せモードで「どんな様子?」だなんて

うかつに聞いてはダメだったな・・・と反省。

知らないのが一番平和。

知ってしまえば、いつもの悪い癖で

「自分がやらないと」ってスイッチが入りそうになってしまうのだから。

 

何も聞かなかったことにして・・・・

当初の予定どおり、明日の夕方までわたしはお休みさせていただこう。

 

兄よ、健闘を祈る。