あの謎のアザの正体。

父が退院する日・・・病衣から自分の服に着替えるとき

背中の肩甲骨の下に、大きなアザのようなものが浮き出ている・・・と書いた。

その位置が、普段父が痛い痛いと訴える背中の位置とぴったり一致するので

素人考えで、「ガンが原因で何か浮き出てるのでは?」と思ってしまったわたし。

 

今週月曜日から、訪問看護が始まったのだけれど、

その際に看護師さんに患部を診てもらったところ、

「何かはわからないが皮膚病ではないかと思います」と、写真を撮り、

主治医に見せてくれると言ってくれた。

 

ちなみにわたしがそのアザのようなもののことを

場所の一致から、てっきりガン由来と思い込んでしまったことを話すと

「ガンが体の内側から浮き上がってくるなんていうのは・・・
少なくともわたしの経験では、聞いたこともないですねぇ」

と言われて、その可能性はまずないとのことだった。

 

そして、火曜日の朝

早速、前日の訪問看護師さんからTELが。

 

例の画像を主治医に見せて診断してもらったところ

「おそらく帯状疱疹だと思うから、すぐに皮膚科を受診したほうがいい」

と言われたとのことで・・・・

 

「今から受診できますか?」と訪問看護師さん。

 

 

はああああ・・・
また病院・・・?!

 

と、ずっと帯状疱疹の痛みを我慢していただろう父を思いやるよりさきに

そんな本音に包まれてしまった。

 

歩けるだけの体力があった以前とは違い、

今はもう、病院に連れて行くのも大仕事だ。

父をかわいそうに思う以前に、そっちへ意識が行ってしまい

あ~本当にもうイヤな娘だな・・・と自己嫌悪。

 

でも現実問題、今の父を車に乗せるのは一苦労なので、

予定外の受診ほど気が重い物はない。

時間も中途半端なので、昼食補助のヘルパーさんもキャンセルすることになったし。

(つまり昼食の面倒までわたしが見るということ)

 

その場で訪問看護師さんからケアマネさんに電話が代わり(同じ病院内だから)

「お父さんを車に乗せるのが難しそうならわたし手伝いにいきます」

と言ってくださったが、

まあ、肺炎で入院するとき、ほぼ歩けない父を背負って車に乗せたくらいなので

なんとかなるだろうと思い・・・・

「どうしてもダメそうなら連絡させてもらいます!」とだけ言って、電話を切った。

 

その後、なんとか父を車に乗せて、皮膚科の診察を受けた結果・・・

やはり呼吸器の主治医が予想したとおり、それは帯状疱疹だと言われた。

しかも、もうピークを過ぎている・・・と。

患部の様子からいくと発症は10日前くらいじゃないか?と。

つまり・・・入院中に発症していたということ。

 

わたしも帯状疱疹がどういうものかはなんとなくは知っている。

けれど退院の日に患部をみたときは、

帯状疱疹の典型的なぶつぶつした「水泡」という状態ではなかったので

まさかそれだとは思いもよらなかった。

 

皮膚科の先生も「珍しいタイプ」と驚いていたけれど

通常帯状疱疹って、その名の通り帯状に広がるので

「普通は背中から胸にかけて帯状につながるんだけどね。離れてるよね、これは」

と皮膚科医。

父のそれは、背中にデカイのがひとつ、胸に小さいのがひとつ・・・と

離れ小島状態だった。

(胸にも小さな帯状疱疹があることはわたしはそれまで気づかなかった)

 

おそらく、相当痛かったはずだろうと皮膚科医も、訪問看護師さんも言った。

「よく我慢してましたね」と。

実は肺がんがあって、オキシコンチンも服用しているので・・・と説明すると

 

皮膚科の先生もカルテを確認して、

「あ~~なるほど。おそらく別の痛み(ガンの痛み)と同じ場所だから

気づくのが遅れたんでしょうね」と、苦笑い。

 

 

ピークは過ぎているので、このまま自然治癒もできるけれど

まあ軟膏と痛み止めを出しておきましょう・・・ということで、また薬が増えた。

 

帯状疱疹というと、疲れやストレスで出ると聞く。(わたし自身は経験がない)

ネットで調べてみたら、

悪性腫瘍も、帯状疱疹が出る原因になるのだそう。

なので、父の帯状疱疹は出るべくして出た・・・という感じかもしれない。

 

そんなわけで・・・

父をまた自宅まで連れ帰ったわけだけれど・・・

 

病院へ行くときには、寝室のベッドから玄関まで歩くだけで「息が苦しい」と

言って、玄関に5分ほど座り込み・・・

帰って来たときも、車を降りて玄関まで入ったところで座り込み

「休ませてくれ」と5分ほど動かなかった父。

 

この日は特に体調が悪かったのか・・・?

その後トイレに行くときもひとりでは歩けなかったので手を貸したものの

トイレで息を切らして、ここでも立てなくなって帰ってこられなくなった。

(用を足したあとも、トイレで5分ほど座り込んだまま)

 

家の中の移動は、ほぼトイレのみ。

一応、ひとりで歩けるけれど、歩けると言っても壁をつたいながら、

掴めるところを掴みながら・・・なので

見ていて危なっかしくてしょうがない。このあたりのことはまた別記事で。

 

そして、「帯状疱疹の治療のための朝晩2回の軟膏塗り」という、

新たなミッションが加わったのだけど・・・・

軟膏を塗布して、ベタベタを防ぐためにガーゼでふたをしてテープで止める・・・

と言う作業なので、

身体を動かすのがつらい父の背中にこれをするのはかなり大変で、苦労している。

 

父は起き上った状態では、背もたれなしで短い時間しか座っていられない。

2~3分が限度という感じなので、

背中に軟膏を塗るためには、横向きに寝てもらって、

わたしが片手で背中を支えながら塗っているけど

(本人もベッドの柵を握るけど力がないので傾いてきてしまう)

患部が広範囲(何しろソフトボール大)なので、時間もかかり、

ガーゼをテープで止めるときなど、もたもたしてしまってダメ。

 

 

そんなわけで、この帯状疱疹にはなかなか苦労させられている。

父も長い期間・・・かなり痛かったはずなのだけど、

肺がんの痛みも強くなってきているので

ホント・・・あまり痛みの違いが分からなかったのだろうなあ。

 

ともかく、帯状疱疹・・・早く治ってほしいなあ。