ますます一人暮らしは難しく・・・。

昨日、いつものように父に会いに行ったとき、

相談員Sさんに会いに行った。

思い付きだったので予約もしていないし、会えないならそれでいいやと思いつつ。

けれど運よくSさんに会うことができ、20分くらい別室で話をすることができた。

 

とにかく、わたしの今の心配事は

 

「この先はどうなるの?」

 

と、それだけ。

ただただ、回復してくるのを待っていればよかった過去数年の入院。

たとえば、昨年秋のそれこそ生死のゆくえがわからなかった肺炎ですら

人工呼吸器(NPPV)が外れた後は

日に日に身体が必要とする酸素の流量が減っていくのが見て取れた。

それが今回は肺炎は良くなっているのに酸素の流量はずっと多いまま。

 

Sさんには、父の現状と照らし合わせた今後の選択肢について

率直にどう考えるか?を聞いてみたかった。

 

一人暮らしは続けられるのか?

 

わたしだけの気持ちでいえば、ひとり暮らしは限界だろうという考えだけれど

実際には、やり方次第で一人暮らしは可能なのかどうか?

さまざまなケースを見てきているSさんの意見を聞きたかった。

 

 

*もし一人暮らしを続けるなら、排泄の片づけ目的を含めて朝昼晩の1日3回は

サービスを入れないと難しいだろう。
(※介護度を上げてもらい、ヘルパーさんと訪問看護の双方を使うことで、それ自体はたぶん可能)

トイレの問題が一番大きい。排尿だけなら、

中にはパッドを自分で取り替えることで対応している独居の人もいる。

しかし、「大」のほうが間に合わなくなったとき、じゃあどう対応するんだ?という

問題はおそらくそう遠くないうちに出てくるはず。

 

*食事は配食サービスで対応可能でも、今現在、看護師さんを呼んで室内のトイレに

行っているような状態の人が、その配食サービスが来るたびに、毎食、玄関まで

受け取りに出ることができるかどうか?という問題がある。

 

*一番大きいのは酸素の問題。

今の入院中でも就寝中に(寝相によって)酸素が外れてしまって

SpO2(酸素の数値)が80まで落ち、看護師が慌てて見に行く・・・と

いうことがある。今までは夜間の酸素をサボるなんてこともしてきたようだけど、

もう今後はそういったわがままは許されないだろう。

特に本人が低酸素慣れして息苦しさを感じないのが問題。

就寝中(本人も気づかないうちに)に命を落とす可能性も。

そのリスクを本人も家族も了承の上なら・・・と言う話になるだろう。

 

Sさんは呼吸器病棟の入院患者全般の相談に乗っている人なので、

数多くの似たようなケースを見てきているし、わたしが考えてもいなかったことを

気づかせてくれることが多い。

 

希望的観測を聞きたかったわけではなく、あくまでも率直に(厳しい現実でも)

話してほしかったので、聞いてよかった話ばかりだが、

聞けば聞くほどに、父が自宅に戻るということは難しい・・・と感じた。

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【追記】

そうそう、ブログUPしてから気が付いたことがあるので追記すると・・・

もうひとつ「食事」の問題はかなりわたしの懸念材料に。

実は父は入院後も相変わらずずっと「食欲がない」「おいしくない」など

食が進まないことを毎日毎日わたしに訴えてくる。

(※入院しているのだから、なぜそれを主治医や看護師に言わないのだ?と毎回謎)

けれど、じゃあ食べていないのか?と聞けば病食は食べているのだ。

実際、栄養を補うための点滴は入院後3日間ほどあっただけで、現在はしていない。

(食事はそれなりに摂れているの補液の必要はないと判定されているからだと思う)

これっておそらく、「入院している限りは目の前に出されたものを食べざるを得ない」

という、どこか強制力みたいものが父の頭の中で働くせいじゃないかと思っている。

だって、それを食べなければ代替品など出てこないのだもの。

この父を、家に連れて帰ったらとたんにまたせっかくの配食弁当も

全残しすること確実でわたしに「何かおいしいものを買ってきて」と言ってくる

→でも食べない、「全部捨ててくれ」と言われる・・・の日々の再来。

わたしのストレスにもつながるし(毎日大量の残飯処理)、

「どうして病院だとイヤイヤでも食べるのに家に帰るとわがままになるの?」と、

口には出さないけど、イライラもしてしまうと思う・・・。

 

・・・・と、自宅でのひとり暮らしにはこの問題もつきまとうことになる。

 

(追記ここまで)

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決定的だったのは、

Sさんがしきりに父のことを「もうそんなに動けないだろう」と言ったこと。

 

わたしは父の足腰が弱っている話をしているのかと思ったけれど、

そうではなかった。

 

Sさんによると、

「極端な話をすると、骨折やほかの病気などが原因の廃用症候群のために

足腰が弱っているという問題で”動けない”のであれば、

リハビリを頑張ればいいだけの話。

けれどお父さんのような呼吸器疾患の場合は、運動負荷を上げると

酸素の数値が下がるのが問題。少しの歩行で酸素の状態が悪くなるので、

リハビリを頑張りたくてもなかなか運動負荷を上げられない。

退院して家へ帰ったとしても、おそらくちょっと動くだけでグッタリ疲れてしまい

動けなくなる、結局家でベッドから起きられない・・・という可能性。

だから、頑張って自力で必死にトイレへ行ったはいいが、トイレから戻る体力がなくて

便座に座ったまま、酸素が戻らず出られない・・・なんてことも起こりうる。

皮肉な話だけれど、お父さんが完全に寝たきりだったら、

むしろひとり暮らしは可能だったかもしれない。

中途半端に動けることが、かえって一人暮らしの危険を増やしてしまっている。」

 

・・・とまあ、それはもう・・・

どれもこれも、言われれば「はあ・・・そのとおり」の話ばかりでもう何も言えない。

 

わたし自身、病院か施設が一番自分が安心できるとは思っていたけれど

一方で今なお・・・・

ギリギリまで父の意思を尊重してやりたいという気持ちもあって、

「サービスを最大限駆使することでかなえてやれるなら」という思いがあった。

けれど、Sさんの話を聞けば聞くほど・・・・。

ここまでの危険や、周囲の協力がなければ続けられない一人暮らし、

そして家族が待っているわけでもない家、ひとりでは外出もできない身体、

・・・そんな状況になってまで、ひとり暮らしにこだわる意味はあるのか・・・?

となってくる。

 

父はまだそこまで想像していなくて、

家に帰ったら自然に少しずつ体調も戻ると信じているのがまた切ない・・・。

 

父の意思はとりあえず横に置いておいて・・・・

選択肢は療養型病院か、施設か?の実質二択だ。

ところが、ここでもさらにSさんから厳しい現実の話が・・・・。

 

「施設については・・・

正直、お父さんのような状態の人を受け入れてくれる施設があるかどうか・・・・。」

 

エエエ?!それはどういうこと?と、驚いて聞き返すと・・・

 

「まず、酸素の流量5~6Lというのはあまりに多すぎるんです。

大抵の施設は在宅酸素受け入れOKになっているけれど、実際にはその多くが

「3L」くらいまでの基準にしているので、5~6Lはかなり重い状態とみなされて

受け入れ拒否される可能性があることと、そこに加えて

お父さんの場合は肺がんステージ4という重大な既往症もあるわけで・・・・

要介護者としてははあまりに身体に病気リスクを抱えすぎな人

(施設ではサポートしきれないという意味か?)とみなされてしまう。」

 

まあ、父が施設に入ることを受け入れる可能性は少ないと思うものの・・・

ただ、逆に言えば

「施設から拒否されてもおかしくないほど病状の悪い人が一人暮らしなんて無理だ」

というところへやはり行きつく。

 

Sさんの意見を聞くともう・・・・

父の落ち着く先は病院一択しかないじゃないか・・・となってくる。

 

ただね・・・・施設も(受け入れてくれるところがあるなら・・・だけど)

まだ私が考える選択肢の中には一応残っている。

 

 

 

父が最も受け入れないであろう選択肢ではあるのだけど、

考えようによっては、療養型病院よりも施設のほうがいいのでは・・・?と

思ったりするのだ。

 

 

その理由についてはまた次回。

 

 

あ・・・・施設施設・・・と言ってますが、

実のところ、施設に入居した高齢者が実際にはどんなふうに1日を過ごすのか?

あまりイメージできていないわたしです。

デイサービスとやることは同じなのでしょうか?

レクリエーションがあったりとか・・・?

 

もし、ご家族やご両親が施設入居中とか、入居してたよ・・・という方がいらしたら

どんな生活なのか?わかる範囲で一例を教えていただけると助かります^^;

どうかよろしくお願いします~。