入院して安堵したかと思ったら・・・!

本当は、昨日の記事に書いた「入院」の続きを書こうと思ったのだけど

(家に戻って父を説得したことととか、その後のもろもろ)

 

ちょっとそこをすっ飛ばした話にいきなりなります。

 

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入院翌日の昨日。

父は入院はいつも必ず個室を希望するのだけど、

今回は残念ながら個室に空きがなくて4人部屋となったため

同室の人に迷惑になってはいけないと思い、

いつものように朝から病室へ行くのは控えて午後から父のもとを訪ねた。

 

すると父の様子が前日までと明らかに違う。

何やら顔つきがスッキリとしているし、ぼや~~~っとした様子がない。

あ、あれ??なんか元気そうだぞ・・?

昨日入院時に施された点滴も今はされていないし。

 

と思っているところへ主治医の先生がやってきた。

入院当日は、主治医は不在だったため結局会えず、昨日が初めての対面だった。

 

わたしは、この入院は「本人抜きで病気についての説明を聞くいいチャンス」

思っていたので、看護師さんにこっそりと

「先生から現在のガンの状態と今後の見通しについて話が聞きたい」

ということをお願いしてあった。

 

わたしからのお願いを受けて、主治医が「じゃあちょっと娘さんお話が・・・」

とわたしだけをカンファレンスルームへ呼んでくれた。

 

カンファレンスルームで、主治医と二人向き合うと、先生が切り出した。

 

主治医「なんか昨日体調が悪くて入院ということでしたけど・・・

〇〇さん、体調よさそうですよね?

 

と主治医。や、やっぱりか・・・。

 

「そ、そうみたいですよね・・・(汗)
わたしも昨日までとずいぶん様子が違うと思って・・・(滝汗)」

 

と、焦る私。

いやもう、本当にそうだったのだ。

信じられない話だけれど、

父はたった一晩でV字回復を遂げてしまったのだ。

 

主治医「何にも(治療は)していないんですけどね。お昼ごはんも完食でしたよ。」

 

なんと言ってよいやら・・・・

本来ならば「元気になってよかったね」な話なのだけど、

さすがに一晩で・・・となると

ハッキリ言って

 

穴があったら入りたい。

 

くらいな気持ちだった。

だって、これじゃあまるでわたしが大げさに騒いで入院させたみたいじゃないか~。

(先生は父の一番ひどい状態を見てないわけだし・・・)

 

入院したとたんに元気回復するとは何事だ!

 

というくらいの、予想外の展開(汗)。

 

月曜日の診察のあと、

どんどん状態が悪くなって認知症のような状態になってしまったんです~と

必死に説明するけれど、まるで必死で言い訳している気分だ。

 

主治医の見解では、こうして入院したとたんに症状がなくなった・・・ということは

やはり痛み止めの副作用だった可能性が大で、

しかも自己判断で過剰に摂取していたのだろう・・・ということで

わたしもそれに納得した。

 

入院前と入院後で何が変わったか・・・?というと、

「頓服のオキノームを飲んでいない」ということ。

 

入院後の24時間は「1日2回」のベースのオキシコンチンのみだった。

薬は看護師さんが全部預かっているので、父が勝手には飲めない。

オキノームが欲しいとは父は頼んでいない。

つまり、それがなくても痛みは抑えられているということ。

 

前にも書いた通り、オキシコンチンとオキノーム、持続性か即効性か?の

違いだけで薬剤の成分は全く同じなので、

「オキノームが体に合わない」という話じゃなくて

単純に「一気に1日の総摂取量が増えすぎた」という話。

 

  

先週月曜日に、薬が増量されたけれど、父は「1粒あたりの薬剤の量が増えたんだ」

という事実を理解していないので(説明はしたんだけどねえ)

おそらく、何も考えずに増量前と「同じ回数・同じタイミング」で

頓服を飲んでいたのがまずきっかけだったのだろう。

「痛くなりそうな気がするから念のため飲んでる」とも、言っていたし。

(それはよくない、と言っても聞かないのよね・・・)

 

そのために一気に摂取量が増える形となり、

それが副作用となってせん妄の症状が出てしまったのだと思う。

で、その後は負のスパイラルで、常に頭がボーっとしているので

「いつ飲んだか、いくつ飲んだかも覚えていられない」状態に陥り

 

飲む必要がないのにまた飲む・・・・の悪循環。。。

すでに傾眠状態で朦朧としているのに、夜は長年の習慣で飲んでいる睡眠薬

やめようとしなかったし。

わたしは睡眠薬とオキノームを一時的に隠してしまおうか・・・とも思ったけれど

そのせいで夜中痛みがひどくて眠れない・・・!

なんてことになったらかわいそうでできなかった。

 

簡単に言うと、入院したことで好きな時に飲めない状況が作られて適正量に

おさめることができた・・・という状況になったのだと思う。

 

先生の言うには、麻薬を使うと傾眠傾向はどうしても出てしまうという。

今後、痛みを抑えるために少しずつ量が増えていくのは間違いなく

飲む量が増えれば、やはり傾眠や意識障害は出やすくなると。

けれど痛みを抑えることのほうが大事なので、

そこはある程度避けられないことで、うまく順応できるように徐々に量を増やす形で

つきあっていくしかないらしい。

そしてそういう意識障害は、やはり高齢者に出やすいらしい。

  

さて、なんだか元気になっちゃって・・・これ?この空気どうしたらいいの?

今日にでもすぐ退院するべき?と、ちょっと気まずい思いでいたら、

主治医は予想外のことを言った。

 

「まあ、せっかく入院したんですから、痛み止めの薬をきちんと使えるように
少し練習してから退院・・・ってことにしましょうか。

 

え?い、いいんですか?入院してて・・・・?

それはどのくらいの期間の話ですか・・・?と聞くと

 

「〇〇さんの気持ち次第ですが1週間か・・・2週間くらいでどうでしょう?」

 

エエエエーーーー?そんなに?

逆にそんなに入院しちゃってていいんですか?・・・という気分。

 

主治医のこの提案に、むしろわたしのほうが恐縮してしまい

 

「ま、まあさすがに2週間は本人がイヤがると思うので、

それじゃあ来週中に退院ということで・・・・」

 

と言うと、

 

「いいですよ。じゃあそういうことにしましょうか。ちょっとリハビリもいれて

体力付けてから退院ということにしましょう。」

 

とサクっと答える主治医。

 

 

昨日は入院が決まって安堵したばかりなのに、24時間後にまさか

「入院してていいんだろうか・・・」と戸惑うことになるなんて、

一ミリも想像していなかった。

 

 

ほんとにいいのだろうか?入院してて・・・?

治療が必要なことは何もないのに???

甘えてしまっていいのだろうか???

主治医の「まあせっかく入院したのだから」の言葉に救われている妙な気分。

 

ただ、冷静に考えると

主治医が「練習しましょうか」と言ってくれるのは素直にありがたかった。

父には自分の意識が朦朧としてあぶない状態だったという記憶が全くない。

・・・ということは「飲みすぎて失敗した」という自覚がないわけで

このままさっさと退院したら、再び「ちょっと飲んでおくかな」なんて軽い調子で

頓服に手を付けてしまうのは確実だ。

帰宅したとたんにまた意識朦朧とするくらいに飲んでしまう可能性は高い。

 

 

病名は一応「肺がん」という、結構重い病名がついているわけで

決して健康なのに入院したわけではないけれど、

それでも治療することがないのに居させてもらうということには

なんだか気まずくてしょうがないぞ。

看護師さんからヘンに思われないだろうか・・・(汗)

 

今こうしてブログを書いていても、どうも落ち着かないわたし。

 

退院はこちらが決めていい感じになっているので

明日から3連休ということもあるし、

わたしとしては、

来週水曜日朝をめやすに退院させてもらう感じにしようかなと思っている。

 

そして話はこれだけではなく、ここから本題・・・とばかりに、

父の肺がんについての話となる。

 

(つづきます)