商売人としての常識。

前記事を自分で読み返してみると、ちょっとドキっとするような内容だったかも?と

あとから思いましたが、

あの記事の中でも書いたように、

本当にあまりにも自分の中で冷静に現状を受け止めているので、

あんな書き方になってしまいました。

その後も、変わらず父のところへ通ってますが・・・・二人の間で、診断についての

話が特に出るでもなく、そして父は見た目には元気を取り戻していて

(相変わらず背中が痛いということだけはしきりに訴えるので困りますが)

何事もなかったかのように日々過ぎていっています。

 

わたしの中では、主治医に対するモヤモヤっとした感情がないと言ったらウソになる

のですが・・・

(治療をしないにしても腫瘍が大きくなっているならなぜ毎月CTを撮って経過観察

をしてくれないのか?とか、転移についての可能性を探ってくれないのか?などなど)

 

まあ、父本人は主治医を気に入っているので、このままでいいのかな・・・と

そこも努めて深く考えないようにしています。

もうここまできたら、「なるようにしかならぬ」です。

 

 

というわけで?今日は全く別の話。

実は、かれこれ2週間くらい?テレビのない生活をしています。

 

あ、正確にはテレビはあるのですが、放送を受信しなくなってしまったのです。

考える原因は・・・

 

「テレビの寿命」

「一時的な電波障害」

「ブースターの劣化」

「アンテナの異常」

 

・・・と、いくつもあったのですがこれを素人判断するのは困難です。

みなさんだったら、こういう時・・・まずどこに連絡しますか?

もうどこに連絡すればいいのか?すら、迷ったりしません?

 

テレビに原因があるのかわからないのでメーカーに頼むのも「ウーン」だったし

かといってアンテナ工事をしてくれる業者さんのアテがあるわけでもなし。

(そして、アンテナに原因があるかもわからないわけで)

こういうときは万能型が一番!と思い、

夫に頼んで、義実家ご用達の「街の電気屋さん」に見てもらうことになりました。

 

義実家は、義両親も義兄夫婦も・・・そろってほとんどの電化製品を

その「街の電気屋さん」で購入しているんですね。大型家電店へ出向いたりとか

ネットで性能や価格を比較したり・・・なんて細かいことは基本的にしません。

わたしにしてみたら、ある意味「街の電気屋さん」のお得意様になっているのって

「経済的な豊かさの象徴」なのではないだろうか?とすら思います(笑)

 

 

商品の価格だったりは確実に大型店やネットより割高ですが、その分、対応の良さや

アフターサービスの手厚さはさすがです。

 

我が家は義実家のような「お得意様」ではないので、

私自身は「すぐに来てほしい」と厚かましいことは言えない立場だったのですが

義実家では会社関係の電気製品や工事についても、その街の電気屋さんに任せており、

 

夫と電気屋さんは、仕事上でもよく知った仲なので、頼んでもらった次第です。

そしてさすが街の電気屋さん。連絡したその日のうちに様子を見に来てくれました。

 

診断の結果は、テレビも問題ない、ブースターも問題ない・・・という消去法で

アンテナの異常である可能性が高いということでした。

アンテナ自体、家を建てた時からのもので経年劣化がきているし、アンテナの「形」

自体、いわゆる屋根の上にドーンと立っている昔ながらの大きなアンテナなので

壁付けの新しいタイプのものに変えたほうが・・・という話に。

 

その場には、夫も仕事を抜けて来てくれていたので、

夫と電気屋さんの間で、「新しいアンテナを設置する」・・・という方向で

話が進んでいきました。

わたしはただそこにいて、二人の会話を聞いているだけ。

 

どんな工事になるのか?どんなアンテナがつくのか?さっぱりわからないし、

何より・・・・・

 

一体いくらかかるんだーーーー?

 

という、不安が頭の中でグルグル。

 

 

突然ですが・・・私たち夫婦の「家庭内バランス」って、

家の中のこと、99%わたしがやっているんですね。

1%はというと、週2回やってもらっている「朝のゴミ捨て」のことで、

それ以外は家の中のすべてのこと・・・・家事だけでなくさまざまな手続き関係など

ほぼすべてわたしの役目になってます。

「どうしても夫でなければいけないこと」以外は、夫名義になっていることもわたしが

代行しているといった形。

 

なので、家の中で起きた問題について、夫がこんなふうに窓口となって誰かと

話してくれるということは、ものすごく稀なことなんですね。

これはたまたま交渉の相手が、夫がよく知っている相手だからこそ成り立った構図

だったわけですが・・・・・

もしもこういう場面でわたしが横から口を出したりしてしまうと、

とたんに夫は自分の「役割」を放棄して「だったらあとはお前が全部やれ」と

丸投げしてくる可能性が大。(もともと「窓口」になるのが嫌いな人なので)

 

わたしはそんな状況になるのがイヤだったので、

工事金額のことがずーっと気になっていましたが、ここは口をはさんでは

ダメだ・・・と、あえて黙っていました(笑)

 

そのまま、お金の話は一切出ないままに夫と電気屋さんの打ち合わせは終了。

二人とも家から出ていってしまい・・・(夫は仕事に戻って)

ポツンと残された私。

 

その日の夜になって、ようやく夫がわたしに

 

「工事代、2~3万では済まないからな。10万くらいみておけよ」

 

と言ったのです。

 

じゅ、じゅうまんえん?!

 

思わず白目を剥きそうになりました・・・・。

わたしがざっくりネットで調べた相場より2~3倍は高いような・・・・。

(※あくまで10万というのは夫の予想した金額というだけです)

 

街の電気屋さんだから仕方ないのかなあ。

どちらにせよ、義実家にもお世話になっている電気屋さんだから、

今更「高い」といって断わるわけにはいきません。

高くても頼まざるを得ないことは、

この電気屋さんに依頼する時点で覚悟していたことでもありました。

 

わたしは夫婦ふたりきりになったそのとき初めて、

「昼間の会話の中で、電気屋さんとお金の話が全然でないことが
ずっと気になってたんだよ~~」

と夫に冗談まじりに聞いてみたのですが、

このとき、ふいに夫の表情が真顔になりました。

 

「そんなことは当たり前だ。

商売の話で、最初に金額を聞くのは非常識なことなんだぞ。

相手に仕事を依頼するというのは、相手を信頼しているという証。

こちらが困っているから仕事を依頼するのに、

その場で”頼みたいんだけどいくらですか?”なんて

真っ先に金額を尋ねるのは、相手に対して失礼な行為だ。

依頼されたほうは一気にやる気をなくすもの。

オレだってそうだ。”だったらよそでやってもらってくれ”と言いたくなる。

だからああいう場で金の話はするものじゃない。

それが商売人同士の常識だ。」

 

と思いのほか厳しい口調で言われて驚いてしまったのです。

 

いやいやいや・・・・危ないところでした・・・。

わたしはなんとなく二人の会話に割って入ってはいけない雰囲気を察知して

工事費について電気屋さんに尋ねることを控えていましたが、

夫的には「それが常識」だったようです・・・(汗)

あのときもしもお金のことを尋ねていたら、夫に恥をかかせるところだったわけで。

 

大規模なサービス業なんかでは、「金額を提示しない」なんてことは

もちろんありえないことなのでしょうが、

夫のように零細企業を経営している(※夫は社長ではないけれど)人達にとっては

商売はお互いの信頼関係によって成り立つもので、お金の話を真っ先にするのは

非常に失礼な行為である・・・というのは当たり前の感覚のようでした。

わたしはまったく知らなかったので、驚いてしまったけれど

同時にすごく納得させられる言葉でもありました。

 

でも、ふっと思い出すと・・・自分が仕事をしていた時に

新規のお客さんからの電話応対で、「おたくで頼んだらいくらなの?」と、

いきなり金額を聞かれるとやっぱりイヤーな気分になったことありましたね・・・。

金額だけの比較で決めるのか?って。

きっとそういうことなんだろうなあ・・・。

 

 

その後、

アンテナ工事に必要なものは2~3日後には電気屋さんが

取り寄せてくれたようなのですが、まだ工事には至っていません(汗)

それは、電気屋さんの怠慢ではなく夫の都合で先延ばしにしてもらっているせいです。

夫の仕事が立て込んでいて、工事に立ち会えないという理由で。

(※実は夫が既存のアンテナを自分で外すと言っているんですよね~)

 

なのでかれこれ2週間テレビを見れない状態が続いている・・・というわけです。

 

まあ、もともと普段からそんなにテレビを見ないので(ほぼニュースとNHKのみ)

生活に影響はほとんどなく・・・

わたしも全く困ってないので、夫の都合が合うまで気長に工事は待つ予定です。

 

ちなみに、いまだに工事代金わかってません・・・!(怖)

 

たぶん、請求書を渡されるまで金額がわからないという、

ちょっとスリリングな工事になりそうです・・・。

(もう覚悟はできている)