虚しいってこういうこと。

ブログでもたびたび触れているけれど、

我が家には今年15歳になった老犬がいる。

 

今年は愛犬にとっては波乱万丈だ。

もともと数年前から「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気で投薬を続けてきたけれど

それに加えて1月末に腫瘍が発覚して緊急手術で摘出。

そのときの検査で、腎臓に結石と嚢胞があることもわかった。

また春には、胆泥症という病気というか症状があることもわかった。
(胆汁が濃縮して変質し泥状に変性したもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態・・・だそう)

 

 

特に注意しなければならないのは腎臓と心臓で・・・

どちらも治療法はなく、投薬で進行を緩やかにするしかない。

特に腎臓についてはつい先日、血液検査の数値がかなり悪化していることがわかり

薬が追加となったばかり・・・。

「リン」という成分が腎臓に良くないので、リンの多い食材を避けることと

嚥下や胃腸の働きも若い頃に比べると落ちていることを考慮して

栄養バランスとリンに気をつけながら、

毎日フードと食材を柔らかく煮た、半手作り食を食べさせている。

腎臓数値の悪化にともなって「食材のリンを吸着して排出させるサプリメント

なるものが追加で処方されたので、これが効果があるといいなあと願っているところ。

 

そんなふうに、ひとりで愛犬の健康管理と病気の進行を抑えるための悪戦苦闘を

続けているさなかに、夫が言った。

 

「そういえば、この間受けた健康診断で肺に何か影があるって言われた
(書いてあった)ヘヘッ」

 

えっ?

大変なことじゃないか!何を笑ってるんだこの人は!

 

夫は喫煙者である。

ここ2~3年は、顕著にタバコを吸った後に良く咳込むようになったし、

夜間もよく咳込んでいる。

間違いなくCOPDだと思っている。

もちろんタバコを止めるように昔から何度も何度も言ってきたけれど、聞く耳持たず。

本人いわく

「いやオレだってタバコやめたいんだよ。でもやめられないんだ。」

らしい。

喫煙者ってこういう人多いよね・・・。

 

ある意味すごいなと思うのは、うちの父が若い頃のヘビースモーカー生活がたたって

在宅酸素になり、COPDにも肺がんにもなったという事実を知っているというのに

鼻にチューブを入れている父を見ても

「オレもやめなきゃ」とならなかったところ。

ごくごく普通の喫煙者なら、

「自分もああなるのか。タバコやめよ」って思うのではないのか?

 

話は検査のことに戻って・・・

夫によるとレントゲンに何か小さいものが映ってたらしいという。

(検査結果は見せてもらっていないのでイマイチよくわからない)

もちろん、健康診断って少しでも何か怪しい物が映ればすぐに要精密検査・・・に

振り分けられるので、多くは「なんでもなかった」のパターンとはいうものの

夫の場合、喫煙者であることを考えても

当然「肺がん」など疑っても不思議じゃないはず。

肺がんじゃなかったとしても、COPDは確実に指摘されると思うので、

お医者さんからしっかり現実を突きつけてほしいところ。

 

ところが「精密検査行かなきゃ」というわたしに対して夫が放った言葉は

 

「イヤだよ。大丈夫だよ。医者なんか行ったら絶対タバコやめろって言われるじゃん」

 

もう開いた口が塞がらないとはこのこと。

タバコをやめたいっていうのは結局口先だけのことで、

お医者さんから面と向かって

「タバコ辞めたほうがいいですよ。でないとこの先・・・」

と、現実を突きつけられるのがイヤなのだ。まるで子供である。

 

実はこの会話の翌日、愛犬が倒れるという事件があった。

倒れたと言ってもほんの10秒くらいのことだったけれど、

突然のことに血の気が引いたし、心臓発作でも起こしたのかと思った。

すぐにその日のうちに獣医さんへ行って診てもらったが、特に異常はなかったため

しばらく様子見・・・となったけれどその後、愛犬がまた倒れないかと

ヒヤヒヤしているわたし。

正直、「夫の精密検査どころじゃない」がそのときの心境だった(笑)

とはいえ、放っておくわけにはいかない。

なんとか精密検査を受けさせたいが、とにかく「めんどくさいことが大嫌い」な

人なので、単純に「検査行って来て」と言ったところで行きっこない。

 

そこで、何度かかかったことのある近所のクリニックのHPを調べた。

肺の精密検査はどうやらCT検査になるらしいということをネットで調べたので

CT完備であれば、クリニックでも精密検査が受けられると思ったし、

夫も近所のクリニックなら「しゃ~ねえなあ」と行ってくれると思ったからだ。

 

幸い、その近所のクリニックにはCT設備があることがわかったので

今度は念のためクリニックに直接電話を入れた。

検査の有無もそうだったし、予約が必要かも確認したかったからだ。

(夫に電話して聞いてみたら?なんて言っても100%しない。そこで終わる)

 

「健康診断で要精密検査と言われたのですがそちらで受けられますか?」

と電話で問い合わせると

受付の方は先生に直接確認までしてくれたようで

「こちらで受けられますよ。予約なしでOKなので健康診断の結果を持って来院してくださいね」

と丁寧に答えてくださった。

 

これを読んでいる方の中には

「え?そ、そこまでしてあげるの?」と口ぽかん・・・になる方もきっといると思う。

わたしの夫というのは、とにかくそのくらい手のかかる人なのだ。

自分では絶対に何もしない。

 

クリニックから「検査OK」の返事をもらったわたしは

意気揚々と仕事中の夫に電話をかけた。〇〇クリニックで検査してくれるらしいから

今からでも行っておいで!と。

(夫は親族会社なので仕事中に病院行くとかも全然OK)

 

結果は・・・・

 

 

見事に交渉決裂。

 

 

夫は頑なに行くのを嫌がって、

電話口での口調があきらかに「うんざり感」を醸し出していた。

 

 

なんだかもう、アホらしくなってしまった。

検査を受けることを勧めて、本人の代わりに調べて問い合わせまでしたのに

不愉快そうな声で「だから行かなくても大丈夫っていってるじゃん」と

ふてくされた態度で言われるわたしって・・・・なんなの?

なぜわたしが嫌な思いをしなきゃならないのか?

 

 

ぷっつーん・・・と何かが切れた。

もういいや、とサジを投げることにした。

だって、小さな子供じゃないのだし、まさか引きずって連れて行くわけにもいかない。

これ以上わたしが「病院行って」としつこく言えば

なんだか険悪な雰囲気になりそうだと思ったし、

そういう思いを我慢してまで、病院勧める必要あるのか?と自問自答したり。

 

そりゃ、いつまでも健康でいてほしいけれど・・・

本人に健康に気を配る気がないのなら、もうどーしようもない。

真剣に考えれば考えるほど、自分がバカを見る気しかしない。

 

 

わたしの説得に一切耳を貸さなかった夫に

病気が見つかっても、それはもうしょうがない・・・・。

 

 

わたしは目の前にいる、愛犬の健康管理と病気進行を抑えることだけで精一杯だ。

 

 

妻はもう疲れちゃったよ。