すっかりブログを放置してしまっていましたね。
しばらく英検のための勉強優先に時間を割きたくてブログお休みしていましたが
日曜日にようやくそれも終わり、やっと少しホっとできるようになった感じです。
試験直前に父の体調悪化などあったらどうしよう?と内心ハラハラしていたけれど
気が付けばもう3月。
ここ数年で、入院せずに年を越せたのは久しぶりかもしれない。
インフルエンザにかからなかったものあったけれど、
それは予防接種のおかげというより、単純にひとりでフラフラ人の多いところへ
出掛けることがなかったからだと思う。
わたしにはそのほうが安心だけれど、たぶん父にとってはとっても退屈な毎日のはず。
相変わらず週3回の通い介護は続いているけれど
わたしが顔を出すときはいつもひじ掛け付きの椅子にだらしなく腰かけて、
ボケーーーーっとした表情でテレビを見ているので・・・・
そんな姿の父を見るのは、本当はとてもつらい。
テレビを見る以外に楽しみがひとつもないわけで・・・。
もともとさほどお出かけ欲の強くない高齢者だったら「まあこんなもの」と
受け入れやすいことかもしれないけれど、父の場合はとにかくお出かけ好き。
家にじっとしているのが苦手。
若い時からそうだったから・・・「お出かけ好き」な人が年を取って思うように
外出できなくなると、これはかなりのストレスになるんだろうなあ・・・と思う。
忙しくて書けなかったけれど、2月の後半に父の定期検診があった。
いつもどおり父を自宅まで迎えに行って、わたしの車で病院まで付き合ったのだけど
待合室で一緒に待っている間、父がバッグから取り出したものを見て、
わたしは大げさでなく本気で血の気が引いてゾっとした。
それは、大手旅行社の「春の海外旅行ツアー」を特集したパンフレットだったからだ。
父の魂胆がミエミエだった。
わたしのとなりでわざわざパンフレットをこれ見よがしに開いて、
わたしが興味を示して、反応してくれるのを待っていたのだ。
父が在宅酸素になる前までもそうだった。
毎年海外旅行ツアーに行っていた父のところへは、こちらが頼まなくても季節ごとに
2~3社から旅行パンフレットが送られてくる。
元気だったころには、父のお楽しみのひとつだったし、旅行の予約をした後の父は
いつも上機嫌だったし、ツアーパンフレットを見ること自体を話題にできたので
助かる存在でもあった。
けれど、こういう身体になってしまった今となっては・・・・
旅行パンフレットは目の毒でしかない(汗)
以前は、父がわたしにパンフレットの1ページを見せて、
「〇〇に行きたいけどどう思う?」とわたしに意見を求めてきて、
それを受けて調べ魔のわたしが
「そこだったらもっと別のツアーでお値打ちなのがあるかもよ?」と
ネットで手際よく探してあげる・・・というのが定番パターンだった。
父は今回もそれを期待していたのだ。
病院の待合室でパンフレットを開いて「う~ん、このツアーいいなあ」などと
わたしに聞こえるように言う父は、間違いなく以前のようにわたしが話に食いついて
くれることを期待しているとすぐにわかった。
けれど以前も書いたけれど、もう海外旅行は現実的に無理な話。
(※行こうと思えば行けるけれど、飛行機の搭乗は同行者が必須という高いハードルがあること、海外での酸素ボンベの手配など、煩雑な手続き的なことを考えると無理)
父はわかっていない。
いや、わかっていないんじゃなくて、
たぶん「でも娘だったら何か方法を考えて手配してくれるんじゃ?」と
まだ淡い期待を寄せているのだと思う。
待合室でパンフレットを開いて時折わたしに「このツアーいいなあ」などと
話を振ってくる父に対して、わたしは絶対に「パンフレットを見るまい」と
妙な固い決意のもとに、父の話を興味なさげにスルーしてしていた。
父は30分ほどパンフレットを見ていたのち、わたしが興味を示してくれないことに
落胆した様子ですごすごとパンフレットをバッグの中にまたしまい込んだ。
とてつもない罪悪感を感じたけれど、でも無理なものは無理なので・・・
あきらめてもらうしかない。
国内だったら、酸素ボンベも難しくないので、
もう海外旅行は卒業ということで、きっぱり自分の中で納得して欲しいのが本音。
父には3年ほど前に海外ツアーで知り合った、一回りほど年齢の若い「旅友」がいる。
その知り合ったツアー以降、2度ほど同じツアーに一緒に参加するなどしていて、
LINEも交換する仲である。
その旅友さんから、どうやら最近行った海外の写真が送られてきたり、
今年は〇〇と××へ行きますよ、という
父にとってはうらやましくて仕方がないであろうワクワクするような話を
LINEで聞かされたらしい。
おそらく、急に父がパンフレットを見始めたのは、それに触発されたのだろう。
その人からのLINEも父は見せてくれる。
以前は「どれどれ?」と興味深く見せてもらっていたけれど、今となっては
「海外旅行の予定の話は(本当は行く予定があっても)控えてくれないかな・・・」
などと、つい勝手なことを思ってしまう。
その人に悪気はないのはわかっているし、
在宅酸素患者が海外へ行くことの難しさを理解していないのも仕方のないこと・・・。
「〇〇さんもまた一緒に行きましょう!行けますよ!」と、
父のことを励ましてくれるのはありがたいけれど、
その言葉は父にとっては酷な話で、「海外に行きたいけどいけない自分」を思い知って
落ち込ませることになってしまう。
つい最近も、
父を訪ねたときに郵便受けにまた新しい海外旅行ツアーのパンフレットが
届いているのを見つけた。
わたしは、父に見せたくなくてそっとそのまま自宅は持ち帰ってしまった。
日に日に暖かくなり、外出しやすい気候がやってきた。
これからの季節、
父のお出かけ欲をどこまで満たせるか?が、大きな課題になりそうだ。