もはや1泊旅行ですら大ごと。

先週末から帰省していた息子が、独身寮へと帰っていき、

またいつも通りの日常が戻って来た。

強がりでもなんでもなく、本当に心底ひとりでいることが好きなので、

息子がいなくても全く気に留めないのだけど・・・なぜだろうか?

いつもいつも見送る時だけは、鼻の奥がツンとする。

学生時代は、アパートに戻っていくときには

「ちゃんと栄養取りなさいよっ」とか「ちゃんと部屋掃除しなさいよっ」とか

どうでもいいようなことを言ってたのに、今回に限っては

 

「がんばるんだよ」

 

だなんて言ってしまった。

その言葉を自分で言っておいて、言ったあとに涙が出そうになった。

 

 

そんなこんなで・・・・また父のもとへ通うだけの日々が戻って来た。

あ、もちろんGW中も1日おきペースで通っているけれど。

 

例の突発的なじんましんも、無事に治まってやれやれ・・・なのだけど、

実は別のやっかいな問題が控えている。

 

それは、「父を旅行に連れていく」というタスクだ。

 

まだ、父には言ってない。

言ってしまったらもう、父の「出かけたい衝動」を抑えきれなくなるから。

水面下で兄と話している段階だけど・・・実はわたしはあまり乗り気じゃない。

 

今の自分はもう、感情を「無」にして、

父の身の回りの世話をするという日常のルーティンをこなすだけで

気持ちがいっぱいいっぱいで

(※父とこれ以上距離を詰めるとメンタルが持たないから)

そこへ、「父を喜ばせてあげる」という更なる親孝行なサプライズを上乗せするだけの

余裕がないというのが本音なのだ・・・。

 

もちろん、旅行については基本的に「兄が担当する(同伴する)」という話で

進んでいるので、わたしは行かなくてOK。

 

でもねー。

完全に「分業」として、「日常の世話はわたし」「旅行は兄弟」と

役割分担をわけて、わたしがノータッチでいられるならベストなのだけど、

なんだかんだとおんぶにだっこ・・・肝心なところは二人とも結局わたし頼み・・・

というところがものすごくイヤなのだ。

 

たとえば、兄は「障害者手帳でどんな割引が使えるか」ってことはせっせと調べて

いるけれど、わたしに言わせたら真っ先に調べるべきはそんなところではなくて

 

「酸素ボンベつきの旅行はどういう段取りが必要になるのか?」

 

って、そこなんだよ、そこ!!!なのだ。

 

1週間ほど前に、兄とLINEで旅行について会話したときにも、

兄ときたら、「ボンベは何本持って行けばいいの?」とわたしに聞いてくるほどに

在宅酸素を理解してなくて閉口した。

 

私「ボンベは往路の分だけでいいんだよ。宿泊先と翌日の分は酸素屋さんに手配してもらうから」

兄「あ、そうなんだ?こっちからホテルに送るのかと思ってた。」←いや、そのくらいネットで調べてよ。

私「違う違う。行く前に事前に主治医に指示書を書いてもらうんだよ。それがないと

宿泊先にボンベを手配してもらえないから。

直前とかではダメみたいなので、たぶん旅行の2週間くらい前とかに。

あと宿泊先が酸素発生装置を置かせてくれるか?も事前に問いわせしておかないと。」

兄「へー。結構めんどくさいんだね。」

私「そうだよ。旅行を計画してるなら、今月の定期検診のときに、ついでに

酸素屋さんに渡す指示書も先生に書いてもらうので、

検診の2週間後くらいに旅行日を設定してほしい。」

兄「それは絶対必要な手続きなの?必要本数うちから持参して旅行しちゃダメなの?」

私「別にそれでもいいけど、ボンベ2日分持って歩くってすごい荷物になるよ?

車で行くならいいけど・・・」

兄「ああそういうことか。ボンベ1本で何時間もつの?」

私「大きいボンベなら3Lで6時間、1Lなら18時間」

兄「いま何L吸ってるの?」

 

次から次へと質問攻めで・・・

 


もうこのあたりから、だんだんとわたしのイライラがMAXになってきた。

どれもこれも、これが初めての話じゃない。前にも話したんだよ、わたしはー。

たぶんそのときは「へ~」って聞き流してたんだよね・・・。

自分たちが覚えておく必要のないことだったから・・・。

と。

 

兄は「父を旅行に連れて行くよ」とは言ってくれるものの、

ネットで調べればわかるような「在宅酸素の人が旅行に行くときの注意点」的なこと

をなーんにも調べてすらいなかったとわかってガックリきた。

 

心狭いとは思うけど、「妹に聞けばわかる」じゃなくて、

もう私の手を一切煩わせてほしくないのだ・・・。

 

あまりトゲのある態度は取れないので、グっと堪えて

「わたしもネットでしか調べていないので、具体的なことわからない。

詳しいことは直接酸素屋さんに電話して”自分で”問い合わせて。」

と父の担当の人の電話番号を教えた。

 

ただ、実際のところは兄に対して腹を立てたというより・・・

たぶんわたしは、在宅酸素の父を旅行に連れていくということの大変さを考えると

とても自分が「わたしは一切関与しません」では通らない気がして・・・

そこからもう逃げたい気分だったのだと思う。

 

①主治医に許可をもらい指示書を書いてもらう

②宿泊先に酸素発生器の設置が可能かどうか?を事前問い合わせ

③酸素屋さんに酸素発生器&翌日分の酸素ボンベのホテルへの配達を頼む

④当日分の酸素ボンベ2本は必要(1本は本人、1本は兄が運ぶ)

 

ネットで見ていると「在宅酸素でも旅行は可能です!」みたいに推奨してくれている

けれど、それは家族による入念な準備とサポートあってこそ・・・だ。

 

 

そして実は・・・まだ兄には話していないけれど(今夜話す予定)

わたしの中で、もうひとつ大きな懸念がある。

 

それは、父の体力問題

父は過去のブログでも書いている通り、

本当に旅行が好きで好きで好きでたまらない人だったので、

今でも旅行に行きたくてうずうずしている。でも、さすがにもうひとりでは

旅行に行けないということは薄々感じているようで

娘や息子たちがお膳立てしてくれることを今か今かと待っている。

 

なので、「旅行」の話をすれば、飛びついてくることは200%確実だ。

けれど・・・それは父が自分の身体のことを冷静に判断してのことじゃない。

「行きたい」気持ちが前のめりになってるだけのこと・・・。

 

わたしの目からみて、父の体力は去年とは比べ物にならないくらい落ちている。

なぜなら、最近ではもう定期検診に付き添って、

病院へ行き、診察を受け、帰りにスーパーへ寄って買い物をして帰宅する・・・という

時間にしたらせいぜい2時間くらいの行程でも、

ハアハア息を切らして(もちろん酸素は吸っている状態で)

「疲れたなあ」と口にするようになってきたからだ。

 

とてもじゃないけれど、以前のように観光であちこち歩き回るということは

現実的にもう無理だと思う。しかも手ぶらではなく、酸素カートつきだし。

 

だから、父を旅行に連れていくとすると、公共交通機関の乗り換えや待ち時間ひとつ

とっても体力を相当に奪うに違いないと思っている。

そして、観光地でも「車いす」の助けを借りないと無理だとも・・・。

 

そうなると、新幹線や電車ではなく、

もう最初から車での旅行にしたほうがいいのでは?と思うわたし。

予備のボンベと、父の分の荷物をもって歩く兄の体力的負担を考えても。

そして車椅子も現地で調達するのではなく、軽量なものを1つ購入してしまい、

車に積んで好きな時にサっと使えるくらいにしてしまったほうが

お互いに楽だと思うんだな・・・・。

(車椅子なら、父は酸素カートも引かなくていいのでより体に負担をかけずに

観光できるわけだし)

疲労」は相手に対する思いやりを奪って、ギスギスした空気を作りかねないし。

 

・・・と、自分が同伴するわけではないのに、結局こうやってああだこうだと

考えてしまうの良くないわ・・・(汗)

 

 父を旅行に連れていくならこの体制がベストだと思っているけれど・・・

問題がないわけじゃない。むしろ問題はいくつかある。

それを今夜兄と話して、どうするか?決めることになると思うのだけど・・・

 

正直、ここまでして父を旅行に連れて行かなくちゃいけないのかな?と

日々の生活を普通に平穏に暮らせるように整えるだけじゃダメなのかな?と

冷静にこの状況に疑問を感じている自分がいる。

 

なぜなら、父には絶対に「満足」がないから。

これだけ子供たちがあれこれ手配して実現させる1泊旅行が成功したら

たぶん

「次は〇〇に行きたい」

「その次は海外に行きたい」

と、父の欲求は絶対に止まらないから。

 

まあ・・・・兄が「連れて行ってやる」と言う限りは任せたらいいのかな。

 

とりあえず、今夜話し合いだ。