通い介護の年末年始。

年末年始・・・兄と弟が実家に帰省してくれるので、きっとわたしはラクができるは

ず・・・と思っていた。

が、実際にはとっても微妙なお正月になった気がする。

まず、兄が30日に帰省してくることになっていた。

 

兄は新幹線と在来線を乗り継いでやってくる。

以前も書いたけれど、最寄りの在来線駅から実家まではバスも通っておらず

非常にアクセスが悪い。(田舎特有)

去年までは父が駅まで送迎をしていたけれど、駅までは10キロ・・・と、

結構な距離がある。

今はもう極力父に車の運転をさせたくないので、

年末のクソ忙しい時だというのにわたしが兄を迎えに行かねばならない時点で、

「あ~・・・めんどくさ・・・」という気持ちになってしまった。

 

兄は運転免許証は持っているけれど、その免許証はほぼ身分証明書と化していて

もう10年以上車を運転していないペーパードライバー。

だから、実家へ行ったあとの「買い物」も、兄には頼めない。

そして、父にもやっぱり運転させたくない(汗)

・・・・ということで、

自分の家のお正月の買い物だけでも大変なのに実家のお正月の買い物のために

兄を車に乗せて一緒にスーパーまで行くという、めんどくさい×2倍なことになった。

父から、「あれを買ってきて」「これを買ってきて」と、

LINEで食べたいもののリクエストが随時入るので、お目当てのものを探しながら・・・

実家には日頃父が食べる”ちょっとしたもの”しか置いていないので、

兄弟のおやつや飲み物なども含めて、

三が日滞在するのに合わせた食料品、買い物カゴ4つ分も購入することになった(汗)

 

なんだか、兄が来たというのにちっとも楽が出来ていないじゃないか・・・

 

という感情がここでフワっと湧き上がったけれど、

ここさえ乗り切れば、あとは楽ができるはず、と自分に言い聞かせた。

 

時間はちょうどお昼ごろだったけれど、わたしはとっとと自宅に戻りたかったので

昼食は同席せずに、兄と買い物を実家へ届けると、「じゃあわたしはこれで!」と

さっさと実家を後にした。

 

そして明けて元旦の夜・・・。

元旦は毎年毎年、午前中に義実家を訪問して午後には義実家と一緒に初詣、

そして自宅へいったん戻ってわずかな休憩時間を取った後に、

夜は実家へ行ってすき焼きをふるまう・・・というハードスケジュール。

2日間に分けたらラクだけれど、「面倒は1日にまとめたい」方針から

元旦のうちに一気に終わらせるようと毎年頑張っている(笑)

その実家で食べるすき焼きは・・・・毎年うちがブランド和牛肉はじめ

材料一式をそろえて、わたしが準備から調理まで担当、片付けまで

当たり前にやっている。

ちなみに牛肉代を含めた材料費は約3万円である。

けち臭い人間と思われてしまいそうだけど、

年末、さんざん忙しく動き回った主婦なのに、元旦早々、実家ですき焼きを

自腹でふるまわなければいけないこの習慣は毎年納得がいかない気持ちになる(笑)

 

特に今年は・・・

「これまでの3か月のわたしの頑張りを、実家家族からねぎらってもらっていいくらいのはずなのに、結局例年どおりわたしがごちそうしてるって、どういうこと?」

と人間が小さいのでどうしてもそういうドス黒い感情は湧き上がったりした。

 

そして、その思いは元旦にわたしの夫と息子同伴で、実家を訪ねてみたときに

さらに大きくなった。

まず、兄が30日に帰省してきたとき、「洗濯はお願いね」と言ってあったのに、

父の洗濯物がいつもどおり、カゴの中にあったことだ。

思わず兄に、

「え?これお父さんの洗濯物?」と尋ねると、

「ああそうだよ。自分の分はちゃんと自分で洗ったから」

と、びっくり仰天な返事が返って来た。

 

は?

 

どうして父の分も一緒に洗ってくれなかった・・・?

わたしが「洗濯お願いね」と、言ったのをどういう解釈でそうなったかわからないが

 

どうやら兄は「自分の分は自分で洗う(妹に迷惑かけない)」と解釈したようだった。

年明け早々ドっと疲れた・・・・。

文句いうのもイヤだったので、いつもどおり父の洗濯物は持ち帰ることにした。

 

洗面所の前でそのやり取りをして、リビングのドアを開けた瞬間・・・

そこには驚きの光景が待っていた。

 

なんと、

 

ファンヒーターと、石油ストーブが置いてあるのだ。

 

そして、石油ストーブのすぐ横で、父が酸素を吸っている・・・!

 

「ちょっと何これ?
なんでストーブなんて置いてるの?!」

 

と、さすがに怒りを込めて叫んだ。

 

すると、兄も弟もキョトンとした顔で、

「この部屋、台所まで開け放つと
エアコンだけじゃ寒いから。」

と悪びれもせず答える。

 

実家は古い家なので、8畳のリビングと、6畳のダイニングキッチンが

引き戸で区切られている。

普段はエアコンの効きをよくするために、引き戸をしめきって、父はリビングだけで

過ごしているが、お正月・・・わたしたち家族が来るときには

この引き戸を取り外して、14畳のつながった空間にして過ごしている。

去年まではエアコン+石油ストーブを使っていたが、

父が在宅酸素になった今年は、火気厳禁なので、ストーブは使わせていなかった。

 

それを、いい歳をした兄弟そろって

ファンヒーターと石油ストーブ、2台も2階から降ろしてきて使っていたわけだ。

 

「何やってるの?酸素は火気厳禁なんだよ?

酸素から最低3mは離れないと使ったらダメなんだよ?だから使ってなかったのに、

どうしてこんなところで使ってるの? それも2台も!

危ないじゃない!すぐ消してよ!」

 

と、さすがに声を荒げてしまった。火災の恐れがあるんだから当然だ。

 

すると、兄も弟も

 

「え、そうなの?知らなかった」

 

と、バツ悪そうに慌てて火を消して、ストーブを廊下へ撤去したが

この時わたしの頭に浮かんだ言葉は

 

 

ったく、使えねーな。(;一_一)

 

だった。(下品でごめんなさい)

 

父が在宅酸素になって、介護認定を受けることになったとき、

何も知らずに「介護認定ってどんなもの?」という初心者レベルの質問を

わたしに何度も浴びせてくる兄弟にイラ立って、

「直接協力できなくても、在宅酸素と介護認定について、

わたしが一から説明しなくても話が通じるように、

自分たちでネットで調べてちゃんと中身を勉強してほしい。」

と、頼んだはずだった。

二人とも、「わかった。勉強します」と言ったはずだった。

 

それなのに、こんな初歩的なことすら知らないってことは・・・・

あのときの「勉強する」は口先だけで、何一つ自分たちで知ろうとしてなかったって

ことだな・・・と、そういう意味でも年明け早々激しく脱力した。

 

ちなみに、このストーブは年末、兄弟が2階で暖を取るために使っていて

(火気から3m以上離れていればOKと言われているので、2階で使う分には問題ない)

私たちの訪問にあわせて居間に設置したばかりだったそうで、

ほんの30分ほど使っていただけだったそう。

でも、一歩間違えたら火事&父の大やけどにつながっていたかもしれないので

本当に危険な行為だったと、今でもゾっとする。

 

そうして、年末の実家の買い物から元旦のあんなことこんなこと・・・。

 

なんだか、兄弟が来たからと言って、あまり自分の心身がラクになった・・・

助けられた~という実感のないままにお正月は過ぎた感じ。

 

そして、父は・・・というと、

わたしの夫や息子の前で酸素を吸っているのがイヤだったのか、

二人が来てしばらくすると、いつものように酸素を外してしまい、

平然と酸素なしで食卓につき、すき焼きをほおばり、

食事が終わった後も、ずーっと酸素をつけずにくつろいでいた。

(しっかり見張っていたので知っているけれど、約2時間は酸素ナシだったよ・・・)

 

この姿にも、なんだかな・・・とため息が出た。

もう酸素のことは気にするまい、と思ったけど、なかなか難しい。

 

なぜなら、酸素を吸わないことを誰からも咎められないせいで

どんどん行動が大胆になってきているからだ。

見ているところで、こんな感じなのだから、

ひとりでいるときなんて、体感的に「息苦しいな」と思う時しか

酸素吸ってないんじゃないかと思った。

さりげなく、兄弟に「ちゃんと酸素吸ってた?」と聞いてみると

 

「うーん、半々くらいかな。言っても逆ギレするだろうから知らん顔してたけど。」

と兄。

 

半々くらいって・・・・寝るときは確実に酸素を外してるのだから、

これもう24時間中、

酸素を吸ってる時間<酸素を吸ってない時間

になってるでしょ・・・・絶対。

 

・・・っていうか、日常的に顔を合わせなければいけない私とは違って

自分たちはイヤなことがあってもまた何か月も顔合わせなくて済むのだから、

「酸素ちゃんとつけなきゃだめだよ」って2人で言ってよ!

2人で声をあげたら言えるでしょ?本当にもう・・・。

 

 

(使えねーな・・・)

 

という言葉がやっぱり浮かんでしまう。

 

微妙なお正月になった。

 

今年も前途多難の様相。

そして、新年早々やってしまったんですよ・・・。(わたしがね)

 

それは次回に。