暴走する爺さん。

2週連続で、スタバに連れて行ったことで、

「土曜日は配食サービスが来ないほうが都合がよさそうだな」

と思ってしまったらしい父は、今週から土曜日のお弁当を断ってしまった。

 

はじめは気に入っていた配食サービスだけど、

たぶん、それ自体に飽きてきたのもあるのだと思う。

でも、そこは絶対につついてはいけないポイントなので

あえてスルーしなければいけない(と学習した)。

配食サービスのことを言及してしまうと

「おいしくない」「最近質が落ちた」とか、

不平不満が飛び出すに決まっているからだ。

食事については、ほかに選択肢がないのだから納得してもらうしかない。

 

そんな状況で文句を言われても、こちらが不愉快な思いをするだけのことだし。

これが、何でもおいしいおいしいと食べてくれるような人だったら

わたしが時々、おかずを多めに作って届けてあげようっていう気にもなっただろうに。

ケチつけられるのがイヤだから、

ずぇ~~~ったいに父の食事は作らないと固く心に決めているわたしだ(そこまで?)

 

今日もそんなわけで、午前中に父のもとを訪ねたのだけど

「昼ごはんが来ない」と分かっている状態なので、どうも雰囲気的に

「どこか食べに行く?」とこちらから誘ってあげないといけないような空気に・・・

父はわたしの言葉を待っていたかのように、うれしそうに

「ずっと刺身を食べていないから回転ずしがいいなあ」

と言うので、連れて行ってあげることにした。

 

しかし、「100円の寿司はうまくない」と贅沢なことをいうので

「皿の色によって値段の違う」ちょっとお高い回転ずしへと連れていくことに。

 

ちなみに、父が病院を退院した日にも回転ずしに連れて行ってる。

が、「あそこは米がまずかったからよくない」と瞬殺されたので、

ほかのお店を探すことに・・・。

もうこれだけでも、父と外食するのがどのくらいめんどくさいかがわかると思う。

 

スマホで「100円じゃない」ほかの回転ずしを検索して、

ドキドキしながら連れていく。。。

みそ汁 → うまくない。

中とろ → 水っぽくてうまくない。

しまあじ → これはまぁまぁだな。

ぶり → 脂がのってないからうまくない

鉄火巻 → わさびが少なすぎる。

えび → まずい。

 

・・・あとは忘れたけれど、まあこんな感じ。

別にわたしが作っているわけじゃないけれど、せっかく連れて行ったお店の食事を

こんなふうにいちいち文句つけられるのは本当に萎える・・・。

ちなみに、わたしはどれもこれもおいしくいただいた。

(さすが100円じゃない回転ずしはおいしいなあ~~と思いつつw)

たぶん、夫や息子と来たら

喜んでガツガツ食べただろうレベルのおいしさだったのに、

父にかかるとこんな辛口評価になっちゃうと思うと・・・

ほんっと連れて行き甲斐がない!

 

・・・と、今日もまたボヤいているわたしだけれど 

実は、今日のハイライトはこのお寿司じゃなくて、

帰りに寄ったスーパーでの出来事だった。

 

 

駐車場に車を停めて、一緒にスーパーの入り口まで歩いていく途中・・・

何気なくふと父を見たわたし。

 

そして、

 

(;゚Д゚) (゚Д゚;)え?

(;つД⊂)ゴシゴシ

(゚Д゚)・・・は?

 

まさかの二度見からの・・・・・

 

私「お父さんっ!酸素はっ?!」

 

なんと、父は手ぶらでわたしの横を歩いていたのだ。

 

父「車に置いてきたよ(ケロリ)。」

 

平然と言い放つ父。全く悪びれもせず。

 

以前にも書いたとおり、父は今月に入ってから、勝手に酸素を外すようになった。

当初はそのことが許せなくて、それでわたしがひとりストレスを抱えていたけれど

酸素の吸入についてわたしが言及すると、

父はとたんに逆ギレするのがパターン化されてきたので

自分がイヤな思いをするだけだ・・・とあきらめ、

今はもう、父が酸素を外していてもスルーする・・・・と、自分の中で決めている。

 

でも、その「酸素を勝手に外す」問題は、

とりあえず「家の中だけ」とか「座っているときだけ」「夜寝るときだけ」と、

安静時が多かったので、渋々見逃すこともできたけれど・・・

 

こうして、スーパーへの買い物に手ぶらで堂々と歩いてくるのはどうなのか?

 

おいコラ、ちょっと待て!(。-`ω-)

 

と、言いたくなる。

もちろん、ここで本気で注意すると、また逆ギレされるのがオチなので

完全に自分のメンタルを守るために、それ以上何も言わなかったけれど・・・

はらわた煮えくりかえる思いだった。

父はわたしが何も言わないのをいいことに、鼻歌交じりでウキウキしながら

30分ほどの店内をぶらぶら歩いて、買い物を楽しんでいたが

わたしの心の中はモヤモヤがおさまらなかった。

 

在宅酸素については、「酸素を外したらとたんに呼吸困難になる」とか

そういうわけではない。

(もちろん、医師から指示されている吸入量の多い重症患者の方の場合は、
酸素なしでは息苦しさが強く出たりすると思います。)

こんなことを書いていると「なんだ、実はたいしたことないんじゃないの?」と

誤解されるといけないので、改めて書いておくと

父の場合は低酸素状態に慣れすぎてしまって、

普通の人より息苦しさを感じにくい身体になってしまっているだけで、

酸素なしでフラフラ歩き回っていい状態では決してない。

父は安静時(座っているだけ)で、酸素なしの血中酸素飽和濃度は

だいたい88~87しかない。(健康な人で96以上)

なので、酸素なしで歩くと軽く80くらいに落ちてしまう。

しかし訪問看護師さんが「ダメですよ」と、酸素吸入の重要性を伝えても

「息苦しくないからOKなんだ」という持論で聞く耳を持たないので、

ほんっとにこの点は制御不能になってしまっていて、

わたしは完全にさじを投げた形なだけ。

 

父のことを見て見ぬふりをしてしまったので、

(注意したところで言うこと聞かないし)

買い物のときに、父と険悪になるようなことは一切なかったけれど

ただただ、わたしはひとりモヤぁ・・・・・っとしていた。

 

だって、

もう何度も言いたくないけれど、入院中から退院まで、退院してから今日まで

介護認定だの、障害者手帳の申請、訪問看護の手配ににヘルパーさんの依頼・・・

そしてわたしが1日おきに通っていること・・・などなど

 

在宅酸素になった父が、

できる限り今まで通りの一人暮らしを続けられるように・・・

と、ここまでいったいどれだけの人が父のために動いてくれているか、わかってるの?

って言いたくなるよ・・・こんなやりたい放題の父の姿を見せられたら。

 

わたしが退院と同時に父の洗濯やゴミ捨てを引き受けることにしたのは

ちょっと外へ出るのに、いちいち酸素を室内装置から

携帯用へ付け替えなければいけない生活はさぞ気が重いだろうに・・・

片手に酸素、片手にゴミ袋・・・とか、

片手に酸素、片手に洗濯カゴ・・・とかも

さぞ身体にも精神的にも負担に感じるだろうに・・・と、

父を思いやってのことだったんですけど。

父の買い物をしてくるのだって同じ理由(車の運転をさせたくないのもあるけど)

掃除だってそう。(現在はヘルパーさんにお願いしているので掃除はしなくてOKになった)

 

わたしが父の家事を引き受けて週3~4日通ってあげているのは、

常時酸素をつけて動く父には家事は大変だろうと気遣ってのことなんですけど?

 それを

 

「酸素なしでも息苦しくないし、ヘーキヘーキ」って好き勝手にやるなら、

 

もうゴミ捨ても洗濯も、
自分でやったらいいんじゃない?
できるんじゃない?
酸素なしで動けるっていうんだから?

 

・・・と、さすがにそんなドス黒い感情も湧き上がってしまう。

 もちろん、努めて冷静にしてたけど・・・。 

 

父は、買い物を終えて車に戻ると、また酸素を吸い始めた。

まあ、普通に考えて30分も酸素なしでフラフラしてたから息切れしたんだと思う。

しかし、なんだかなあ・・・・である。

スーパーは人が多いから、酸素カートを引いてる姿を見られたくなかったのか?

父の本音はわからない。

 

 

父のやりたい放題には困ったもので・・・

おそらく、今の小康状態が続けば来年はもっとエスカレートしそうである。

 

今日のこの、スーパーでの行動を見て頭をよぎった不安は

来年の春あたり

「体調もいいことだし、旅行に行ってくるよ。
酸素?一応持って行くけど、呼吸が苦しい時だけ吸う感じにすれば
余分に持って行く必要もないし、別に先生の許可をもらう必要もない。」

と、言い出しそうなことだった。

 

 

父の体調不良だけで済むことは自己責任だからと知らん顔もできるけれど

無茶な旅行計画となると・・・旅先で万が一倒れるなど・・・

周囲に迷惑をかけることが予想されるような「父の思い付き」は、

さすがに逆上されようとも阻止しなければいけない。

 

そういう恐ろしい予感を感じさせるあたり、

今日の父の行動は、来年に向けての新たな”不安の予告編にも見えてゾっとした。

 

どうかどうか、父がこれ以上暴走しませんように。

”わたしが”平穏でいられますように~。