ここ数年で一番キレた理由は。

わたしは普段、ほぼ怒らない。

不機嫌になることもあまりない。

基本的に平和主義なので、場の空気が悪くなることに耐えられず

すごく嫌だなと思っても、我慢してしまうことのほうが多い。

 

最後に怒りでワナワナしたのはいつだっけ?と振り返ると

おそらくそれは父の介護中のことだったろうと思う。(父のわがままに対して)

 

そんなわたしが、夕べ久しぶりにキレた。

自分でもはっきりとそれを自覚した。

理由は本当に些細なことだった。

 

 

夫がお茶を床にこぼした。

 

・・・と、言葉にすると「そんなことが数年1度レベルの怒りになるの?」と

呆れられそうだし、自分でも自分のキレっぷりに驚くけど。

 

夕べ、夕飯後に夫が自分でコップになみなみついだお茶を

うっかり床にコップごと盛大にぶちまけたのだ。

フローリングであれば、そんなに大したことではないかもしれないけれど、

我が家のLDKはタイルカーペットが敷き詰められている。

だから「床を拭いて終わり」ではない。

 

タイルカーペット4枚分くらいに大きなほうじ茶の茶色いシミができた。

 

水ならいいけれど、お茶はふき取るだけではシミになって残る。

 

普段、常に偉そうにしていて

何があっても絶対に謝らない夫が、こぼした瞬間にまるで子供のように

 

「あ!ごめんなさい!」と謝ってオロオロしている。

 

もう怒りで頭が真っ白になった。

なぜそんなに頭に来たのかといえば・・・

たぶんそれは、

「夫にはこぼしたお茶をシミが残らないようにきれいにすることができない」

ということが、わかっていたからだと思う。

これ、本人が自分で掃除することができるなら「バカだねぇ」で笑って終わる話だ。

でもそうじゃない。夫は「ごめんなさい」というだけ。

掃除するのはわたし。

そのことに猛烈に腹が立ってしまったのだと思う。

 

そもそも、「ごめんなさい」の言葉が全部を表しているよね。

だって、こぼしたのがわたしだったとしたら、わたしが夫に謝るわけないもの。

後始末するのは自分だから、自業自得な気持ちになるだけ。

 

それを・・・夫が謝る時点で、後始末は私の仕事と思ってるってことよね。

手を煩わせてごめんなさい、ってことだ。

 

もちろん、

「このぞうきんを使って、お茶の染みたタイルカーペットに

水を少し含ませて、お茶ごと吸い取って、それを何度も繰り返して、

最終的にからぶきして・・・・。使い終わったぞうきんはここに、こうして干して」

 

など、何から何まで指図したらやっただろう。

でも指図しないとできない事実がさらにわたしを苛立たせた。

そして、掃除の仕方も知らないから、

そのテキトーな仕上がり自体、決してわたしが満足するものではなかっただろう。

そうなるともう、「もう!わたしがやるからいい!!」ってなっちゃうのだ。

主婦って損だなと思う。

 

ちなみに「キレた」と書いているけれど、

実際にはわたしは怒鳴り声ひとつあげていない。

出たのはため息だけだった。

上に書いたようなことが一瞬で頭の中を駆け巡り、

怒っても無駄だし、よけいに腹が立つだけだとわかっていたので

自分の怒りを抑えるべく、あえて何も言わず・・・終始無言を貫いた。

ヒステリックにわめきたくなかった。

 

でも、それが夫にはむしろ堪えたようで

後ろで夫がオロオロしながら「ごめんなさい、これはほんとにごめんなさい」

としつこいくらいに謝っている。

 

「無言」のパワー・・・・すごい!と思った。

 

でも、「ごめんなさい」のリピートがもうイライラする。

なので、たまりかねて

 

「もういいから!早く二階(寝室)に消えて!」

 

と言ってしまった笑。(結構ひどいよねw)

 

目の前からいなくなってほしかった。頭に来るから。

 

なぜたかがコップのお茶をこぼした程度でこんなに怒りがこみ上げるのだろうと

自問自答して見たけれど、やっぱりそれは

「家の中のことは何一つできない。汚したタイルカーペットひとつきれいにできない」

という夫の家事スキルのなさに怒りと情けなさを猛烈に感じたのだと思う。

 

あとは、日ごろの小さなストレスの積み重ね。

夫の好き勝手な言動に合わせて我慢している自分。

そして、わたしが黙って合わせてくれていることに気づいていない夫。

家の中のことが、自分は何一つしなくても循環していることを

当たり前と思っている夫。

 

それがたまりにたまって爆発した形と思う。

 

もう怒りはとっくに静まっているけど・・・

 

床の掃除ひとつまかせられないなんて。

この家は、わたしがいなかったらきっとあばら家のごみ屋敷になるだろうなあ

なんて思った。

 

それでも、自分がお気楽専業主婦をしていられるのもまた、

夫がせっせと仕事してくれているおかげなわけなので・・・

こはちゃんと感謝しなければいけないポイントであり

 

つまり、やっぱり夫婦って補い合っているということでもあり・・・

 

それでも、妻ばかり我慢して遠慮して、

損しているように感じてしまうのはなぜだろう?

 

 

とにかく、この「お茶こぼし事件」は、

たぶんわたしの中でたまりにたまった

小さな不満のダムを崩壊させたんだろうなと思う。

 

おかげで少しすっきりしたかもしれない。