キャンセルの理由。

2軒目の歯医者をキャンセルしようと思ったとき、キャンセルした直後、

あれほど入念に調べて選んで行ったはずの歯医者なのに

またキャンセルする自分・・・・。

これじゃドクターショッピングじゃん・・・と、さすがに相当自己嫌悪したのだけど

でも、日が経つにつれてそんな意識は薄らいできて

むしろ「キャンセルして正解だった!」に変わってきた。

 

長くなると思ったので、前記事には理由を書かなかったのだけど

改めて書くと・・・。

 

まず自分の主訴だった「前歯の欠けの修復」については、

保険診療でやるということになった。(ホッ)

 

気になっていた神経のない前歯についても、

「特に問題もないし、変色もないので無理にセラミックに置き換える必要はない」

という先生の意見だったので、これにも安堵。

 

この時点では、《いい先生だな~ここに来てよかったな~》と思っていた。

 

そして、初診ということもあって

この日はカウンセリングとクリーニングだけで終わる予定だったのだけど

クリーニングが終わったところで、カウンセリングルームに呼ばれて

なんと先生とテーブルをはさんで一対一で話すことになった。

 

経験あります?歯医者さんと、診察台ではなく別室で話すって?

 

うわ~~~~なんて丁寧な対応なんだろう・・・・!ってここでも感動。

 

そして、ここで先生から言われたのは・・・前歯の治療について・・・

先生によると、わたしの場合、奥歯に詰め物や被せ物がたくさんあるので、

それが前歯のかみ合わせに影響してすり減らせている可能性が高いと。

なので本来なら、

前歯を治療してもまたすぐに同じ問題が起きるから

奥歯のかみ合わせ治療をしたほうがよい・・・と、そういう話だった。

 

わたし、今でこそ・・・歯に対して意識高い系な人になっているけれど

実は子供時代から結婚するまでくらいは、虫歯治療を何度も何度も受けている。

そのせいで、奥歯は上下8本くらい、全部詰め物と被せ物が入っている状態。

(なので前歯は何もないけれど、口を開くとキラキラしてる)

 

先生によると保険治療の銀歯は経年劣化ですり減るし、

かみ合わせを変えてしまうなど、よくないのだそうだ。

で、歯型を取って綿密にベストなかみ合わせを再構築していき、

奥歯の詰め物や被せ物を本来の正しい位置のかみ合わせになるように作り直していく

・・・・と、そんな治療だそう。

 

平たく言えば、検査の結果、かみ合わせに悪影響を与えていると考えられる

奥歯の詰め物や被せ物を、正しい形や高さのものに新しく作り直していく・・・

というそんな治療だった。

 

今わたしが「キャンセルした」というところからこの話を書いているので

知らない人が読むと警戒してしまうと思うけれど、

 

初診で行った歯医者さんが、自分のために時間を割いて

温和な語り口でかみ合わせ治療の重要性を丁寧に説明してくれたら・・・・

きっとたいていの人は「やらなくちゃいけない治療」って思えてくると思うのよ。

なんか洗脳されちゃうというか・・・汗

 

わたしもすっかりその気になってしまい、次の受診日に

まずかみ合わせを調べる検査から始めていくことに同意してしまったわけ。

 

けれど、帰宅してほんの数時間で・・・・この気持ちに迷いが。

 

まず、検索魔のわたしとしては、それがどんな治療なんだろう?と詳しく知りたいので

ネットで同様の治療と経過を調べるわけですよ。

ところが、調べても調べても出てこない。

いろいろ検索ワードを変えてみてようやく数件ヒットした程度。

 

地元でも人気抜群の歯医者さんだし、

決してこれが怪しい治療法・・・・?などとは思わないけれど、

ただ、あまりこの治療って一般的ではないのでは・・・?とは思った。

検索であまり出てこないってそういうことだよなあと。

そして、少ないヒット件数で得た治療例の情報で見ると

やはり、奥歯の治療歯をほとんどセラミックやゴールドに入れ替えている。

セラミックは1本10万円くらいするし、治療に関わる検査等すべて自費なので

治療費総額が数十万~100万前後・・・・鼻血が出るかと思った。

(もちろん長期治療なので、2~3年のトータルでその金額って話だけど)

 

ここでハタと冷静になった。

先生は嚙み合わせがいかに身体や前歯に悪影響を及ぼすか?を語ってくれたけれど

今現在、自分でかみ合わせが原因と思われる不定愁訴に悩まされているわけでもない。

食いしばりが一番の悩みだけど、それがかみ合わせと直結してるのか?は

治療して見ないとわからない話だし。

だから、そういうあいまいなものに大金を投じることにまず疑問を感じたし、

それよりもなによりも、

歯の詰め物や被せ物を作り直すということは、歯をさらに削るということ。

そっちのデメリットはどうなんだ?という不安感が大きかった。

 

これまで約15年通ってきた元の歯医者さんは、「低侵襲治療」を推奨している先生で

MI治療、というらしいです)

「とにかく歯を削らない」をモットーにしている。

歯を削ると、それだけ歯の寿命を身近くしてしまうからだそう。

だから、30年くらい前に詰めた奥歯の治療も、ただ古いからといって

新しく詰めなおした方がいいなんて一切言わない。(実際問題もない)

今問題がないなら、無理に開けたり削って健康な歯を減らしたりしないほうがいいよ

という先生だ。

 

今回行った歯医者さんは、かみ合わせを重視するわりには、

再治療のためにさらに歯を削ってしまうことに対するリスクには触れないんだ?

と、そこに小さな不信感も芽生えた。

 

もうここまで考えると自分の中での答えは明白だった。

 

「気になっている前歯は保険治療でいいということがわかったんだし、

元の歯医者さんに戻ろう」

 

と。

 

新しく行った歯医者さんで、前歯の治療だけやってもらうことも考えたけれど

やっぱり一度は「やります」、と言った

かみ合わせ治療を、先生の顔を見て「やめます」と断る勇気が自分にはなかったし

その高額な治療に対して疑問を持ってしまった時点で(歯を削っていいのか?と)

その歯医者さんに対する信頼は薄らいでいると感じたから。

 

なにより、優しくて信頼の厚かった元の歯医者さんに戻りたい!!と思った。

(以前も書いたけど不満があって離れたわけじゃないし)

 

結局、10月は2軒も違う歯医者にいって、

どちらも初診だけで次をキャンセルして自己嫌悪半端ないのだけど・・・・

セカンドオピニオン的に

別の歯医者の意見を聞けて安心できた(特に前歯)部分はあったし

トータルで、改めて15年通ってきた歯医者さんが一番信頼できると再確認できて

もう迷いがなくなったので・・・・

これも結果的に無駄ではなかったのかなと思う。