婦人科の先生の思い出。

先日子宮がん検診と診察で婦人科のお世話になったときに、

漢方薬を処方してもらった。

 

以前の記事でも書いたけれど、気分の浮き沈みが結構激しいなと自分で感じていて

ああこれも、更年期症状のひとつかなあ・・・・・?と思ったので。

 

もともと、小さなことにクヨクヨしがちな性格ではあるものの、

最近自分で自覚するソレは、

何か明らかな理由や悩みがあるわけでもないのに朝起きた瞬間から

漠然とした不安感や抑うつ感がドドドド・・・・・・と襲ってきて、

気分がふさぎがちになったり、何にもする気がなくなったりするのだ。

 

「何も理由がないのに」が自分的にとても気持ち悪くて、

あ、これはホルモンバランスとか自律神経とか、

なんだかよくわからないけれど、そういうやつかな?と思い

ときどき、不定愁訴が襲ってくるたびに引き出しから出してくる

「命の母」をしばらく気休めに飲んだりする・・・

というそんな日々だった。

 

「気分の浮き沈み」というくらいなので、

数日すると、あれ?というくらい気持ちが突然軽くなる日がやってきたりする。

これもまた、理由がない。何かうれしいことがあったわけでもない。

本当に謎なのだけど、「たぶん更年期なんだろう」ということで

なんでも更年期のせいにしておくほうが、結局自分が楽な気がする。

 

人間、身体の痛みにも心の痛みにも、「理由」があれば

調子が悪いなりに、納得してつきあっていけるものだ。

 

そうやって試行錯誤で自分のメンタルと付き合っていたなかでの

婦人科受診だったので、ついでとばかりに先生に相談して

「何かいい薬とかないでしょうか」とお願いしてみた。

 

以前どこかで書いたかもしれないけれど、この婦人科の先生

(2年前の子宮がん検診もこの先生)

わたしの息子を帝王切開で取り上げてくれた先生だ。

今はもう70代半ばという感じ。もうすっかりおじいちゃん先生である。

もちろんすでに分娩や手術は引退して、診察と検診だけを細々とやっている。

いまどきの若い妊婦さんが訪れることはほとんどないだろう。

だから患者も1~2人くらいしか待合室にいないので

予約なしで、いつでも診てもらえる。いまや穴場的婦人科になっている気がする。

 

けれど、わたしにとっては

息子を取り上げてくれた先生という以上に、

「母を助けてくれた先生」という思い出がとても強い。

 

わたしの出産と入れ違いになるように更年期に突入した母。

当時ちょうど母50歳の頃だったと思う。

更年期による抑うつ症状があまりに強くて、

夜はほとんど眠れない・・・という状態だったけれど

この先生に相談すると、「点滴で薬を入れてあげるから少し眠っていきなさい」と

毎回、点滴に睡眠薬か鎮痛剤?(よくわからない)を入れて

処置室で2時間ほど眠らせてくれていたという。

母が当時ものすごく感謝していた。

そのころは、分娩もしていて医院はいつも患者でいっぱいだったころだけど

更年期で辛かった母の訴えを「薬出しておくから」で済まさず

「少し寝ていきなさい」と言ってくれていた先生の温かさ。

あのころの母をどれほど助けてくれたんだろうと思い出す。

そういう「いい先生だったなあ」という思い出があるから、

自分もまた検診でお世話になるならここがいいと思ったのだ。

 

 

「漢方内科」の看板も出している先生なので、漢方の処方にはとても詳しい。

私の症状を細かく細かく問診したうえで、

 

「いい薬はたくさんあるけどね。きっとこれが効くよ」と出してくれた。

特に不安感や抑うつ症状に効く薬と、更年期全般に効く薬・・・らしい。

 

漢方って即効性のある薬じゃないので、ゆっくり付き合うつもりで飲み始めている。

でも、医者に症状を話す・・・そしてそのお医者さんが「うんうん」と

ひとつひとつに真剣に耳を傾けてくれる・・・

それだけで、心はうんと軽くなるから不思議。

 

余談だけど、同じ漢方薬はドラッグストアでも買える。

でも、実は市販の漢方って1包あたりの容量がすごく少ないのよね。

たとえばこの漢方だと、

市販だと1日に飲むの容量が処方箋の半量指定になっている。

まあ自己判断で飲む市販漢方なので

「控えめ容量」に指定されているんだろうと思うけど。

 

何が言いたいかというと、薬代の単純比較だけでなく・・・

効果を得られるための容量って、市販漢方の量では実は全然足らないのかな?

ひそかに思っているということ。

胃腸科や耳鼻科など、漢方はこれまでにも定期的に処方されているけれど

どれもこれも、市販漢方より服用するべき量が多いのよね。

で、それなりにちゃんと効いてる実感ある。

 

だから、市販の漢方薬を飲んでもあんまり効いてる実感が得られなかったり

それなのに十分価格が高いので続けられなかったりするから・・・

効果的に長期で服用するにはやっぱり「処方漢方」が一番なのかなと思う。

・・・と、言いたいのはそこでした(笑)

 

とりあえず、わたしの場合「不安感・抑うつ感」という漠然としたものが症状なので

ハッキリ効いてる!!と判断するのは難しいところだけど

飲み始めてから今のところ、不安感に襲われることはないので

薬のせいか周期的なものなのか?不明ではあるものの

結果オーライな感じです。

 

これからは毎年検診も受けたいので、

この白髪の先生には

いつまでもお元気で診察を続けていただきたいなと心から願っている。