先週、美容院に行ってきた。
かれこれ、18年くらいのお付き合いになるスタイリストさん。
彼女がまだ新人だったころから知っている。
ここまでくると、気心が知れているというより、もはや友達みたいというか・・・
そんな感じで、わたしにとって美容院に行くことは
リフレッシュというより「おしゃべり会」みたいな時間。
アラフォーママさんなので、わたしより一回りくらい年下なのだけど、
サバサバした性格で、特に「境界線」を作らない人なので
自分の家族や友達関係の話を、ためらうことなくわたしに話してくれるし
悩み事の相談も受けるし、わたしも同じくらい彼女にはオープンに話す。
なんだろう?友達のように何でも話すけど、実際は友達ではないからしがらみもない。
その気楽さが饒舌にさせるのかもしれない。
彼女もこの18年間いろんなことがあって、乗り越えてきて今があって
「本当によくがんばったよね」などねぎらったこともあった。
彼女の方も、わたしに起きたことをほぼすべて知っている。
そして、たぶん以前どこかで書いたことがあると思うけれど、
うちの息子も、彼女のお客だ。
息子が小6のときに、「床屋さん」から「美容院」へステップアップさせたのでw
それ以来だから・・・15年くらいのお付き合い。
もちろん、今は地元にはいないので以前ほどは通えないけれど
大学生になっても、社会人になっても、帰省するときには必ずこの美容院に来る息子。
やはり、居心地がいいらしいし、
なんとこのごろは彼女の子育ての相談に乗ることも多いらしい。
(↑もちろん、「10代の息子」の立場からの意見)
そんなわけで・・・美容院の担当スタイリストさんは、わたしたち親子双方の
20年近くの歴史を全部知っているといっても過言ではない。
いちおう「プライバシー」の境界線は、なんとなく暗黙の了解があって
わたしは息子とどんな話をしているのか彼女に聞いたりしないし、
彼女も息子との会話の内容を自分から言うことはない。
だって、わたしだって息子に聞かせられない話をたくさんしているから(笑)
それが・・・先週、美容院でいつもどおりおしゃべりを楽しんでいて
いつものようにお互いの家族や夫婦関係、親子関係の話をしていたら・・・
彼女がちょっとためらいながら言った。
「いや、NORAKOさん・・・。実はね、息子くん、この間(お盆休み)来たとき
言ってましたよ~~。」
え?なんだろう?なにやら意味深な言い回し。
「”僕の母は本当に立派な人だと思います”って。
”いままで祖父の介護と犬の介護、それにわがままな父のいうことを聞いて我慢して
大変だったに違いないと思うんです。なのにいやな顔ひとつせずひとりで頑張ってて
その上、英語の勉強までしてて本当にすごいと思うし尊敬してます。”
って。息子くん、全部わかってますよ、NORAKOさんのこと!」
え?いや、何?この予期せぬ言葉の贈り物???
これを人づてに聞いたというのがまたうれしいというかなんというか・・・。
息子、そんなふうに思ってくれてたのか・・・・。
あれから毎日ことあるごとに、この言葉を思い出している。
子育ては自己嫌悪の繰り返しだったし、
本当は心の中にどす黒い感情を抱えてたりするし、
自分では自分のダメだったことばかりを思い出してしまったりするけれど
それでも、自分の生きる背中を息子に見せることができたのかなと。
この日、美容師さんがこっそり教えてくれた、
この言葉だけで、わたしは残りの人生を自信をもって生きていけそうな気がする。
ほかの誰から言われるよりもうれしかった。