苛立ちと不安と自己嫌悪。

父の介護計画のつづき。

 

父の家での生活を思い浮かべて、必要なことをできるだけ介護サービスで

カバーしていこう・・・とこちらは思っているのに、

父本人から注文がついたり、拒否されることが多くて、頭を抱えている話。 

 

実は「お昼12:30のヘルパーさん」にも、父は不満を隠さなかった。

 

今まではヘルパーさんには、週2回訪問してもらい、

お風呂の見守りと掃除をお願いするだけで、非常にシンプルだった。

(お風呂は父が一人で入る。ヘルパーさんはその間に部屋の掃除、お風呂のあとには、湿布を貼ってくれたりして、お風呂の掃除をして帰る)

 

現在は・・・というと、一応トイレへは自分の足で歩いて行けるものの、

入院中でもその体調には日によって大きな差があって、

特に「食欲不振」と「全身倦怠感」を訴えることが多い。

全身倦怠感もまた、ガンから来ているんだろうなあと思われるのだけど、

そういう日は運動リハビリも断ってしまうくらい、動けないみたいなので、

ヘルパーさんには、これまでよりきめ細かく・・・対応してもらいたいことが多い。

 

体調に大きな波のある父には、今後はなかなか「自分でやって」とは言えないので、

基本的にこまごまとした身の回りのことは、ヘルパーさんにお願いする方向。

たとえばお昼のヘルパーさんには・・・

「届いた配食弁当を温めなおしてもらう」

「必要に応じて掃除をする」

「弁当が口に合わなければ、冷蔵庫から保存食などを出して勧めてもらう」

「配食弁当の残飯の処理&弁当箱を洗う」(夕方返却しなくちゃならないため)

「麻薬鎮痛剤の頓服を服用したかどうかの確認(記録しないといけないため)」

「飲水とお昼の服薬を促す」

などを、お願いすることになっている。(だいたい30分以内で済むこと)

 

ちなみに、夕方もだいたい同じ感じ。

 

ところが・・・・だ。

この計画に対して父の父の反応は・・・・というと

 

 

「そんなふうに昼飯の時間まで決められたくない。時間に縛られるのは嫌だ」

 

と、眉をしかめるものだった。

 

さすがに、これにはカチンときてしまった。

このことだけ・・・・というわけではなく、前記事に書いた中でも

父から「あれは嫌これは嫌」という言葉が返ってきていたので

 

つい・・・・頭の中でハッキリと

 

えーかげんにせーよ。

 

という言葉が浮かんでしまった。

つい、ため息が出てしまった。

 

 

厳しくなってきた一人暮らしを、出来る限り「安心・安全に」と思って

介護認定をやり直してもらったわけなのに

今後の一人暮らし、何が問題になってくるか?どこにサポートが必要か?ということを

ケアマネさんや相談員Sさんに相談しながら、進めてきた話なのに・・・

いとも簡単拒否してくる父。

 

わたしのしていることってなんなんだろう?と、悲しくなってしまった。

  

「今は体力も落ちているし、自分でお弁当の受け取りもできないような状態でしょ?

自由気ままな一人暮らしをしたい気持ちはわかるけれど、

今までどおり・・・とはいかないんだよ。

今は周りの人達に助けてもらわないと難しいよね?

窮屈に感じるかもしれないけれど、

ヘルパーさんは必要なときだけ来て・・・とはいかないの。

そういう決まりだから

曜日とか時間とか全部あらかじめ決めないと来てもらえないの。

だから、縛られたくないと言ってもそれは無理だから受け入れてほしい。

何も12:30にお昼ご飯を食べなくてもいいから、その前に食べてもいいし、

その後に食べてもいいし。そこは自由でいいから。

あくまでもヘルパーさんがお昼に来てくれるというだけだから。」

 

と、言葉を選びながらも・・・

言わなければわからないことはハッキリ伝える形で父をなだめた。

言い過ぎたかもしれない・・・と思ったけれど、そのくらいハッキリ言わないと

父は現実を見ることができないように見えたから。

 

わたしからこの言葉を言われたとき、

父はすぐには答えずに、わたしと目線を合わせようとはせずに

病室の天井の一点だけをジーっと見つめて、黙り込んでしまった。

 

父は自分の現状を受け入れきれなくて

苦しんでいるんだろうなとわかり、とても気まずかった。

 

 

わたしの言葉は、「今までと同じ暮らしはできない」という現実を突きつける

ものだったろうから。

 

 

じゃあ強気で「好きにやるからほっといてくれ」と言えるかといえば

自分にはもうそんな体力がないこともまた、父は十分にわかっていて

だからこそ、今の状態が息苦しくてたまらないのだろう。

  

そして、そういう父の葛藤がわかるから、わたしも苦しいし

楽になりたい気持ちから、ついつい、

「ああ~父が何でもハイハイ、と何でも言うとおりにしてくれたらもっと楽なのに」

と思ってしまう。(口にはしないけど)

 

親の介護問題において立ちふさがる、大きな問題のひとつは

こういう「親の抵抗」なんだと思う。

 

トイレの問題さえクリアできるなら一人暮らしを継続させてやろう、と

自分なりに覚悟を決めて、残り少ない一人暮らしを支えるつもりだったけれど

 

 

いざ話を進めてみると・・・・「父の意向」に阻まれて

思った以上に噛み合わないので、なんだかもう心が折れかけている。

わたし自身、全然覚悟なんてできてなかったじゃないか、と

余命宣告を受けている父に対して苛立ってしまう自分にも腹が立ってしょうがない。

 

もういろんな気持が次から次へとわいてきて、

頭の中ぐちゃぐちゃだ。

 

施設や療養型病院に移ってくれるのだったら、

こんなに悩まなくてよかったのになあ・・・・って

ついつい、頭をよぎってしまう。

 

父は毎日体調が違う。

せん妄も相変わらず続いていて、日によってかなりひどい日と軽い日もあり、

身体を起こすにも苦労するくらい倦怠感で無気力な日も多い。

 

看護師さんとヘルパーさん、合計1日3回も入ってもらう・・・といっても

それはすべて昼間に集中しているので、夜はずっとひとりだ。

(※ちなみにわたしは以前と同じように毎朝8時に訪問することになっている)

 

こんなに弱っているのに、夜間12時間以上もたった1人で、大丈夫なんだろうか?

本当はわたしが毎晩、

泊まり込むくらいのことをしなくちゃいけないんじゃないだろうか?

 

・・・と、考え出したらもうとまらない。

 

わたしの様々な感情は、結局「不安」から生み出されているのかも。

 

 

でも、今更もう撤回なんてできない。

逃げるわけにはいかないのだから

自信がなくても、やっていくしかない。