懲りない自分でいい。

先週は、父に頼まれてイヤイヤ行ったスタバ。

おまけに、行く過程で父からイヤーな思いまでさせられたスタバ。

 

norako-hideaway.hatenablog.com

 実は、先週スタバに行った時・・・・記事のボリュームの関係と書きたいことを

絞るために省いたエピソードがある。

それは、スタバの後に父の食料品を買い足したりなどして帰ろうとしたときに父が

 

「お父さんはここからタクシーで帰るよ。

お前はこのまま(自分の家に)帰っていいよ。」

 

とわたしに言ったことだった。

 

そのときの自分の情けなさと言ったらなかった・・・。

父にそんなことを言わせてしまったことが。

 

いろいろ蓄積していたところへ、

出掛けに「うるさい」と言われてカチンと来ていたとはいえ、

車内でほとんど話しかけもせずにふてくされていたこと、

一緒にスタバには行かなかったこと、

たぶん、いつもよりわたしの笑顔が少なかったこと・・・・

怒りを抑えていたつもりだったけれど

父には「娘にうんざりされている、迷惑がられている」

と、ハッキリ映ってしまっていたのだ。

 

怒っていたことを忘れて、驚いて反射的に

 

「え?何言ってるの?

タクシーなんて乗らなくていいよ!

ちゃんと家まで送るに決まってるじゃない!」

 

と、父の申し出を打ち消したので、ちゃんと父を家まで送り届けたが・・・。

 

こんなことを言わせてしまうだなんて、世話をする身として最低だ・・・と

帰りの車を運転しながら、実はものすごく自分を反省していた。

怒りは怒り。ストレスはストレス。

それを親に勘づかれて、我慢をさせてしまうなんてダメだ。

 

怒りに任せて「もう知らない!勝手にすれば?」みたいにすべてを放棄したくなる

感情に衝動的に襲われることはあっても、実際のところはそんなふうに冷酷な

人間にはなりきれないのが自分。だからこそ悩んだり苦しんだりするわけで・・・。

腹が立ったからと言って、呼吸荒く、酸素カートを引いている父に

「あっそ。じゃあタクシーで帰って」だなんて言葉は浮かぶはずもなかった。

だから、そんなことを言わせてしまった自分が、

ものすごくイヤな人間に思えてしまった瞬間だった。

 

 

・・・・ということで、そんなふうに

お互いにとってかなり気まずさと後味の悪さを残したのが、先週のスタバだったわけ。

 

だから、今日、父をスタバに誘ったのは、

そんな先週の気まずさをリセットしたかったというのが、実は大きな理由だった。

 

「タクシーで帰るから」だなんて、言わせてしまったことで

父のほうから、「またスタバへ連れてって」とは言いにくくさせてしまったのでは?

と、心の中でモヤモヤしていたから。

”今度はわたしから誘う”ことで、スタバくらいいつでも言って!という

アピールのつもりだったわけ。

 

お店につくと、

 

 

「今日は買い物の用事もないから、わたしも一緒に行くよ」

 

と言って、今日は父とふたりで店内に入った。

 

が、わたしはそこで驚くべき光景を目にすることになる。

 

 

入口のカウンターには2~3組ほどの列ができていた。

 

その列に並んでいると、カウンターの向こうにいた女性店員さんのひとりが、

父の姿に気付き、パっと顔を輝かせて笑顔になり、

作業をしながら、父に向って小さく手を振ったのだ。

父はニコニコとほほ笑んでいる。

さらにその店員さんは、近くにいた別の店員さんを指で軽くつつき、

目くばせして父が来たことを教えている。

指でつつかれた2人目の店員さんは

先客のオーダーを受けながら、父の顔をチラ見すると

こちらも「わあっ!」とした表情になって、父に笑顔を送った。

 

なんなんだ?この雰囲気は?!

 

わたしはあっけにとられていた。

そうして、父とわたしの順番になったとき、

なんと、父と女性店員さんは、カウンター越しにハイタッチまで交わした。

 

「もう~、とっても心配してたんですよ。大丈夫ですか?

思ったよりずっと元気そうで・・・!ホントによかった!!!」

 

と、感情を込めた温かい笑顔を言葉で父を迎えてくれたその人は、

社交辞令ではなく、本気で父を心配してくれているように見えた。

聞けば、

先週、父がスタバに来たときには彼女はシフトに入っていなかったのだけれど

他のスタッフさんから父が久しぶりに来たことを聞かされていたそうで

自分も早く会いたいと思ってくれていたとか。

(わたしにまでそんな思いを話してくれた素敵な店員さんだった)

 

父がスタバのスタッフさんと仲良くしているということは聞いていたけれど

まさかここまで「愛すべきおじいちゃん」的扱いを受けていたとは・・・!

 

「じゃあね、先に座ってるからね。」

と、父はオーダーもせずに、

”いつも座る”という決まった席を確保するために先に行ってしまった。

店員さんも、当然何も言わない。

「お父様はいつも同じ(オーダー)ですから」とニコニコ笑っている。

 

 

わたしは自分のオーダーをすると、ドリンクが出来上がる間に

スタッフさんとしばらく父の話をしていた。

 

詳しい事情は書けないのだけれど、驚くべきネットワークによって

彼女たちは父が肺炎で重症だったことも知っていた。

「もう、本当に心配で心配で・・・。よかったですねぇ。ホっとしました!」と

何度もその店員さんは安堵の言葉を口にしてくれた。

だから単なる「久しぶりの常連さん」ではなく、父の身体のことを知った上で

心配してくれていて、またこうしてスタバに顔を出してくれたことを

間違いなく心から喜んでくれていたのだった。

 

 

 

父の「いつもの」は、

フォーム ドピオ エスプレッソ+ショット追加エスプレッソのトリプル?

というオーダーらしい。

79歳の爺さんが、こんなオーダーをいつどうやって知ったのか?(驚)

 

味にうるさい父曰く「これ以上うまいコーヒーを知らない」とのこと。

(※あくまで個人の好みの問題だと思うけど、そこを指摘しないのが平和のコツ)

 

ちなみに・・・濃いコーヒーが苦手はわたしは、

カフェ・アメリカーノが飲みやすくてお好みです(要らない情報)

 

 

 父と向かい合ってコーヒーを飲んでいると、

さらに別の店員さんが隣のテーブルを拭きにやってきて、父に声をかけてくれた。

二人は、わたしにはわからない会話をして、笑い合っている。

 

ここでわたしは思った。

 

 

なんだこの、わたしだけがアウェーな感じは?(笑)

 

先週は父をひとりでスタバに行かせてしまって、

かわいそうなことをしちゃったかな?と思っていたけれど

スタバで、こんなに店員さんたちに歓迎されるってことは・・・・

 

 

 

わたし、要らなくない?

 

 

・・・というか、

 

 

なんなら邪魔じゃない?

 

店員さんはわたしと父とのお茶を邪魔をしてはいけない・・・と、

遠慮がちに声をかけてくれる感じだった。

気を使って声をかけてくれる感じからして、

むしろ自分こそが邪魔になってるわ、とハッキリそう察知したわたしだった(汗)

 

それでもまあ・・・・今日またスタバへ連れてきてあげたことは

間違いなく正解だった。

父娘間の、少々ギクシャクし始めていたわだかまりも解けたし、

父は「一番仲のいい子(先週会えなかった店員さん)」に会えたと喜んでいるし

わたしが、こうして「かわいいおじいちゃん」として愛されているであろう

父の知らない一面を見ることができたから。

 

半日一緒に過ごした父は、とても穏やかでご機嫌だった。

たぶん、こんな日ばかりじゃなくて

次に行ったときには、また腹の立つことを言ったりやったりするのだろうな。

「わたしがこんなにしてあげてるのに」って、

ひとりでプリプリする日もたぶん、すぐにやってくるのだ。

 

そのくらい介護・・・というより、

年老いた親との関係はコロコロ天気が変わると思ったほうがいい・・・!と、

本当に学習した。

 

さんざんイヤな思いをさせられた後でも、喉元過ぎればきっとわたしはまた

「こうやったら父を喜ばせることができるか」なんて、

報われないことを考えてしまうのだ。懲りないよねー・・・と、自分にあきれながら。

でも、それでいいんじゃないかな?と、今は開き直っている。

  

最近書いた記事の中で・・・「自分は家政婦さんになる」って書いたけれど

やっぱりそんなに簡単なことじゃなかった。

やることだけやりますけどね、あとは知りません!なんてわけにはいかない自分。

 

「わたしが心穏やかでいられて」

「父も幸せだと感じられる」

 

そんな生活は、心を通わせてこそ・・・だと、今日改めて感じたから。

 

*父のやり方に口出しをしない(酸素の件とか、一切注意しない)

*「大丈夫?」いちいちと聞かない

(つい口癖のように聞いてしまうけど、これも父はうっとーしいのだと思う)

*恩を着せない(わたしがこんなにしてやってるのに、とか思わない)

 

新たに心がけることにしたのが、とりあえずこの3つ。

 

今日はいい日だったな。

本当に久しぶりに。

  

あ、そうそう。モコモコ上着もとても喜んでくれましたよ。やったぜー☆