先週木曜日に、頓服の痛み止めを急きょ補充してもらうためのドタバタがあったのは
ブログでも書いた通り。
そうして今日、改めて主治医の診察を迎えた。
先日、薬剤師さんから言われたとおりに・・・
診察を受ける前に薬剤師さんのところへ行き、痛み日記を見せながら、
薬剤師さんが父から細かい体調について尋ねる。
これがもう、イライラするったらない!!!
なぜかというと・・・「診察時あるある」なのだけど、
父は普段わたしに対して言っている症状や体調と、
病院スタッフに自己申告するソレが、まるで違うということが多々ある。
今回もそのパターン。
わたしには、
「オキシコンチン(朝晩のメインの薬)はあまり効かない。
オキノーム(頓服)はあれはいいぞ。飲んだらすぐに痛みが消える」
と絶賛していたし、だからこそ1日3回とか多用していたわけで・・・
前回、追加処方してもらったときにもわたしは薬剤師さんに「本人がそう言ってます」
と伝えてあった。
ところが今日の薬剤師さんとの会話では・・・
薬剤師「どうですか?やっぱり頓服を飲むと痛みはかなり楽になりますかね?」
父「いや、あんまり変わらんですね。」
薬剤師「・・・え?あ、そ、そうなの?
じゃあ今一番つらいな~困ってるな~というのはどういうこと?」
父「夜眠れんことですわ。」
薬剤師「あーーー。背中が痛くて寝れないんだね?」
父「いや、痛みで寝れんのじゃなくて、単に目が冴えて寝れんのですわ。」
薬剤師「あ、ああ・・・そうなの?あ?あれ?
寝るときの痛みがひどいんじゃなかったっけ?」
父「いや、痛みは昼も夜もそんなに変わらんです。」
そして薬剤師さんがわたしに視線を向けて
「話のニュアンスが聞いていたこととちょっと違いますね?(汗)」と、
苦笑いするっていうね・・・・。
今に始まったことじゃないけれど、これは一体どういう心理なのか?
もはや癖なんじゃないかとすら思う。
ほら、「~~なんですね?」とこちらが言うと、
どんなことでもいちいち「~っていうかさ」「~いや、そういうんじゃなくてさ」
・・・と、相手の言葉を否定してから話を続ける人っているでしょ?
まさにあのイラっと感に似ている。
わたしには「痛くて眠れない」とさんざん言ってるのに、
どーしてこういうやり取りになるのか?全く意味が分からない。
この薬剤師さんとはおそらく長い付き合いになると思うので、
機会を見計らって
「その都度その都度違うこと言ったりするので話半分でお願いします。
普段わたしに言ってくる症状にはウソがないのでそっちが事実です」
・・・と、伝えたいと思っている。
薬剤師さんとの面談のあとに、主治医との面談があり、
その後新しい薬を処方されるときに、
再び薬剤師さんからの説明があったのだけど・・・
父は、何を思ったのか唐突に薬剤師さんにこんなことを言った。
「以前、整形外科に行ったときに、
整形外科の先生は”この背中の痛みは捻挫だろう”と言ったんですよ。
あの”捻挫”という診断の可能性はもうなくなったってことなんですかね・・・?」
薬剤師さんが一瞬明らかに戸惑って返事に困っているのがわかった。
薬剤師さんと、私たち親子の間で、「病名」に言及した話は一切ない。
けれど、立場的に当然父の病気の情報を知っているはず。
そして、また同様に立場的に、
医師ではないのでその核心部分について、
薬剤師さんが安易に肯定も否定もできる立場にはないと思う。
「そうですね~・・・。まあ、そういうことになるかなあ・・・。
でも、〇〇先生はいろんな可能性を見越してこういう薬を処方してくれていると
思いますよ。まずは痛みを取ることが大事なのでね。」
決して、父の言葉を全否定せず、やんわりと言葉を濁してくれた。
薬剤師さんのこの言葉は精いっぱい適切な答えだったと思う。
父の今日のこの言葉を聞いた時、
父は今になってもまだ、0.1%でも「背中の捻挫である可能性」を持っていたい、
誰かに「背中の痛みはガンではないですよ」と
否定してもらいたい気持ちがあるのかもしれない。
実は、週末に・・・わたしから誘って父を買い物に連れて行ってやった。
父はわたしが「連れってってあげるよ」と言うと、
それはそれは喜んでくれた。
「いこういこう」と。
そして、車中で・・・例の頓服を追加処方してもらった話から、
訪問看護師さんや薬剤師さんの話になったとき、父も珍しく
「あの病院の人達はみんないい人たちばかりだなあ」とうれしそうに言ったのだけど
その次に言った言葉。
「先生も薬剤師さんも看護師さんも、いい人ばかりだ。
あんなにいい人達に診てもらっているんだから、
もしかしたら病気も治るんじゃないだろうか?」
わたしは一瞬、ギクっとして返す言葉に詰まったけれど
それは聞こえなかったフリをして、沈黙を避けつつ
「ああそういえばさ~」と、さりげなく話題をすり替えた。
でも、そのとき思った。
父はものすごく不安なのだろう・・・と。
そして今日薬剤師さんに言った「背中の捻挫と言う可能性は・・・?」の言葉。
父はまだ現実を受け止めきれていない。
それは、たぶん不安の裏返し。
父の通っている病院には「がん相談支援センター」もあるし、
院内で、ガン患者の家族のためのセミナーのような催しもあるのを知っている。
いずれはわたしも「家族として余命の迫る親にどんな言葉をかけたらいいのか」を
相談しに行こうかなと思っている。
今はまだ、とりあえず今まで通りの生活ができているし、
自分自身が思い悩んでいるわけでもないので、
まだその時期じゃないと思っているけれど。
本当は父自身も、気持ちの整理をするために、不安な気持ちを聞いてもらう・・・
と言う目的で、カウセリング的な場は利用したほうがいいように思うけれど、
私以外の他人に弱みを見せるだなんて死んでもプライドが許さない人なので
それは現実的にありえない話(汗)
だから結局は、
誰にも弱い部分を見せられない父を
わたしがどう支えるか?にかかってくるのだろうなあ。
そんなわけで
今はまだ、親子の間でもガンについての話は不自然なほどに避けて通っている。
でも無理にする必要もないかな・・・と。
父から話したくなったときに、
聞いてあげられる心の準備だけをしておけばいいのかな・・・と思っている。