住環境を整える。

父の退院は、在宅酸素についての準備が整うのを待つのみとなった。

来週月曜日、業者と初めて面談して、どういったタイプを使うかを決め、

使い方を教わり、そして手配してもらって・・・と、

酸素導入までの行程がいくつか残っているので、退院は早くても来週半ばだろう。

 

これまでの入退院は・・・というと、

退院の日に立ち会い、家まで送り、医療保険の書類請求の電話を入れたり、

食料品の買い物をしたりという、目先のことだけ整えたら

「それじゃあね。無理しないでね。」

と、わたしは家に帰ってお役御免!だった。

 

しかし今回はそうはいかない。

家に送り届けて「バイバイ」とはいかないのだ。

介護サービスを使えるまでの家事フォローをしなければいけない。

そして、その介護サービスを受ける前提として、大きな問題があった。

それは、実家を見渡してみれば、

「この家にヘルパーさんを招き入れるのか?

この薄汚れたキッチンで食事を作ってもらうというのか?」

というくらい、水回りを中心に汚い家だったことた。

 

父は、目につく場所の「整理整頓」は比較的できる人で、

自分の持ち物については、引き出しにラベルをつけて、どこに何をしまっているか

わかるようにしていたし、

不幸中の幸いにも、部屋いっぱいに物が散乱・・・という汚れ方の家ではない。

掃除機がかけられるくらいには片付いている。

 

しかし、「水回り」はまるでダメだった。

キッチン、トイレ、そしてお風呂。

考えたくもないが、おそらく10年以上は掃除していないと思われる。

(さすがにトイレは2~3か月に1度くらいは掃除していたかもしれないが)

 

ちなみにお風呂についていえば、もう何年もお風呂自体を使用していなかった。

いつも車で、いわゆるスーパー銭湯のようなところへ入浴に行っていたのだ。

本人いわく「家のお風呂は寒くてたまらない」というのが理由らしいが

「お風呂が掃除できない→どんどん汚れる→入る気がしなくなる」

という、負の連鎖も大きな理由だったのではないかと思っている。

 

しかし、今後は24時間酸素を連れて生活することになるので、

民間のスーパー銭湯には到底入ることは不可能である。

家のお風呂を使うか、デイサービスを利用するしかなくなる。

 

それらを考慮して・・・わたしは父の入院中にこれら3つの水回りの掃除を

思い切ってハウスクリーニング業者に頼むことにしていた。

自分でやろうと思えば、そこそこ(使うのに抵抗がないくらいには)きれいに

することはできたと思うが、今はそんな余分なエネルギーはない。

 

お金で解決できることは、どんどん取り入れて自分の負担をラク

そして父の生活を快適に・・・!というスタンスである。

父の看護にかかる大きなお金は兄に負担してもらえる話し合いがついているため、

兄にお願いしたが、もちろん快く了承してくれた。

 

そして、今週2日間にわけて、ついに掃除が完了した。

(※お風呂のビフォー画像はあまりに汚いので小さく)

 

 

父の訴える「お風呂が寒い」問題は、

弟が脱衣所にこの暖房機を購入して取り付けてくれることになったため、

そこである程度解決できるはず。

 

 

 そしてトイレ。

(※トイレのビフォー画像はお見せできるものではないので自粛)

実をいうと、わたしは実家のトイレを使うのがイヤで、父のところを尋ねても

トイレは極力我慢して使わないでいたが、今後は気持ちよく使えることになり

ホっとしている。

 

キッチン

 

 

お風呂の一部、そして換気扇の汚れはカンペキには取れなかった。

10年以上掃除ナシの上、経年劣化の色素沈着や汚れは取り切れないかもしれない、と

事前に説明されていたので仕方がない。

見た目に「不潔」さが漂ってなければいいのだ。(自分の家ではないし)

 

そしてさらにもう一箇所・・・。

これは業者ではなく、自分でがんばったところだが、冷蔵庫の中身をすべて捨てた。

高齢者一人暮らしあるある・・・だと思うが、冷蔵庫内は賞味期限の切れた食品で

あふれていた。

グロ画像なのであえて載せないが、久しぶりに開けた父の冷蔵庫、

なんと庫内にコバエの死骸があふれていて、思わず目を背ける汚さだった(泣)

どうやったら冷蔵庫の中にコバエが発生するのだ???

キッチン同様に、冷蔵庫もキレイにしておかないととてもヘルパーさんに使って

いただけないので、今回こうして鬼の居ぬ間に掃除させてもらったわけだ。

 

今後は父のところへマメに通うことになるわけなので、

わたしが冷蔵庫の中身(賞味期限)は厳しくチェックしていかなければと思っている。

 

考えてみれば・・・・これらの水回り、

もっと前から、わたしが関わって掃除でもしてやっていれば、こんなふうに

業者に頼むことにはならなかったとは思う。

 

ただ、父が元気だったときには、極力自分が手を出したくないと思っていた。

「自分でそのくらいやってよ!」くらいな気持ちだったのだ。

だから、ずっと見て見ぬふりしてきてしまった・・・。

そのうち、ちょっとやそっとでは掃除しきれない状態になってしまったというわけ。

 

介護サービスと簡単に言っても、

老人の一人暮らしだと、こういう「おそうじ問題」もあるんだな、というのは

思わぬ気づきだったが、こういう機会でもなければ大掃除できなかったと思うので

2日間、合計で12時間くらいかかったが、プロに頼んでよかった。

資金を出してくれた兄に感謝。

もちろん、父も大変喜んでくれている。たぶん、父も気にはなっていたけれど

めんどくさい気持ちから始まって、そのうち息切れで体が動かなくなってくると

やりたいけどできない・・・に変わってきていたんだろうなと思う。

 

昨日のブログで「いざとなれば泊まり介護をする」と書いたが、

そう言えるようになったのも、実は「水回りがきれいになった」からだ(笑)

以前の汚い状態だったら、とてもじゃないが長時間居続けることは無理だった・・・。

 

身体が今までよりも不自由になるだけでも気落ちするところだろうに

汚いトイレやお風呂なんて、見ているだけでさらに気が滅入ると思う。

 

家がきれいになって、父が気持ちよく過ごせる助けになればなぁと願っている。

 

最後に、父の布団も奮発して

ふかふかの羽根布団とモコモコした毛布素材のカバーに買い換えた。

このことはまだ父には言ってない。

超さむがりな父へのサプライズ。

きっと喜んでくれるはずだ。