それぞれの老後支度。

毎年お盆休みには、実家の父の家に兄と弟が帰ってきます。

兄はわたしより2つ年上の52歳。

弟はわたしより5つ年下。

残念ながら二人とも独身です(汗)

 

この夏、その兄から思いがけない報告がありました。

それは、

「そうそう。僕引っ越したから。住所変わったからね。」

というものでした。

「え?引っ越したの?転勤?!」

と驚いて聞き返したところ

 

「いやいや。そんなんじゃない。実はマンション買ったんだ」

 

と驚くべき返事が。

 

そんなに驚くことではなかったかもしれないのですが

わたしだけでしょうか?

家族持ちが家を買った、マンション買ったと聞いても当然と受け止めるのに

独身がマンションを買ったと聞かされると、

3割増しくらいの驚きをもって受け止めるこの感じ(笑)。

 

さすがに都心ではなく、もっと離れたところらしく

築2年という新しさだそうで、車で言えば新古車みたいなものですね^^;

(なんでも前の持ち主がローンを払えなくなったので手放すことになったとか)

とはいえ、間取りは1LDK。

金額はさすが都会。

このあたりなら3LDKの新築マンションラクに買えるくらいの金額でした。

 

 

「まあ、いつまでも

家賃払っていけるわけじゃないから。」

 

と笑うその言葉には、

自分の定年後の生活を見据えているであろうことが伺えました。

 

実際には、家賃が払えるかの問題じゃなくて、

(高年収・おひとり様・質素な暮らしなので資産は相当あるはず)

たぶん、定年後に賃貸を借りようと思ったときの保証人の問題、

無職になったら、借りられる物件の選択肢が少なくなるであろう問題など

そちらのほうが大きかったのではないかと思います。

実際、兄が過去に住んでいた賃貸については、

その都度うちの夫が保証人になっていました。

直接の血縁でもないのにそうなったのは、

父は年金暮らし、弟は収入が多いとはいえず&不安定ということで

他に頼める親族がいなかったからです。(もちろん夫は快く了承)

おそらく、そんなモロモロを考慮して先を見据えての

マンション購入だったのではないかなあ?と想像しています。

 

ただ、もともと地頭のいい人で、物事ちゃんと考えて進める人なので

「買ったといっても、一生住むと決めてるわけじゃないよ。

ひょっとしたら、定年後、地元に帰ることになってもいいように

将来売ったり、貸したりできるように人気のある立地のマンションを選んだし。」

と付け加えるところは、ほお~さすがだなと思いました。

 

・・・というか、おそらくマンションを購入するときに「売る」というところまで

考慮するのは都会の人ならではですよね、たぶん。

田舎だと通常その感覚はないんじゃないかと思います(笑)

 

とはいえ、大学入学と同時に地元を離れて30年以上の都会暮らし。

今更、地元に帰ってきても生活の不便さを感じるのではないかなあと思うと

兄は帰ってこないような気がします。

 

そして同時に、1LDKのマンションを買ったということは

もう結婚も完全にあきらめちゃったのかなぁ・・・と切ない気持ちにも。

 

こんなところで売り込んでもしょうがないのですが

外見はともかく(笑)、ほんっとにいい兄なんですよぉ。

兄弟に対してすら、自慢やマウントとったりしない常に謙虚な人で

性格も穏やか。普通の人が気づかないところに目を配って

さりげなくフォローに回るようなタイプです。

でも・・・・そういう性格のせいで、恋愛ベタだったのかも・・・と思います。

人生って難しいですね。

 

老後をおだやかに暮らせるいい人との出会いがあればいいのになあと思うのですが

今さら無責任に中高年向け婚活パーティーへの参加を勧めたりしても、

老後のお金の不安を解消したいという不純な動機で結婚相手を探す同世代女性に

経済力目当てで目をつけられてカモにされてしまうんじゃなかろうか?などと

悪い妄想が膨らんでしまうので(笑)

(もちろんそんな参加者ばかりじゃないでしょうが・・・)

 

 

結局、今のままが一番平和なのかもしれません。

なんとなーく、いつのまにか兄の結婚については冗談でも

触れられなくなってしまったので核心部分は聞けませんが、

 

ああ・・・わたしだけでなく、

兄弟もまたそれぞれの形で「老後」を見据える年齢になったんだなあと

再確認させられた出来事でした。