ひとやま超えたかな。

今日もまた、息子夫婦のところへシッターとして行ってきた。

毎回、玄関ドアを開けてくれるのは息子だったのだけど、

この日は初めて、お嫁さんが開けてくれた。

そして、ドアを開けた瞬間に、ぱあっと輝く笑顔を見せてくれた。

前回はわたしが来た時には、彼女は寝室で休んでいたので

そ~~~っと音を立てないように部屋の中に入っていた。

それを思えば、出迎えに出てくれるということは体調がいいということだ。

 

 

3日前は、乳腺炎の後遺症による激痛がピークで

「授乳のたびに痛くて痛くて涙が出てきた」と本人が言うほどで、

授乳以外の時間は、寝室でずっと休んでいる状態だったけれど

その痛みが引いてくれたそうで、とても表情が明るい。

 

その3日前の日は、お嫁さんはよほど辛かったのだろう・・・。

わたしに、「お義母さんの育児経験で、一番つらかったのはいつでしたか?」と

聞いてきたほどだった。

それは、彼女にとってそのときがまさに「辛くて辛くて」の真っ最中だったのだろう。

 

人生の辛い経験をあれこれ乗り越えてきた自分の本音を言えば、

成長を見られる育児よりも母の看護のほうが何十倍も辛かった、

父の介護のほうが辛かった、愛犬の介護の方が辛かった・・・なのだけど

ママになったばかりで育児以外のことを考えられない若い彼女に

そんな言葉は何の救いにもならないこと。

なので、やっぱり新生児のときが一番つらかったなあ・・・と話していた。

 

彼女の場合は、新生児は楽勝だった(らしい)。

里帰りで万全なサポートをしてもらってるうえに、母乳も順調、

育児楽しい!な毎日だったのが、乳腺炎で一転してしまったそう。

乳腺炎が、母乳が、こんなにつらいって誰も教えてくれなかった・・・!と。

彼女は胸の激痛に耐えながらの授乳で(吸われると乳腺を刺激して激痛が走る)

「毎回の授乳が恐怖になっている」とそのとき弱音を漏らしていたので、

とにかく、母乳を頑張っていて本当に偉いよ、

わたしも母乳育児がこんなに大変だと初めて知った、

でもあなたは本当によく頑張ってるよ、いいママだよ、

授乳以外のことは、頑張らなくていいからね、

借りられる手はみんな借りて、今は自分のことだけ考えてね

・・・と、彼女の努力をとにかくねぎらって

辛い、という言葉を受け止めて

「うんうん、辛いよね。」と聞いてあげるしかできなかったけれど

 

それが今日は、目が輝いていて、本当に本当によかった。

 

わたしがキッチンで、

新たな作り置きおかずの数々を保冷バッグから取り出すところにやってきて

ひとつひとつを見ながら、「ああ~これ絶対おいしいやつですよね!」と

目をキラキラさせている。

 

そして、今日は息子夫婦のお昼ご飯に・・・と、

お好み焼きを家で焼いて持ってきた。

前日夜に、息子に「持っていこうか?」とお伺いを立てて

「ぜひに」と返事をもらっていたのだけど、そのことも

 

「今日はお義母さんがお昼にお好み焼きを焼いてきてくれると聞いてたので

もうずーっとゆうべから楽しみにしてたんです!!」

とニコニコ言う。

 

よほどうれしかったのか・・・?

お好み焼き、本当に楽しみにしてたんです!」と、

お昼ご飯の時間になるまでに、彼女は3回も言っていた(笑)

それが、本当に子供みたいでかわいかった。

 

わたしは以前、息子が結婚するとなったときに、

息子夫婦とは一定の距離を置いて、よけいな干渉をせず、

お嫁さんに嫌われない姑を目指そう・・・と、思っていた。

 

けれど、実際にやってきたお嫁さんは、

自分が想像していた”お嫁さん像”とはかけ離れていて、

彼女の方から、どんどんこちらの懐に抵抗感なく飛び込んできてくれる人だった。

 

だから結婚当初から良好な関係を築けていたと思うけれど

彼女が出産したことによって、

また、特にこの1週間くらいの育児サポートの日々を経て、

もっと距離が近くなった気がする。

 

 

今日は、「お義母さん、お義母さん」と、いろんな話をしてくれた。

そのくらい体調が回復したということだ。

お嫁さんが、これだけ元気を回復してくれたのなら・・・・

「もうサポートは今日で終わりでいいです」

ってなるかなーと、内心思っていたし、

 

息子も「来週はもう自分たちだけで頑張ってみる?」と言ったのに、

驚いたことに彼女のほうはわたしのほうを見ながら

「え・・・・でも・・・・」と、頼みたそうにしている。

 

なので、わたしのほうから「いつでも来てあげるよ」と言ったところ、

 

うれしそうに「来週もまたお願いしてもいいですか?」

と彼女。

・・・というわけで、また2~3日後にサポートに行くことになった。

 

どん底なくらいな身体とメンタルの状況から立ち直ってきたばかりである。

まだ家事や料理のことまで考える自信もなく、

きっとまだどこか不安なのだろう。

 

育児は長い道のりだ。特にメンタルの安定ってとても大事。

誰かにとって簡単なことが、自分にとっても簡単とは限らない。

メンタルも身体も、耐性や許容度は人によって全く違うのだから。

 

だから、不安があるうちは、周りを頼ったらいいと思うし、

わたしも、彼女が「もう大丈夫です!」と思えるところまで、

必要なサポートをしてあげたいと思う。

 

お嫁さんから頼りにしてもらえるなんて、

義母としてこんなに幸せなことはないし。

 

もうひと頑張りしますよ。