流されないって大事。

前回書いた通り、このゴールデンウィーク

息子とびっくりするほど多くの時間を共有して、あれこれ尽きない話をし続けた。

 

わたしと息子との関係は、子供時代からずーーっと今まで「難しかった」と

振り返る時期はほとんどなくて、

比較的問題なく仲良くやってきた親子なほうだと思う。

けれど、そんなに深く話したか・・・?といえば、そこまででもないかな。

 

ただそれは彼がまだ若くて(まあ今も若いけれど)

親のわたしの方も、そこまで何もかも話さなかった・・・という部分が大きいし

息子の方もまた、おそらく母親に嘘をついたことはないものの

(↑基本的に何でも肯定する向き合い方をしてきたので)

でも「これは別に親に言わなくてもいいこと」と、母親とシェアする情報や考えに

制限をかけていた部分は大いにあるだろうと思っている。

たとえば恋愛事情とかね(笑)

 

それが面白いことに・・・結婚してから結婚前以上に多くのことを

わたしに話してくれるようになった。

なんというか結婚前以上に、親子の心の距離が縮まった感じ。

 

今回の帰省で特にそれを感じたし、また息子のいろんな物事に対する考え方を

聴くことができたりして、それがとてもよかったなと思う。

 

本当に数多くのことを話し合った連休だったのだけれど

そこで一貫して感じたのは、息子が「自分軸」をしっかり持っているということ。

これはすごいなーと思ったし、安堵もした。

 

たとえば仕事のこと。

就職して4年目の息子だけれど、約2年前には

「今は転職なんて当たり前の時代だから。僕も30歳前には考えてる。

お母さんもそこは理解しておいて。」

なんてことを言っていた。

 

が、今回帰省してきたときにはこれが

「資産運用や投資、生活設計についていろいろ調べたり本を読んでいるんだけど

知れば知るほど、”いかに大企業の庇護は大きいか”ということに気が付いたわ。

だから今の職場環境や労働条件が大きく変わらない限り転職はしない。

大企業の傘に守られて、恩恵を享受して、

お金は投資で増やせばいいかなと今は思ってる。」

と、すっかり考えが変わっていた。

 

Twitterで多いことだけど、今の20代くらいの若者にとって

転職はなんならそれ自体が武勇伝のような・・・勲章かステータスであるかのように

扱われているなあと感じることがある。

特に息子はエンジニアなので、そういう職種は

「転職を繰り返してスキルアップのがかっこいい」という認識されがちだし、

わたしたちも、「終身雇用は過去の遺物?」という世間の空気は

うっすら感じている。

けれど、流行りもののように転職する必要あるのか?ということも同時に思っていたし

また、転職することによって「得られるものと失うもの」両方あるのでは?と

思っていた。

息子の人生だから、「誘導」も含めてよけいなことを言うべきでないと思っていたから

彼が「転職を考えてる」と言ったときにも、特に何も言わなかったけれど

その息子が自分で知識を増やし、勉強して

「転職で失うもの」に気が付いて思いとどまったことの意味は大きく、

これもまた成長だなーと感じた。

 

ほかには「住居」のこともそう。

「賃貸」vs「持ち家」でも、いろいろ情報収集しているらしい。

・・・というのも、これは結構びっくりしたのだけど、

息子夫婦の既婚の友達はもう家を買ったり建てているカップルが

半分くらいいるらしいのだ。

東京や大阪などに住んでいる友達カップルはさすがに高額になるため賃貸住まいだけど

地元や地方に住んでいるカップルは地価が安かったり

親が土地を持っていたりするのでほとんど家を買っているらしい。

 

新築分譲・・・とか、注文住宅・・・とか、

そんな話を聞かされたらさぞうらやましくなりそうなものだけど、

そんな友達夫婦の話を聞かされても、息子とお嫁さんは

 

「うちは賃貸でいいよね~」

 

なんだそう。

友達が家を建てていることに、うらやましさと焦りを感じて

わたしも!という気持ちで家を建てるのを急いだわたしとは大違いだ(恥)

 

「流されない」っていうのは、単に性格だけの話じゃなくて

Twitterでの確証バイアスで染まっていったわけでもなく、

それ相応にいろんな本を勉強して、メリットデメリットをリストアップして

出した答えであるところがとても素晴らしいなと思う。

 

たとえば投資についてなんかも、

二人で同じ本を交代で読んで知識をつけていると言っていた。

 

息子のほうは結婚するときにすでに投資をしていたのに対し、

銀行預金しか知らなかったお嫁さんは全くの素人だったのだけど

でも、地頭の良さからくる勤勉さと読解力の高さからか

(学生時代一番の得意科目は「国語」だったという珍しい人w)

水を吸い込むスポンジのごとく、彼女はみるみる知識を吸収して

今は二人でお互いのポートフォリオを見せ合って、意見交換しているほどらしい。

 

基本的に二人ともとても真面目でリサーチ好き、勉強好きな性格なので

それが功を奏しているかもしれないけれど

 

「世間や友達はどうしてる?」

と気にしながら自分たちのライフプランを決めるのではなく

自分軸を作って、「よそはよそ。うちはうち」を実践している姿勢は

尊敬すらしてしまう。

だって20代のわたしなんて、

間違いなく人の目を気にしての物欲にまみれていた人だからねえ・・・。

(だからお金貯まらなかったんだと、改めて納得。)

 

今の20代ってすごいね。

情報があふれている時代ではあるけれど、アクセスを持っていても

自分からアクセスしにいかなければ、

その情報はずっとガラスの向こうの展示品でしかないわけで・・・

 

 

そこの苦労を惜しまず、しっかり吸収しようとしている若い二人の将来は

今のところ安泰ではなかろうか・・・と、

息子の成長ぶりと、夫婦の相性の良さに安堵する連休でしたよ。